はじめに
「どれだけ勉強しても、英語の偏差値が50から上がらない…」
「何が原因で成績が伸びないのかわからない…」
「英語で他の科目をフォローしたいのに…」
こんな風に思っているあなた。その気持ち、よくわかります。
しかもGMARCHをはじめとする私立文系では、英語の配点が高いところがほとんどです。「英語で点を取れないと合格できないのに…」と焦ってはいませんか?
この記事では、「効率的な英文法の覚え方」「英文法の効果的な演習方法」「過去問演習における注意点」と、英文法の学習方法を説明したあとに、おすすめの参考書を紹介していきます。
この方法を実践すれば、1ヶ月で英語の偏差値を10上げることも夢ではありませんよ!
英文法はなぜ重要なのか?
英文法がおろそかになっているあなた、まずは、成績を上げるために英文法がなぜ必要なのか考えてみましょう。ここでは、多くの人が陥りがちな英文法の落とし穴を紹介します。
英文法は覚えた気になりやすい
まず1つ目の落とし穴は、「覚えた気になりやすい」ことです。
分量の多い英文法の参考書、1周読み切っただけで満足していませんか?または、何度も参考書を読み返しているはずなのに、問題演習になるとどうしても忘れてしまう文法事項はありませんか?
そんなあなたは、英文法を覚えるコツをつかむ必要があります。コツさえつかめば、覚えられない英文法などありません。
英文法をおろそかにすることのリスク
2つ目の落とし穴は、英文法をおろそかにすると、英語の他の分野の問題の点数まで落としてしまうということです。
例えば和訳問題では、文の構造がわからないと正解からかけ離れた解答になってしまいますし、リスニングでも話の流れを見失いかねません。しかも、英文法をしっかり理解していないと正解できない問題に限って、配点が高かったりします。
しかし言い換えれば、英文法をかためれば、他の分野の成績が上がることまで期待できるということです。次章から紹介する英文法の覚え方・演習方法を実践して、英語の成績を一気に伸ばしましょう!
英文法の覚え方
参考書を読んでも、なかなか英文法が覚えられないというあなた。ここからは英文法の覚え方を紹介します。
1周目に気をつけること「暗唱しながら進む」
ほとんど、もしくはまるっきり覚えていない文法事項があるあなた。
先ほども言ったとおり、英文法を勉強する際の大きな落とし穴が「覚えた気になりやすい」です。これを防ぐために、まず1周目では参考書の文章を区切り、読んだところを暗唱しながら読み進めましょう。
例えば、英文法の「仮定法」について、参考書の記述を次のように区切ってみます。
1. 「仮定法」とは、現在の事実に反する仮想を意味する文のことです。
例)If I had money, I would buy that house. ーもしわたしがお金を持っていたら、あの家を買ったのに。 ※お金持ちではないので買えない
2. このように、現在の事実に反する仮想について表すとき、英語では現在のことであっても過去形を使って表します。
3. 仮定法の文は、基本的に以下のような構造になっています。
If + [主語A] + [(助)動詞の過去形] + ~, [主語B] + would + [動詞の原型] + ~
ー もしAが○○だったら、Bは□□したのに。
4. 例)If she was here, she would help us.(彼女がここにいたら、私達を助けてくれただろうに)
5. If I were you, I would be angry with him.(もしわたしがあなただったら、彼に怒るだろう)
※be動詞については、主語がI, He, Sheであってもwereを使うのが一般的でした。ですが、口語ではwasを用いることが多く、最近では書き言葉でも使われることが多くなっています。
次に、上から読んでいきます。このとき、1ブロック読み終えるたびに、そのブロックに書いてあったことを暗唱してください。
つまり、1ブロック目の
1.「仮定法」とは、現在の事実に反する仮想を意味する文のことです。
例)If I had money, I would buy that house. ーもしわたしがお金を持っていたら、あの家を買ったのに。 ※お金持ちではないので買えない
を読んだら、2ブロック目に移る前に、これを暗唱してみるのです。
ただし、1字1句再現する必要はありません。重要な情報だけ取り出して覚えましょう。
また、ブロックの分量に特にルールはありません。「あなたが1回で覚えられる量=1ブロック」として分けていきましょう。
ここで重要なのは、2ブロック目を読んだら、1ブロック目と2ブロック目の両方を暗唱するということです。つまり、1つブロックを読み終えたら、その前のブロックすべてを暗唱しましょう。でないと、1つ新しいことを覚えるたびに前に覚えたことをどんどん忘れてしまうことになります。
2周目以降気をつけること「マーカーで自分専用の参考書に」
もう大学受験に必要な文法事項は1周した!というあなた。では、穴を埋めていきましょう。
覚えているところを何度も読む必要はありません。自分がいまいち覚えきれないところにだけマーカーを引き、自分専用の参考書に仕立てましょう。
また、問題を解く際に、参考書に載っていなかった文法事項や表現が出てくることがあります。そんなときは、それらを参考書に書き加えましょう。そうすることで、参考書を読み直すたびに自分の過去のミスまでチェックでき、同じミスで失点することを防げます。
自分の弱点が詰まった参考書を作り上げることが大切です!
