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場合の数と確率の基礎を解説!受験に役立つ樹形図、数え上げのコツ

この記事は最終更新日から1年以上が経過しています。内容が古くなっているのでご注意ください。

はじめに

もしかするとあなたも「場合の数・確率」という言葉に拒否反応を感じているかもしれません。
多くの受験生が、確率や場合の数といった単元を確かに苦手に感じています。
実際模試の問題別平均点なども、大抵の場合確率や場合の数の平均点が低いです。

私も高校に入った最初の頃は場合の数や確率といった「公式が少ない」「その場で考えなきゃいけない」様な問題をかなり苦手としていました。
しかし、高校3年生の受験生になってからは力を入れて勉強し、確率の問題を胸を張って得意と言えるレベルにしました。周りもみんな苦手だからこそ、確率が得意になると偏差値が一気に伸びます。

今回は、場合の数・確率が苦手なあなたに基礎的な考え方から実際の入試問題を用いた実践的な解説、またおすすめの参考書を紹介します。

場合の数とは?

さて、ここまで場合の数・確率という言葉を使い続けてきましたが、この2つの言葉はどういう関係なのでしょうか。
簡単に説明すると、高校数学の確率は「場合の数の比」のことです。つまり、場合の数をしっかり理解していないと確率は理解することができません。
そこでまずは、場合の数についてじっくりと見ていきましょう!

場合の数とは、「ある条件が起こる場合は何通りか」という数です。(そのまま過ぎる表現ですが)
「ある条件」というのがポイントで、「その条件がどういった条件か(ものを区別するのかどうか、引いたくじを戻すのかどうかなど)」を考え抜くことが大切で、場合の数のすべてと言っても過言ではありません。

場合の数の基本は"樹形図"

場合の数の中でも一番の基本となるのが樹形図です。
樹形図はその名の通り、樹の枝のように順番を整理して、全ての場合をもれなくカウントする方法です。
例えば3人の人A,B,Cを一列に並べる並べ方を樹形図で表現すると次のようになります。

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以上で全ての並べ方を網羅できているので、樹形図から求める場合の数は6通りだと言うことがわかります。
「すべて数える」のが場合の数の基本である以上、公式を使ってポンと答えが出せないような条件を考える場合も多々あります。
そんな時にもれなく場合の数を数え上げるためのツールとして、樹形図を使いこなせるようにしましょう!

繰り返しの操作は省略する

それでは、4人の中から3人を選んで一列に並べる並べ方が何通りあるかを考えてみましょう。

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樹形図を用いると、Aが先頭にいる時並び方は6通りあることがわかります。
今、4人の間で条件に差はないので、B,C,Dそれぞれが先頭にいる時も同数の通りがあることがわかります。
よって求める場合の数は6×4=24通りになります。

このように、樹形図を用いて数え上げる時に、繰り返しになる操作は省略して考えることができます。
そのためにも「条件を正しく理解する」ことが大切です。

順列と組み合わせ

さて、数え上げることが大切だと言い続けてきましたが、ここまで見てきた例題のような典型的な場合は公式を使って計算することができます。
それが、「順列」と「組み合わせ」です。
順列は「異なるn個の中からr個を選んで一列に並べる」場合の数です。上の2つの例はまさに順列の問題です。
n×(n-1)×(n-2)...×(n-r+1)と、nから連続するr個の数を掛けることで求まります。
組み合わせは「異なるn個の中からr個を選ぶ」場合の数です。順列に「順番を区別しない」という条件が追加されていると考えることもできます。
n×(n-1)×(n-2)...×(n-r+1)をr×(r-1)×(r-2)...×2×1で割ることで求められます。

順列と組み合わせはこの記事で詳しく解説しているので、ぜひ参照してください。

順列と組み合わせの違い・見分け方を東大生が1から解説!【場合の数】

重複組み合わせ

次に、順列と組み合わせほど典型的ではないものの、決まった考え方をすれば数え上げなくても答えを導くことができる「重複組み合わせ」についてお話します。
重複組み合わせとはその名の通り、「異なるn個の中から、r個を"重複を許して"選ぶ」組み合わせの数です。
例えば、「A、B、Cの3人が五個のボールを分ける時に3人の持つボールの数の組み合わせはいくつか」という問題を考えてみます。

