物理の公式を「理解する」ための勉強法力学編!「わからない」を脱却!

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はじめに

大学受験の物理のなかでも最も重要なのは力学です。

「力学は他の単元に通じる物理の基礎だし、大学受験で最も出題される分野だ」
「だからまずは力学を勉強しよう」
学校や予備校の物理の先生からこういった話を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

この考えは確かに正しくて、熱力学や電磁気では力学がおぼつかないと解けない問題が出題されます。また大学によっては波や電磁気、熱力学が出題されないことはあっても力学の問題が出題されないことはまずありません。

しかし力学は時間を掛ければ掛けた分だけ得意になるわけではありません。
当然です。物理は歴史のように暗記をすれば成績が伸びる科目ではありません。
しっかり時間をかけて勉強しているつもりなのに成績が伸びず、物理が苦手・嫌いになってしまった人

物理が苦手だと感じている人でもわかりやすく物理を勉強する方法があるのです。
「問題を通じて公式を理解する」
この視点を持って臨めば、必ず物理は得意に出来ます!

力学を制するものは物理を制する

力学は高校物理の中で最も重要な分野だと言われています。
その理由は大きく分けて2つ、「物理の試験ではどこの大学でも必ず出題される」ことと「他の分野を理解するのに必要になってくる」ことです。
これらについて詳しく説明します。

力学はどんな大学でも必ず出題される

2次試験、私大入試では多くの場合範囲外である原子物理を除いて、物理には力学、電磁気、波動、熱力学の4つの分野があります。
一方で物理の入試問題では3つの大問を出題する大学が多いです。
ということは、各分野から満遍なく出題されるということはなく、4分野の内1つは出題されないのです。
多くの大学では力学と電磁気が毎年出題され、年によって波動が出るか熱力学が出るかという形式をとっています。
波動や熱力学をどれだけ勉強して得意にしたとしてもあなたが受験する年にたまたま出題されなかったら水の泡ですが、力学はそういったことはありません。
つまり、力学の勉強は他の分野と比べて無駄になりにくいのです。

力学は他の分野でも使う

また、力学の考え方は電磁気学や熱力学の分野で使うことになります。
例えば電磁気学では、荷電粒子の電界や磁界中での運動を問う問題が出題されます。これは、力学における仕事やエネルギー保存則の考え方が身についていないと全く解けない問題になってしまいます。逆に言うと「重力のようなものがいくつかある斜方投射」と思って解くと力学が得意であれば難しく感じること無く解ける問題でしょう。
熱力学の分野でも、圧力が変化する中で力の釣り合いを考える問題など、力学をしっかりと理解していることが求められる問題がたくさん出題されます。

実は他の分野よりも解きやすい!?

更に私が考える力学が物理の勉強において大切な理由として、「他の分野と比べて覚える(=暗記する)ことが少なくて済む」というのが挙げられます。
後々見ていきますが、力学においては各公式が導き出される理由がシンプル、かつ公式そのものも覚えやすいです。
一方で例えば波動分野の光波の単元は様々な「暗記しておかなければいけないこと」があります。位相が1/2ずれる条件、波長の長さと色など...
こういった覚えておかなければいけず、かつ応用が効かないことというのが力学には極端に少ないです。(実戦的に言えば単振動の式の各項が表す意味などは覚えてしまうことが望まれますが、それくらいです)
力学はそれぞれの問題に対して1対1で知識を付けていく必要が無く、応用の効く公式をいくつか使いこなせればいいものなので、他の分野よりも解きやすく、得点を伸ばしやすいと私は考えています。

物理に必要なことは「公式」に詰まっている!

ここまで見てきたとおり、「力学を制するものは物理を制する」と言っても過言ではないくらい力学は受験物理において重要な位置を占めているといえます。
では、「物理の成績を伸ばしたい!」と思うあなたにとって重要な事は「何をすれば力学を得意にすることができるか」ということになると思います。
わからないものをわからないまま闇雲に問題集を解いていても、時間が浪費されてしまうばかりです。
実は、「公式」を軸に据えて勉強を進めていくことが、最も効率よく物理を勉強する方法なのです!

「公式そのもの」と「なぜ公式が導かれるか」が互いの記憶を定着させてくれる

(この章では、見やすくするため各文字の定義を省略して表記します。慣例となっているものを使います。)
物理を勉強したことがある人なら
運動エネルギー E=1/2mv^2という式は見たことがあると思います。
見たことがあるどころか、完全に覚えてしまっているという人が多いのではないでしょうか。
この式を導くためには、質量m、速度vで動く物体に力Fを加えて減速させたらどれだけの仕事をして物体が静止するかという事を考えたはずですが、この式を覚えているあなたはそんな事をいちいち考えなくても運動エネルギーを求めることができるのです。
このように公式は使っていくうちに覚えて、当たり前のこととして使えるようになるものです。
問題を解く際に「どの場面でどの公式を使うか」ということに焦点を当てながら進めていくと、実際に問題を解くのに役立つ力がつきます。

