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はじめに
自然対数って何?常用対数とは違うの?
初めて登場する自然対数、そして底のeという数字に戸惑ってはいませんか?
そんなあなたでも心配いりません!この記事では自然対数やeの定義、そして微分積分公式や常用対数への変換公式まで紹介しています!
わからない言葉が出てきたら、わからないままにしていては数学力は伸びません。この記事を読んで、自然対数についてしっかり理解し、応用公式も使えるようにしましょう!
自然対数lnとは?
自然対数とは、「ln(エルエヌ)」とも書き、「ネイピアの数eを底とする対数」のことです。
「ln4」、「ln8」などという書き方をします。
なんでこんな訳の分からない数字を底とした対数なんか使うんだろう?底が10というわかりやすい数字の、常用対数のほうが使いやすいんじゃないか、と疑問に思う人も多いでしょう。
しかし、この「e」は計算上非常に便利な性質を持っていたり、自然界を分析する時によく出てきたり、金利計算で出てきたり、とにかく至るところで活躍する数字なんです。だから、自然対数はアカデミックな世界から私達の身近にある技術職まで、様々な場面で使われています。
ちなみに、自然対数の底は省略可能です!
ですから「log3」とか「logy」とかいった書き方が一般的です。


自然対数の底「e」とは?
ネイピア数「e」
さて、この自然対数の底である「e」という数字、一体何者なんでしょう?(「e」と書いてあるので文字のようにも見えますが、これは「数字」ですよ!「π」と同じようなもので、数字として書くには余りにも長いので見やすいように「e」という文字に置き換えているだけです。)
具体的には、
e=2.71828182845…
です。無限に小数点が続いているので、これは無理数ですね。
eは「ネイピア数」ともいい、これは数学者ジョン・ネイピアの名前から来ています。対数の研究の途中に発見された数字で、この発見が後の科学界に大きな影響をもたらすことになります。
eはその微分の計算において非常に美しい性質があります。
というものです。なんと、eの指数関数は微分してもその姿が全く変わりません!このような、ある操作を行っても変化しない数字、というものは計算上大きな利便性をもちます。「1」とか「0」のようなものですね。
まとめると、「e」は無理数であり、対数の研究の副産物であり、計算上便利な性質をもっている数字、ということになります。
さて、このe、突拍子もなく2.71828182845…がeだ!なんて定めたわけではありません。このeが導かれるための定義式というものがあります。
次はそれを見ていきましょう。
定義
ここでネイピア数eの定義を紹介します。最も有名なのが
です。1にめちゃくちゃ小さい数をたして、それを無限乗することで出てくる数字、ということになります。
また、プラスの部分をマイナスに変えると、eの逆数が出てきます。
自然対数の微分公式
ここでは自然対数の微分公式を紹介します。自然対数を微分すると、どうなるのでしょうか?結果は非常にシンプルなものです。
これだけです。
微分に関してはとにかく「e」が最強なんです。「e」が絡む微分は基本的にシンプルな結果になります。