Aが5個持っているときはB,Cともに0個、Aが4個のときはBが1個またはCが1個...と全ての場合を樹形図で整理することもできなくはありません。しかし、この手の問題は、「仕切り」の考え方を使うことで簡単に解くことができます。

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5個のボールを2つの仕切りで区切り、1つ目の仕切りの左にある個数がAの取り分、仕切りに挟まれているものがBの取り分、2つ目の仕切りの右にある個数がCの取り分とします。
すると、5個のボールに対する仕切りの位置がA,B,Cのボールの取り分と1:1で対応することがわかります。
つまり求める場合の数は、仕切りの置き方の数と一致するのです。
仕切り2個とボール5個を一列に並べる並べ方は、全部で7個のもののうち仕切り2つが何番目に来るかで求められるので
7C2=21通りということになります。
このように、重複組み合わせの問題ではn個のものとr-1個の仕切りを1列に並べる並べ方の数を考えることで答えが求まります。

重複順列

重複順列は、重複組み合わせと名前が似ていますが、
「異なるn個のものから重複を許してr個一列に並べる並べ方」です。
例えば、「X,Y,Zという異なる課題をA,B,C,Dの4人がそれぞれ選んで解く時の、4人の課題の選び方」の場合の数はどうなるでしょうか?

Aがどの課題を選ぶかの選び方はX,Y,Zの3通りあります。
B,C,Dについても同様に3通りの選び方を持っています。
そして、AがXを選んだとしても、BはX,Y,Zのすべてを選ぶことができます。重複が許されているので、他の人の選択によって選び方は制限されません。

よって求める答えは3×3×3×3=81通り になります。
「異なるn個のものから重複を許してr個一列に並べる並べ方」は

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になります。

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場合の数に活きる数え上げのコツ

こうして典型的な問題であれば公式を用いて計算することができるのですが、実際の入試問題ではそうもいかない場面が多いです。
そういった時、「正しく数え上げる」技術が求められてくるのですが、そのコツをお伝えします。

まず1つは先程もお話しましたが樹形図を使って整理すること。
樹形図の良さは、「漏れが起こりにくい」ことです。
場合の数を数える際のミスは2種類しかありません。「数えなければいけないものを数え漏らす」か「数えなくて良いものを数える」かのどちらかです。
実際に問題を解いていくと、数えなくても良いものを数えることよりも、数え漏らしによるミスが起こりやすいと感じると思います。
樹形図を書くということは場合の数における最も大きなミスの要因を減らすことになるのです。

2つ目は、「実際の操作のレベルで考える」ことです。
例えば、「サイコロを振って偶数であれば○○、奇数であれば△△」という風な条件で問題が与えられることがあります。
この時、偶奇だけを気にして場合の数を数える人が多いと思います。
もちろん最終的に答えを出すときはそうした方が早く解き終えることができるのですが、最初に問題を見て検討するときは実際にサイコロの出目ごとに結果を考えることをした方が良いと思います。
そうすることでより具体的に試行を想像することができて、簡単な勘違いをしてしまうことも防げます。

確率の考え方

確率は「場合の数の比」だということを冒頭で少しお話しました。
もう少し詳細に説明すると、確率は、「ある条件が起こる場合の数」を「全ての場合の数」で割ったものになります。
全体場合の数のうち、ある条件が起こる場合の数の比ということです。
事象Aが起きる確率をP(A)とすると以下のように表されます。

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具体例を見てみましょう。
サイコロを三回振った時、出る目が全て奇数の確率を求めます。
サイコロを三回振った時、出る目が全て奇数になる場合の数は、
「サイコロを振って,1,3,5のいずれかが出る場合の数」なので

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となります。
一方で、サイコロを3回振った時の全ての場合の数は、サイコロそれぞれが1~6の目を取るので

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求める条件の場合の数を全ての場合の数で割ると確率が求まるので

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が答えとなります。

このように、「確率を求めるためには場合の数が分かることが必須」という事がわかると思います。
確率が苦手な人イコール正しく場合の数を求められない人 なのです。
まずは場合の数を正しく求められるように問題演習を積みましょう!