文法事項ではなく英文を覚えよう
冠詞、不可算名詞、強調構文、従属節、付加疑問文…
参考書には多くの文法用語が出てきますが、これらの言葉を覚えたところで英語はできるようになりません。文法を覚える際には、文法用語に固執するのではなく、例文ごと覚えてしまったほうが効率的です。
これは、リスニングにおいて非常に大きな効果があります。読解問題とは違い、リスニングはこちらの理解を待ってくれません。文法を例文ごと覚え、感覚で理解してしまうことで、聞いた瞬間構文をつかむことができるのです。


英文法の演習のしかた
問題を解いても解いても点が伸びないあなた。ここでは、英文法の演習方法について説明します。
数をこなせばいいと思っていませんか?
まず重要なのは、数をこなさなくとも受かる、ということです。私は高3のときに解いた問題集は1、2冊ですが、早稲田に合格しています。量より質を重視するべきなのです。
間違えた問題にはチェックをつけ、できるようになるまで復習しましょう。前述したとおり、参考書に書き込んで何度もチェックするのも効果的です。
また、同時期にやる問題集は1つに絞りましょう。複数の問題集を並行して進めると、どうしても1つ1つに対し手を抜きがちになります。「この問題集から問題が出れば満点がとれる」と確信が持てるまでやりこんだあと、次の問題集に進むほうが効率的です。
問題になっているところだけ覚えればいいと思っていませんか?
問題になっていないところはスルーしていいと思っていませんか?それは非常にもったいないです!
あなたが試験や問題集で間違えたあの単語や文法は、昨日演習した問題の傍線部以外の箇所に存在していたかもしれません。問題集に出てきた英文で知らない単語や覚えていない文法事項があったら、これを機にすべて覚えてしまいましょう。
ただ、1周目にすべて覚えようとすると力尽きてしまうかもしれません。そんなときは、1周目は問題になっているところだけ、2周目からは他の箇所も、と自分なりの勉強の仕方を実践することをおすすめします。
過去問を解くときに気をつけること
参考書と問題集を完璧にしたところで、いよいよ過去問演習です。
まず、文法問題は、知らない用法が出てきても落ち込むことはありません。難しい問題はみんなできないからです!ただ、参考書に載っていたのに忘れていたものは、逐一確認しましょう。
長文読解とリスニングについては、英文すべてを見直す必要はありません。「まったく意味がとれない英文」「意味を取り違えたせいで文章の流れがおかしくなった英文」のみ確認しましょう。
和訳問題は、丁寧に見直す必要があります。なぜなら、大学は「単語の和訳が正しくできているか」よりも「構文を正しく読み取れているか」に高い配点を置くからです。参考書通りの和訳ができるよう復習しましょう。
入試が近くなってくると参考書を見直せる時間が少なくなるので、過去問で間違えたものだけをまとめるノートを作るのも効果的です。