【センター国語】センター現代文の解き方とおすすめの参考書
2017/02/03この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。内容が古くなっているのでご注意ください。
はじめに
この記事では、センター国語現代文対策のために必要なおすすめのセンター現代文参考書と、センター現代文の解き方をご紹介します。
この記事では、1997年から2015年度までのセンター国語試験の現代文問題について分析した情報もご紹介するので、是非大学受験国語対策の参考にしてみてくださいね。慶應義塾大学在学の理系学生の私が、実際に大学受験時代使用した、おすすめの現代文問題集や参考書もご紹介するので、是非試してみてください!
センター国語現代文の試験とは?高得点にセンスは必要?
あなたがセンター現代文の問題に抱くイメージは、「問題が難しい」や「答え方の掴みどころがない」などではないでしょうか?
私も高校3年生の1学期にはそのような思い込みがありましたが、現代文を深く勉強していくにつれて、センター現代文に対する考え方が変わってきました。
まずは、現代文に対するイメージを変えていきましょう。
センター国語、特に現代文はどう勉強すればいいのか分からない
多くの受験生が現代文について持つ悩みが、「どう勉強すればいいか分からない」
ではないでしょうか。
ただ問題演習を重ねて復習しても、次に同じ文章が出題されることはほとんど無く、「現代文はセンスに頼らないと得点できない…」と諦めて他の科目に勉強時間を回してしまう人も多いでしょう。
そんなあなたに朗報です。
現代文の成績を上げる方法、あります。しかも、楽しみながら。
ここでは、「評論」と「小説」に分けて勉強方法を紹介していきます。
現代文の問題には数学のように確立された唯一無二の解答が無い!
「確立された答えがない」ことも、あなたを悩ませる種の1つでしょう。
模範解答と似たようなことを書いているのに大幅に減点されていたり、見た目は模範解答と異なるのに満点をもらえたり…
このような経験から、「掴みどころがない科目だ」と思ってしまうのも無理はありません。
ですが、「確率された唯一無二の解答がないこと」こそが現代文の問題の良さなのです。
センター現代文の問題でさえ、「正しいものを選びなさい」ではなく、「最も適切なものを選びなさい」と書かれているのは、唯一無二の解答が存在しないからです。
「唯一無二の解答が存在しない」にも関わらず問題にする事ができるのは、設問の選択肢の中に問題文の内容と一致しないものが混入していて、それらの選択肢を不適切であると本文の根拠に基づいて判断することができるからです。
つまりセンター現代文は本文に適さない選択肢を消去し、最後に残った選択肢を答えとして選択するという解答方法で得点していくのです。
具体的な選択肢の消去の方法は後ほど紹介します。
センター国語は読解問題1問の配点が大きすぎる!
国語の試験、特にセンター試験においては、読解問題の配点が1問7点・8点ばかりです。
思わず、
「フザケてるのか!?」
と思ってしまいます。ただでさえ難しい国語の問題で、数問間違えるだけで簡単に合計50点くらい吹っ飛びます。高得点を狙っている受験生からすれば、1問マークするだけで手が震えます。かなり大きなプレッシャーがかかって、もう恐怖以外の何物でもありません。センター試験の中で最も心臓に悪い科目です。
これほどにまで多くの受験生が恐怖を感じる選択肢を、自信を持って答える事ができれば、かなりのアドバンテージになりませんか?
本番までに確実な力をつけて、自信を持ってマークできるようになりましょう!