一方で、先ほどの運動エネルギーの式にもそうでしたが、公式には必ず導出するための考え方や過程が存在します。それを正確に把握していることは、覚えにくい公式を覚える助けになったり、どの公式を使えばいいのか判断する手助けになったりします。
例えば等速円運動の加速度 a=rω^2=vω=v^2/rという公式は、中心角が微小な時においては扇型の弧の長さと内接する二等辺三角形の底辺の長さを同じと考えることで導けます。
また等速円運動の速度と角速度に関する公式を用いれば3つの方法で表現することが出来ます。
このような事を知っていると、角速度は半径v中心角ωの扇型の弧の長さだと覚えられますし、加速度の形が1つも思い出せないときに式変形で後の2つを導くことが出来ます。
このように、公式の導出を完璧にとは言わずとも把握しておくだけで、公式を使いこなすための大きな手助けになってくれるのです。

問題演習を通じて「公式そのものと、公式がどんなタイミングで使われるか」ということを、教科書・参考書を使って「公式はどのように導かれるのか」を覚えることで、お互いがお互いの記憶を深く定着させてくれます。

公式を理解するための勉強法:教科書→問題集ではなく問題集→教科書

一般に勉強をするときには教科書・参考書を読んでから問題集で問題演習をするというのが普通の流れだと思います。
しかし私は、「大学受験を見据えて力学を勉強するとき」には、まず問題集に付いている各章毎のまとめを読んですぐ問題を解いてから参考書や教科書を読んでいく方がいいと考えています。
もちろん、簡単な解説を読むだけでは公式も覚えられないでしょうし、どう使っていいかわからないと思います。なので、問題集を最初に解くときはわからない問題があったら都度まとめを参照しながら、それでもわからなかったら悩まずに答えを読むつもりでやっていきましょう。
そして公式そのものやどう使うのかということを頭に入れた上で、参考書を読んでみるのです。
「あそこで使った公式は、こういう仕組みで導出されていたのか」という気付きが得られると思います。
志望校に合格するためには問題を解けること、つまり公式が問題の中で正しく使えることが必要です。そういった考えに基づくと、問題集を中心に勉強を進めて、その理解を深めるために参考書を使うほうが良いのです。
(数学では公式の導出が出題されることがあるのでその限りではないですし、他の分野、科目では知識が問われることも多いです。あくまで力学の勉強法と考えてください。)

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単元別要チェック公式とポイント

力学の中でも難易度が高く、また他の単元(特に電磁気)との融合問題で問われやすい2つの要チェックポイントについて細かく解説します。

仕事と力学的エネルギー

まず、「仕事と力学的エネルギー」について
運動エネルギー E=1/2mv^2
これは先程も見たとおり、ある力Fを使って運動している物体を静止するときに必要な仕事はその物体の速度と質量で決まることを示す法則です。
この考え方をある2つの速度間で適応すると
エネルギー原理 1/2mv^2+W=1/2mv'^2
という式が生まれます。
更に位置エネルギー、つまりどのような経路を通っても、その位置によって持っているエネルギーが決まる力(保存力)の持つエネルギーを2つ考えます。
重力の位置エネルギー U=mgh
弾性力の位置エネルギー U=1/2kx^2
です。
これらの和は仕事をしていない時(摩擦がない時)は一定であるというのがエネルギー保存則です。
1/2mv^2+mgh+=1/2mv'^2+mgh'
これはエネルギー原理の仕事Wが0の場合と捉えることが出来ます。

電磁気で出てくるクーロン力やローレンツ力も保存力なので、電磁気学ではこのエネルギー保存則が大活躍します。

単振動

単振動は力学の中で最後に履修するもので、難易度も高くなります。
単振動を扱う上では、先ほど見たエネルギー保存則も多用します。

「単振動は等速円運動の正射影」という考えから
単振動の変位 x=Asinωt (Aは振幅)
というのはわかりやすいと思います。
しかし、速度や加速度についても円運動の正射影という考えからこれらの公式が導かれます。
単振動の速度 v=Aωcosωt
単振動の加速度 a=-Aω^2sinωt=-ω^2x
しかしこれらを正射影という図形的思考で導くのはなかなか難しいです。
そこで、数学3まで学習している人は単振動の公式に関しては「微分」の考え方を用いましょう。
速度は単位時間あたりの位置の変化、加速度は単位時間あたりの速度の変化です。
つまり、位置を時間で微分すると速度、速度を時間で微分すると加速度が求められます。
翻ってx=Asinωtをtで微分してみるとAωcosωt、さらにtで微分すると-Aω^2sinωtと確かに速度、加速度が求められたことがわかります。
単振動については微分を用いると1つの公式から容易に2つの公式が導けることが判っていただけたと思います。

この記事を書いた人
あなたの勉強を後押しします。

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