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はじめに
長文などで「if」が出てきたときに、そのまま“もしも〜”と訳してしまっていませんか?
もちろん「if」の中には“もしも〜”と訳して事足りるものもありますが、実は「if」の中にはそのようには訳さないものもあるのです!
「if」の用法は大きく分けて3つ、〈直説法〉〈仮定法〉〈名詞節〉です。
これら3つの違いがわかりますか?
長文などで「if」をきちんと読解するためには、この3つの用法をしっかり理解していることはもちろん、それぞれを見分けられるようにならなくてはなりません。
この記事ではそのような3つの用法をまず紹介した後に、それぞれの見分け方をご紹介したいと思います。
そして最後に「if」を使った表現一覧も例文付きで載せているので、チェックしてみてください。
“もしも”の「if」ー副詞節
文中などで出てくる「if」の多くは“もしも〜”と訳すことができます。このように“もしも〜”と訳すことができる「if節」は〈副詞節〉と呼ばれます。そしてこの〈副詞節〉にも2種類あるのです。
まずこれらの例文を見てください。
①If I am late again, he will get angry.
②If I were late again, he would get angry.
①と②の違いはわかりますか?両方とも“もしも〜”と訳すことはできますが、文法的には全く違う文なのです。それぞれ解説していきますね。
①直説法のif
①の文の「if」は“もしも〜”の中でも「現実に起こる可能性があること」を表す時に用いられます。これを一般的に直説法と呼びます。そのことを踏まえてもう一度例文を見てみましょう。
・If I am late again, he will get angry.(もしもまた遅刻したら、彼は怒るだろうな)
このように「遅れる可能性がある」のです。きっとお家で準備している時などのセリフですね。
②仮定法のif
それに対して②の文の「if」は“もしも〜”の中でも「現実に起こる可能性がないこと」を表す時に用いられます。これを一般的に仮定法と呼びます。仮定法の場合は動詞は一つ前の時制になります。この例文だと現在についての仮定法なので、動詞は“過去形”になります。
・If I were late again, he wolud get angry.(また遅刻してたら、彼は怒っただろうな)
このように「遅れる可能性がない」のです。きっと待ち合わせ場所にもう着いて、ほっとしている時のセリフですね。
①直説法:現実に起こりうる⇔ ②仮定法:現実に起こる可能性がない
このように“もしも”と訳すことができる「if」の中にも2種類あり、ニュアンスや背景が違ってくるのです。この2種類の見分け方と後ほど説明しますね。
ざっと2種類の違いを紹介しましたが、詳しくは以下の記事を読んでみてください。「直説法と仮定法の違い」から「I were になる理由」・「仮定法過去・仮定法過去完了・仮定法未来・仮定法現在」などそれぞれの用法についてもとってもわかりやすく説明してくれている記事です?
【英文法】決定版!仮定法過去・現在・未来、すべてをマスター!
“もしも”じゃない「if」ー名詞節
まずこの例文を見てください。
③I don’t know if she comes on time.
この例文を今まで通り“もしも〜”で訳してみると。。。
・I don’t know if she comes on time.(もし彼女が時間通りに来るなら、私は知らない)!?
意味が通じませんよね。最初にもお話したように「if」には“もしも〜”以外にも訳し方があるのです。このように“もしも〜”と訳すことができない「if節」は〈名詞節〉と呼ばれます。詳しく説明していきますね。
③名詞節の「if」
名詞節とは文中で名詞と同じ働きをする節(S+V)のことです。ここで「if」は「whether」と同じ意味で用いられるもので、「〜かどうか」と訳されます。
名詞節については以下の記事の後半に説明があるので見てみてください!
そこでさっきの例文をもう一度見てみましょう。
この例文では「if」は「know」の目的語となる名詞節を作っていますよね。
この「if」を「名詞節のif」として訳すと以下のようになるのです。
・I don’t know if she comes on time.(彼女が時間通りに来るかどうかは、分からない)
ifの見分け方
今までのお話をまとめるとこうなります。
・「if」の中にも〈副詞節〉と〈名詞節〉の2種類がある
・その〈副詞節〉の中にも直説法と仮定法がある
ここからは
1.「if節」において〈副詞節〉と〈名詞節〉の見分け方
2.〈副詞節〉において直説法と仮定法の見分け方
を紹介していこうと思います。
1.〈副詞節〉と〈名詞節〉の見分け方
“もしも〜”と訳すことができるif節=副詞節
“もしも〜”と訳すことができないif節=名詞節
これを念頭においてお話を進めていきましょう。
まず先に出てきた例文を使って〈副詞節〉と〈名詞節〉と見比べてみます。
①If I am late again, he will get angry.〈副詞節〉もしも〜
③I don’t know if she comes on time.〈名詞節〉〜かどうか
ここで2つの文から「if節」を取り除いてみましょう。
① he will get angry.
③I don’t know (?)
このように①は「if節」がなくなっても成り立つのに対し、③は成り立っていないですよね。「if節」がなくなって、文が成立しなかったら、その「if節」は名詞節なのです。
?つまり「if節」を除いて文が成立しなかったら、“もしも〜”とは訳せない!ということなのです。
2.直説法、仮定法の見分け方
次に、直説法と仮定法の見分け方です。それは先にも言ったように「動詞の時制」です。
①If I am late again, he will get angry.〈直説法〉
②If I were late again, he would get angry.〈仮定法〉
またもう一つ、仮定法の見分け方として「助動詞の過去形」があります。「助動詞の過去形」は仮定法以外であまり使われないので、出てきたらまず「仮定法かな?」と疑いましょう。
?つまり動詞や助動詞の時制が過去形だったら、仮定法を疑うようにしましょう。
練習問題
最後に練習問題です。どの用法であるかを見分けて、正しく訳せるようにしましょう。
(ⅰ)If you were me, what you would do?
(ⅱ)She asked if I would go to party tonight.
(ⅲ)Please lend me some if you have any interesting books.
(ⅰ)if節を取り除いても文が成立する/動詞と助動詞が過去形
→仮定法(もし私だったら、あなたはどうする?):現実に起こる可能性がないこと
(ⅱ)if節を取り除くと文が成立しなくなる
→名詞節(彼女は私が今夜のパーティーに行くかどうか尋ねた):if節はaskedの目的語
(ⅲ)if節を取り除いても文が成立する/過去形はない
→直説法(もし何か面白い本を持っていたら、貸してください):現実に起こりうる