センター国語現代文で高得点を取るのに必要な3つの力 ~「センス」の正体とは!?~
センター国語、特に現代文の試験では得点が不安定になることが多くないでしょうか。
ある模試で国語の点数が非常に良かったからと言って、次の模試や本番で良い点が取れるわけではありません。逆に模試の結果が悪くても本番で高得点を叩き出せる人もいます。
センター国語現代文の得点が安定しないことは、文章の内容・書き方の好き嫌い、話題を知っている・知らない、出題された文章を読んだことある・無い、長文に耐えられる・耐えられない、といったことによって引き起こされます。
もちろん普段から多くの本を読んでいる人であれば、長い文章を読むことにも耐えられるし、文の構造や内容を自然に理解できます。
また、読書する際、書かれてあることを自分が分かりやすい表現に言い換えたり、自分の体験に当てはめて納得・理解したり、話の展開を自分なりに整理する癖が付いていると、現代文の試験で必要な能力を普段から使っていることになるために、その人が「自然と」「センスで」読んでいるように見えるのです。
ここで、センター国語現代文の試験に必要な3つの力、
「言い換え力」「内容理解力」「展開整理力」
が出てきました。2次試験で国語が必要な受験生には、この3つに加えて「記述力」が求められます。
この「言い換え」「内容理解」「展開整理」の3つを確実に遂行できることがセンター国語現代文で確実に得点を稼ぐことに繋がります。また、話題を知っていたり、長文に慣れている程点数UPの可能性は高くなるので、「長文に慣れる」こと、「話題・テーマを知る」ことについてのトレーニングもしていきます。
センター国語現代文「評論」の出題傾向と対策を知ろう!
ここからは、「評論」と「小説」に分けて説明していきましょう。
まずは「評論」から説明していきます!
センター国語現代文「評論」の出題傾向
まずは私が完全なる独断と偏見で『2016 センター試験過去問レビュー 国語』(河合出版)の2015年度~1997年度の「評論」の読解問題の設問で問われていることと問題数をまとめてみました。
設問内容(問われている回数が多い順に並べてます。分類は私の主観的なものです。選択する答えが複数の場合も1問として換算。)
1位 44問 「~はどういうことですか。」内容説明する問題
2位 19問 「筆者の考えをまとめたもの、本文の内容と合致するもの」を選択する問題
3位 15問 「~なのはなぜですか。」理由を尋ねる問題
4位 10問 文章の構成・表現・特徴についての問題(ここ10年で増えています。)
5位 7問 「具体的にどのようなものか」説明する問題
圧倒的に問題数が多いのが内容説明(言い換え)問題です。次に主張把握(内容把握)問題、理由(展開整理)、構成(展開整理)・表現・特徴についての問題と続きます。つまり「評論」では、どのような文章でも同じ力が求められている事がわかります。「言い換え力」・「内容把握力」・「展開整理力」は受験対策で付けることができるので、安心してください。
読解問題とは別に、毎年必ず出題される問題「漢字」の対策もしなくてはいけませんが、「漢字」には傾向も何もありません。出題され得る漢字を全て学習するだけです。
「評論」対策におすすめ参考書・問題集と具体的な勉強方法
ここからは、私が実際に「言い換え力」・「内容把握力」・「展開整理力」と「漢字」を身に付けることができた参考書と勉強方法を紹介していきます。まずは「漢字」から。
『上級入試漢字』

『上級入試漢字』は、過去10年間に主要な国立大学・私立大学の入試問題で出題された漢字を約4000語をチェックできる問題集となっています。
10年間で最も出題頻度の高かった250語を冒頭に収録していて効率的な学習ができたり、巻末の索引では漢字の「書き」・「読み」・「意味」を確認できるようになっているため、間違えた漢字に印を付けて見直すだけでも学習できるようになっています。
毎日の漢字学習に最も適した問題集です。
次に単語帳。
『生きる現代文読解語』


生きる現代文読解語生きる現代文読解語霜 栄霜 栄く生きる現代文読解語た霜 栄と霜 栄き
色々な情報が乗っていて要約問題もあります 36ページほどから始まる言葉と意味を一致させる問題は答えが見にくいので、オレンジの線で答えを引くと分かりやすいです
現代文の読解語の参考書は大体同じなので、オプションで見定めた方がいい。背景の説明に要約がついているので、国語力も鍛えられる
「現代文で単語帳?」と疑問に思う受験生もいるかと思いますが、『生きる現代文読解語』は単なる単語帳ではなく、現代文が扱っている文化や社会面などの背景を解説してくれています。そのため、知識として知っておけば話題がある程度最初から分かっているため「評論」の問題文がかなり読みやすくなり、大学入試以後にも役に立つ社会問題についての教養も身につきます。