場合の数・確率のおすすめの問題集

さて、一通り基礎についての解説をしてきました。
次は場合の数・確率について私がおすすめする参考書兼問題集を紹介します。どちらもタイトルは確率になっていますが、確率を求めるために必須の場合の数についても当然解説してくれているので安心です。

1つ目は『細野真宏の確率が本当によく分かる本』です。
『細野真宏の数学がよく分かる本』シリーズはその名の通りわかりやすい丁寧な解説が特徴です。参考書・問題集としては厚い部類にも関わらず1つの単元だけを扱っているため、ページを贅沢に使った読みやすい解説がなされていることがわかりやすい大きな理由の一つでしょう。
典型的な問題をとりあげて、つまずきやすいポイントを解説してくれます。

2つ目は『ハッとめざめる確率』です。
『大学への数学』の東京出版から出ている、確率特化の参考書です。
東京出版の本は難しい内容を扱うことが多く、敬遠する人も多いですが、この本に関しては基礎から場合の数や確率を教えてくれます。
場合の数は公式とか典型的な解き方が使える場面はそう多くなく、初めて見る設定でどれだけ漏れなく数えることができるかが重要です。そのためにはやはり基本的な概念、考え方を正しく理解するのが一番大事ということでしょうか。

今回挙げた2冊はどちらも語り口調で読みやすいので、場合の数や確率に苦手意識を持っている人は是非使ってみてください。

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参考書名
細野真宏の確率が本当によくわかる本―数I・A (1週間集中講義シリーズ)
著者
細野 真宏
ページ
364ページ
出版社
小学館
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面白い問題が多くて確率がきっと好きになる! 解説もわかりやすいので本当にオススメ

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模試で確率だけ白紙で出すくらいできなかったのに細野先生のわかりやすいアプローチのおかげで基礎はもちろん応用もバッチリできるようになりました。圧倒的感謝ですね!

レビューをもっと見る
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参考書名
ハッとめざめる確率
著者
安田亨
ページ
288ページ
出版社
東京出版
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確率おっはー

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受験確率の宝石箱や~

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僕も安田先生に罵倒されながら(いい意味で)確率の勉強がしたいです。

レビューをもっと見る

センター試験を紹介

センター試験では、確率ではなく場合の数を尋ねる問題が出ることも多いです。
確率の基礎は場合の数であるため、数学の基礎的な力を確実に付けているかどうかが問われるセンター試験では正しく場合の数を数え上げられるかを重視しているのだといえます。
今回は、よく見る問題の1つである「塗り分け問題」が実際に出題された例を見てみましょう。

平成27年度センター試験数学1A 第4問(1)~(4)

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独立行政法人大学入試センターHPより引用

樹形図を書いてみると、一番左端は3色から選べる、左から二番目以降は左隣以外の2色から選べることがわかります。
よって(1)は3×2×2×2×2=48通りです。

(2)は、「塗り方が左右対称」という条件をしっかりと考える必要があります。
これはつまり、左から4番目は左から2番目と同色、左から5番目は左から1番目と同色という風に捉えられます。
よって(2)は 3×2×2×1×1=12通りです。

(3)も(1)と同様に考えると、一番左端は2色、それ以降は1色の選択肢があるということなので
2×1×1×1×1=2通りです。

(4)は、隣り合う場所が同じ色になれないため、赤色が3枚存在するためには左端、真ん中、右端が赤色である必要があります。
それ以外は2色から選べるので
1×2×1×2×1=4通り です。

最後に

この記事を通じて何よりも伝えたかったことは、場合の数・確率は「問題文をよく読んで与えられた条件をもとに数える」ことが大切だということです。
こういったことを言うと、普段の勉強の意味があんまりないように感じられるかもしれません。(問題集と同じ問題が入試で出る可能性が低いので)
しかし、自分で手を動かし、漏れなく数える経験を積むことで、起こりやすいミスを予測して防ぐことができるようになります。
今回お伝えした話をもとに、問題集などに当たってみてください。
もちろん間違えることも沢山あると思いますが、「自分がどういった場面で間違えたのか」の知識を蓄積することはなにより役立ちます。決まりきった解き方が無い分野だからこそより一層です。
はじめにお伝えしたとおり、場合の数や確率が苦手な受験生はたくさんいます。そういった難しい分野を勉強することはしんどいです。
しかし、それを他の人と差をつけるチャンスと捉えて、ぜひ頑張っていきましょう!

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この記事を書いた人
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