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はじめに
二次方程式は「①解の公式②因数分解③√」による解き方で解きます。
本記事では「二次方程式とは何か」という説明から、3つの解き方の使い分けまでを解説します。
もし、上の3つの二次方程式の解き方を使い分けることができないのなら、ぜひこの記事を読んでみてください!どのように解き方を判別するのかが理解できます。
さらに、単純な二次方程式の問題だけではなく、二次方程式の利用、判別式、グラフを使った問題(センター試験)も解説しています。
私は因数分解や二次方程式を得意にすることで数学で点を取れるようになりました。高校からの数学では様々な分野を学習しますが、そのほとんどの分野で因数分解や二次方程式が出てきます。高校数学を学ぶ上でとても大切な分野である2次方程式、必ずマスターしてくださいね!
解の公式の解説の前に:二次方程式とは?
まずは二次方程式がなんなのかを見てみましょう!
二次方程式とは?
二次方程式は「二次」の「方程式」です。
「方程式」とは、
などの式のことですね?
値の分からない文字(ここではxやt)が含まれている式のことです。
「二次」とは、式の中のxやtなどの値の分からない文字の右上の数字の最大値が2であることを示しています。
この数字は次数と呼ばれます。次数が2の方程式なので二次方程式と呼びます。
つまり二次方程式とは
のような式のことです。
一般的にn次方程式にはn個の解(xやtに入る値)が存在するので、二次方程式の解の個数は2個です。
※実数解の個数となると解の個数は0個・1個・2個のどれかになります。
二次方程式を解くために必要な3つの力
二次方程式を解くには
①ルート計算
②因数分解
③解の公式
の3つの力が必要になります。
①ルート計算は
基礎中の基礎!平方根の計算や問題の解き方を完璧に理解しよう!
②因数分解は
因数分解とは?慶應生が教える、高校でも使える因数分解の公式と解き方
を参考にしてみてください!
解の公式はこの記事で詳しく解説します!
解の公式と二次方程式の解き方✏
ここから二次方程式の解き方を紹介していきます!
ルート(√)による二次方程式の解き方
まずは最もシンプルな二次方程式の型から見ていきましょう。
と解きます。(中学で習う数学ではa>0)
xを二乗するとaになることを上の二次方程式が表しているので上記の解き方で解けます。解に±が付くことを忘れないでください。負の数字も二乗すると正の数になるからです。
パターン①
【解答】
平方根の扱いに慣れていないと、最もシンプルな二次方程式も解くことができません。
パターン②
【解答・解説】
まずは
の形に式変形します。パターン①の解き方で解けるようにするためです。
パターン③
【解答・解説】
まずは
の形に式変形します。パターン①の解き方で解けるようにするためです。
パターン④
【解答・解説】
まずは
の形に式変形します。ここでは、二乗の展開をせずにカッコを付けたまま計算したほうが楽になります。
ここまでは平方根の単元が大きく関わってきます。
因数分解による二次方程式の解き方
次に因数分解による二次方程式の解き方を解説します。
どうして因数分解することで二次方程式が解けるのかというと、
ここで因数分解が完成した2行目に注目すると、左辺がかけ算の形で書かれていて、右辺が0になっています。
つまり、(x+2)もしくは(x+4)が0であるということになるので、
と二次方程式が簡単に解けてしまうのです!
解の公式による二次方程式の解き方
最後に、ルートを使っても解けない、因数分解ができない二次方程式の解き方を紹介します。ここでは「二次方程式の解の公式」を使います。
【公式】
「にーえー分のマイナスびープラスマイナスルートびーの二乗マイナスよんえーしー」
と100回声に出して言えば覚えられますよ◎
解の公式の導出
の形を作るために平方完成を用います。
公式を覚えたら練習問題で定着させましょう。
例題
解説
公式に当てはめると、
このように公式であれば何も考えなくていいですが、計算量が多くなります。
【まとめ】
二次方程式は
①ルートを外す解き方
②因数分解を使う解き方
③解の公式を使う解き方
の3つで解きましょう。
具体的な二次方程式の問題を解いてみよう!
問1)二次方程式を解きなさい~解き方判断の練習~
この4つの二次方程式を解いてみましょう。
二次方程式の問題で最も大切かつ最も難しいのは
ⅰ)ルートを外す
ⅱ)因数分解
ⅲ)解の公式
のどのやり方で解く二次方程式なのかを判断することです。
ⅰから順番に解き方を試してみるのが定石です。
二乗の形
ではないのでⅰの解き方ではありません。次にⅱ)因数分解できるかどうか試してみると、
因数分解で解く二次方程式でした。
の形にできそうなのでⅰの方法で解きましょう。
ではないのでⅰの解き方ではありません。次にⅱ)因数分解できるかどうか試してみると
たすきがけを使って因数分解することができました。
そのまま二次方程式を解くこともできました。
は③と形は似ていますが、因数分解することができません。こんな時には解の公式です。
これに
を代入しましょう。
【解答】(実際に解答用紙に書くのはここからです。)
問2)二次方程式を利用して解く問題
二次方程式を利用して解く問題は数多くあります。
本記事では基本的な問題を1問だけ見てみましょう。
【解答】
縦の長さをxcm(x>0)と置くと、横の長さは(x+4)cmとなるので
二次方程式を利用した文章問題は、何を文字でおくか、がポイントになります。
そして記述問題のときに単位やxの範囲がある場合は必ず文章で書きましょう。
問3)二次方程式と他の単元の融合問題(高校レベル)
二次方程式は、直接問題になるよりも融合問題として出題されることが圧倒的に多い単元です。特に高校数学では判別式と関わってきます。
中学3年生でこの記事を読んでいる人は「へ~」くらいに見てもらえば大丈夫です。
問題文からだと、二次関数の単元の問題に見えます。共有点とは、座標平面上に存在する点のことなので座標は実数になります。
また、2つの式を連立させると
この問題は、二次方程式
がaの値によっていくつ実数解を持つかという問題になりました。実数解がいくつあるかという問題は、判別式を使います。
解の公式のルートの中身を判別式と呼び、
英語表記でDiscriminantの頭文字を取ってDと書きます。
判別式を使うと、
ルートの中身Dが正であれば(D>0)±の符号の通り実数解は2個
ルートの中身Dが0であれば重解となり解は1個
ルートの中身Dが負であれば(D<0)、虚数解となるため実数解は0個
というように解の個数が判別できます。
ⅰ式の判別式Dは
よって、
解と係数の関係
解と係数の関係については、下の記事
を御覧ください!!