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はじめに
中学数学で習う反比例。
基礎の基礎ではありますが、グラフの描き方や式の求め方など、意外と忘れがちなところが多いのも事実です。
また、高校数学で習う「分数関数」はこの反比例がわかっていることを前提に進むので、反比例の理解があやふやなままだと分数関数まで苦手になってしまうのです。
そこで今回の記事では、反比例をイチから詳しく説明していきます。
反比例とは何か、という定義から、グラフを描くときに気をつけること、比例定数とは何か、などなど、
高校受験・大学受験で得点に結びつくことを説明していきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!
反比例とは?まずは表でおさえよう
まずは一番イメージをつかみやすい表で、反比例の意味を説明します。
【問題】72本の花を分け合うとき、分け合う人数と1人がもらう花の本数で表を作った。以下の表の空欄を埋めよ。
表を見てみましょう。
女性の人数が2倍になると1人あたりの本数は½ に、3倍になると⅓ 倍になります。
このように、1つの数が2倍、3倍…となると、もう1つの数が½ 倍、⅓ 倍…となるとき、その2つの数は反比例である、といいます。
これに沿って考えると、6人に花を渡すときの1人あたりの本数は、72÷6=12より、12本とわかります。
反比例を式で表すには
さて、今度は表を式に換えてみましょう。
ずっと同じ「比例定数」に着目する
先ほどのこの表をじっと眺めると、「ずっと変わらない値」が見えてきませんか?
反比例とは「1つの数が2倍、3倍…となると、もう1つの数が½ 倍、⅓ 倍…となる」ことでした。つまり、この2つをかけあわせた値はずっと変わらないはずです。
実際に表を見て計算してみると、
72×1=72
36×2=72
24×3=72
18×4=72
12×6=72
このように人数と1人あたりの本数をかけると必ず72になることがわかります。そもそも「72本の花を分け合う」から出発しているので、当たり前ですね。
これを、人数をx、1人あたりの本数をy、とおいて式で表すと、
xy=a(ただし、aは定数であり、かつa≠0)
と表せます。
そして反比例の場合は、この変わらない値であるaを、「比例定数」と呼びます。
ここで注意したいのが、x≠0、y≠0ということ。もし一方でも0になってしまうと、xy=a=0となってしまい、a≠0に矛盾します。
グラフにしやすい式の形
さて、反比例の式にはもう1つ形があります。
1次方程式や2次方程式をグラフで表すとき、y=xだとかy=2x²-7だとか、y=○○という形にしますよね?この形だとxに数値を入れればyの値がすぐわかるのでグラフにしやすいのです。
それと同様に、xy=aもy=a/xという形で表されることが非常に多いです。x≠0ですから、分母においても問題ありませんね。
反比例のグラフ
さて、式で表せるようになったところで、今度はグラフを描いてみましょう。
弓なりになる
先ほどのxy=72⇔y=72/xを、グラフに点を書き込み、線でつないでみましょう。
こんな感じになります。反比例のグラフは、弓なりになるんです。
また、ついついx<0を描くのを忘れがちだったり、かと思えば「x>0」という指定を見逃しやすかったりしますので、xとyの範囲は必ず意識してチェックしましょう。
漸近線に気をつけて
このグラフを描くときに気をつけなければならないのが「漸近線」です。
先ほど反比例においては、xとyは0にならないと言いました。もっと詳しくいうと「xとyは0に限りなく近づく」というのが正解です。
y=72/xで考えると、
xの値が大きくなればなるほどyの値は小さくなり、より0に近づきます。反対にxの値が小さくなればなるほどyの値は大きくなりますね。
また、xy=72⇔x=72/yという変形でわかるように、yの値が大きくなればなるほどxの値mも小さくなり、より0に近づきますし、反対にyの値が小さくなればなるほどxの値は大きくなります。
つまり反比例のグラフは、単に弓なりに描けばいいというわけではなく、
「漸近線にどんどん近づくけど決して交わりはしない」
というのをグラフで表現しなければいけないのです。漸近線とグラフが交わったら確実にアウトですし、わたしは
こんな感じのグラフを描いて出したら、「漸近線に近づいていない」という理由で減点されたこともありました。