頻出単語センター特集や、テーマ別に単語を分類してまとめてくれているため、非常に使いやすくなっています。
そして読解編。
『上級現代文1・2』

とにかくカッコいい
高2の冬ぐらいからコツコツゆっくりやり、高3の春に終わらせました。 私が思ったこの本のいいところは 1. 問題数、出題校が充実している →例題含め36題と、すごくボリューミーだと思います。出題校は東大はじめ旧帝大、難関私大と、かなり手応えのある良問揃いの1冊です。 2.解説の自己採点における部分点のポイントがわかりやすい! …現代文記述において自己採点はかなり難しいと思うのですが、ポイントごとに配点も振ってくれているので採点しやすいし、記述の「点が取れる、求められている書き方」が着実に身につきます。 惜しいと思った点は、 記述メインに偏っていて記号問題が1問もないというところです。少なくとも一題につき1、2問程度、内容把握の記号問題が欲しいと思いました。ですので、センターでしか現代文が必要ない人、私大志望の人には向かないかもしれません。 これ1冊やれば国公立二次には充分かと思います。これから夏休みにかけてじっくり完成させることをオススメします!
読解力開発講座→上級現代文1 独学ならこのルートがいいと思う。上級現代文1は、高3の夏休みなどの時間がとれる時に、1問1問に真剣に取り組むと、国公立2次型の現代文の地力がつくと思います。ぜひやって、どうぞ。

わたしにはショーーーージキ微妙でした。 絶対そんな答えじゃないでしょ?っていう所があったので…。 国語で全国トップ10に入ったこともあるので出来る方だと思うのですが、いかんせん答えと自分の回答が合わない。抜き出しかよ?もっと創作して言葉を変えて文字数縮めてポイントを入れるべきでしょ?と思う箇所がいくつも有りました。 わたしは林修先生の授業で現代文は固めてたので、林先生の解き方に慣れてる人は合わな〜って感じがすると思います。 問題は難しいけど、解き方は基礎!着実に!応用せず!って感じかな。基本を押さえた解き方!という感じなので、入試で国語は抑えの教科、という人にはいいのかも。人より点を取ろうと思う人には向いてないです。
文章は国公立最難関向けなので、難しいです。解説文がとても詳しく書かれており、記述の参考になるので現代文をもっと伸ばしたい方にオススメです!
現代文評論の最強の学習方法は、
①自分で答案を書き、
②信頼できる先生に添削してもらい、
③納得できるまで先生と答案について議論する、
3STEPです。
この勉強法に最も適している参考書・問題集が『上級現代文1・2』です。
もちろん、センター試験対策のための記事なので記号問題における勉強方法・解き方は後述の「センター過去問利用法」で紹介します。
しかし、センター現代文と言えども、読解力を最も伸ばすのは
「自分で答案を書き、信頼できる先生に添削してもらい、納得できるまで先生と答案について議論する」
方法なので、ここで紹介しておきます。
『上級現代文1・2』だけでも、記述の答案の作り方についてかなり詳しく説明してくれていますが、自分自身ではどうしても甘く採点してしまうので、信頼している国語の先生に添削してもらい、質問・議論しましょう。
『上級現代文1・2』の解説に、「傍線部をいくつかに分解して言い換える」答案の作り方(言い換え力)と要約(内容把握力・展開整理力)について詳しく書いてくれているので、解説を読んで言い換え・内容・展開について納得し、もう一度自分でできるかどうかを確かめて復習してください。自分で本文を要約して、先生に添削してもらうと更に読解力が付きます。
文章自体の内容についてわからないことがあれば、『生きる現代文読解語』を使ってテーマを確認したり、類似したテーマの本を読んでみたり、先生に質問することで解決しましょう。
最後に、読書感覚で「評論」読解のトレーニングができる本の紹介です。
『東大現代文で思考力を鍛える』
「東大現代文」と聞いて身構えるかもしれませんが、文章自体の難しさはセンター試験と大差ありません。
楽しく、納得しながら「評論」読解(思考力)のトレーニングが出来ますし、本を読むことで長文に慣れる練習もできます。

あぁ、最高だ。これだから現代文は面白くて仕方ない。入試や受験勉強と捉えない、これは教養だ。奥深くて、緻密で、芸術的な感性がそこには存在しているのだ。
普段考えないテーマなどを多角的に捉える練習になるかも。出口氏の解説も良い。
積ん読してます。
【まとめ】センター国語現代文「評論」で意識する3つのこと
「評論」の読解力(「言い換え力」・「内容把握力」・「展開整理力」)を伸ばすために、
・自分で答案を書くこと
・納得するまで先生に質問すること(1人で悩みすぎるのは時間の無駄)
・単語帳や学習済みの問題文から単語を吸収すること
の3つを意識してください。
センター国語現代文「小説」の出題傾向と対策を知ろう!
次に、「小説」について。
センター国語現代文「小説」の出題傾向
「小説」についても、まずは私が完全なる独断と偏見で『2016 センター試験過去問レビュー 国語』(河合出版)の2015年度~1997年度の「小説」の読解問題の設問で問われていることと問題数をまとめてみました。
設問内容(問われている回数が多い順に並べてます。分類は私の主観的なものです。選択する答えが複数の場合も1問として換算。)
1位 25問 「心情・考えを説明しなさい。」心情・考えの内容説明する問題
2位 24問 「~はどういうことですか、説明しなさい。」内容を説明する問題
3位 19問 「~なのはなぜですか。」心情・心情のつきまとう行動の理由を尋ねる問題
4位 11問 文章の表現についての問題(ここ10年で増えています。)
5位 11問 「人物像・関係」を説明する問題
理由説明や内容説明にも登場人物の心情が関わってくる場合が多く、ほとんどが「心情」に関係した問題となっています。つまり「小説」では、登場人物の「心情」の流れを捉えること(展開整理)が重要になってきます。「評論」と同じく、「心情」の根拠は本文中に記述されているので本文にある「心情」に関わる単語や文章を見落とさないように気をつけましょう。
「小説」対策におすすめ参考書と具体的な勉強方法
まずは「語句」について。
「小説」の「語句」問題では、辞書的意味を基準にして考えることが重要です。
普段から分からない慣用句や単語の意味を辞書で調べる癖を付けましょう。
難しい慣用句や語句が出るわけではないので、特別な参考書や単語帳を使うのではなく、過去問や教科書で使われた語句を復習する勉強法で十分です。
「小説」の読解は「評論」の読解の勉強法とは異なり、記述問題ではなく記号問題を扱います。
記号問題を扱っている教材で最も力を伸ばすことができるものは、センターの過去問です。
「小説」の問題に使える時間の目安は20分なので、過去問で演習するときには15分で解いてみましょう。
実際に解く時は、選択肢の中から消去法で答えを選んでください。
消去法を使うときに、選択肢の文章を内容で5つほどの部分に分けて、本文と照らしあわせて根拠を見つけてから、部分ごとに適切・不適切の判断をしてください。
また、基本的なことですが選択肢の語尾と設問の内容が一致しているかどうかにも気をつけてください。
例えば、理由を聞かれている問題であれば、「~であるから。」や「~のため。」などの理由を表す語尾でない文章は設問に一致した受け答えになっていないため解答としては不適切となります。
勉強で最も大事な復習の時間には、選択肢の適切・不適切それぞれの根拠が本文のどこにあるかを見つけることに時間を割いてください。
【まとめ】センター国語現代文「小説」で意識する3つのこと
「小説」の勉強をするときに意識することは、
・感情移入しないこと(本文に書いてあることのみを考えること)
・本文に根拠を見つけ、消去法で選択肢を選ぶこと
・設問と解答の受け答えはできているか
の3つになります。