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はじめに
東京大学文科一類は文系入試の最高峰です。
多くの学生が法学部に進学し政界・法曹界へ進むなど日本の政界をリードしてきました。
そんな東京大学文科一類の口コミ&評判を現役東大生の私が紹介していきたいと思います。
私は現在東京大学前期教養学部文科二類に所属しています。
「何で文2が?」と思うかもしれませんが、文一生と文二生は一緒のクラスなのです。
実際に私の友達のうち半分近くは文一生です。
さらに1.2年の間は教養学部に所属しているため、文1であろうと文2であろうと取る授業に大きな差はありません。
より客観的な立ち位置から東大文一生のリアルをお伝えしていくので、興味のある人は楽しく読んでみてください。
東京大学文科一類ってどんなところ?
そもそも、東大生がよく言う、文1や理3とは何なのでしょうか。
まずこれを簡単に説明したいと思います。
東京大学を受験する際は、文科一類から理科三類までの6つの科類から一つ選んで受験します。
文1とは文科一類の略です。
1.2年生は全員が教養学部に所属するのですが、この科類はその学科のようなものです。
そのため、正式には教養学部前期課程文科一類となります。
基本的に教養学部の間は文理の枠に囚われること無く幅広く勉強するので科類による差は、さほどありません。
あるとすれば、2年時の学部選択のしやすさです。
「法学部に進むためには文一に入っていたほうが楽に進学できる」といった感じです。
科類の説明はここまでにして、これから現在私が所属している、東京大学文科一類について詳しく紹介していきます。
いわゆる文1と呼ばれているところで、ほとんどの文1生は法学部に進学します。
東大文一の人数はどのくらい?
文科二類の2017年度入学者は422人です。
文系では文科三類に継いでの学生数です。
ちなみに文系は、一学年1300人ほどいます。
詳しい科類別の人数は以下の表を参考にしてください◎
気になる東大女子の割合は?
東大といえば女子が少ないイメージ。これは紛れもない事実です。全体で2割程度と言われています。
女子の割合が高いのは、文系だと文科三類>文科一類>文科二類の順です。一説によれば、文科三類は男女比が6:4だとか。
文一生は文二生とクラスを組むことになるので女子の割合は低めです。
私のクラス(文1.2スペイン語)でも女子の数は31人中7人です。
さらに語学によってもかなり差があります。
東大は第二外国語によってクラスが分けられます。
フランス語、スペイン語は比較的女子が多めですね。
逆にドイツ語など選択者が少ない言語は東大女子の割合がとてつもなく低かったりします。
東大文一の雰囲気とは?
東大では、クラス単位での結び付きがとても強く、選んだ言語によって雰囲気もだいぶ変わってきます。
そのため文1生の雰囲気を一概にお伝えすることはできないのですが、私の知っている範囲で簡単に書くと文一生は頭が良い人が多く自分の好きなことに打ち込んでいる人が多いです。
進振りの詳しい説明は後で行いますが、文一から法学部へ進学するための点数は非常に低くなっているため留年しない限り法学部に進学できます。
他の科類に比べて進振りの勉強が不要なので、部活・サークル・バイト・旅行・司法試験の勉強など自由に時間を使っています。
1/4は経済学部に行けない文2生からするとこれは大変羨ましいです。
とは言ってもさすがは文一生です。点数が必要なくとも日々勉強に打ち込む学生は多いです。
東大文1の魅力とは?
文1の魅力は①進振りが楽②圧倒的ブランド力の2点に集約されるでしょう。
多くの東大生は大学に入っても進振りのためにしなければいけません。
第二の大学受験みたいな感じですね。
しかし文一生はその必要がありません(最低限の勉強は当然必要です)。
自分のやりたいことに時間を多く使えるのは魅力的ですね。
そして東大文一を卒業しているというだけでブランドになります。
官僚になろうと思った時にやはり東大法学部を卒業していれば確実に有利に働きます。
東大文一の授業とは?
次に文科一類の授業についてです。勉強で忙しいイメージがある東大生。実際はどうなのでしょうか。
これは、コマ数によります。私の場合は1年生の夏学期、週15コマを取りました。正直取りすぎた感がありましたが、周りの友達も同じような感じです。
他大の友達に聞くと10~13コマの人が多いようです。さらに何と言っても東大の授業は1コマは105分です(他大は90分が多い)。
座って講義を聞くタイプの授業は正直、集中力が持たないです...。
ところで、文1生の履修はどうなっているのでしょうか?
そもそも、東大は4学期制を採用していますが、大体夏学期(4~7月)と冬学期(10~1月)の2つあると考えてもらって大丈夫です◎
前期教養学部では専門分野に囚われることなく、幅広く勉強することに主眼が置かれています。
リベラルアーツと呼ばれるやつですね。
高校段階で自分の学びたい分野が細かく分かる人なんてそうそういないですよね。
リベラルアーツはそんな学生のための、興味がある分野を探す猶予期間であるとも言えます。
そのため、文科類ごとの差はあまりありません。法学部を志望している文一生も法律や政治とは関係のない勉強もかなりしています。
履修登録では、主に必修、準必修、総合科目の3つから授業を選択していきます。
必修は、既習外国語(大半が英語)・第二外国語・情報・スポ身(体育)など必ず取らなければいけない授業です。
準必修は学部ごとに指定されているので、進みたい学部の情報を見て各自で決めます。
法学部への進学が多い文1生はここで法学や政治学といった科目を履修します。
総合科目は、いわゆる選択科目です。ある程度の縛りは存在しますが、文理関係無く好きな授業を受けることができます。
私は、ここで美術・心理・国際関係史など興味・教授・単位の取りやすさなど総合的に判断して決めました。
では、ここで1年生の夏学期時の文一生の時間割モデルを公開したいと思います。
私の1年夏学期の時間割
青色で塗られているのが必修科目、オレンジ色で塗られているのが準必修科目、残りの白い部分が総合科目(選択科目)です。
見てもらったら分かるように法学部を志望していても、理系の内容だったり様々な科目がたくさん並んでいます。
こんな感じに科類に縛られることなく比較的自由に履修選択ができるのは東大の魅力ですね。
東大の成績評価とは?
東大の成績の評価方法は、どうなっているのでしょうか?
これは教授によってまちまちです。
テストだけもあれば、出席点や授業参加点を加味したり。
テストが無くレポートだけの場合もあります。
期末テストがある授業ばかり取っているとテスト前に苦労するので私は、レポートの科目とテストの科目とバランス良く履修しました。
東大文1の進振りとは?
法学部や医学部など、入試段階で自分の専門分野を決めてしまうのが一般的ですが、東大では、1年生の間と2年生の前期までは全員が教養学部に所属して専門分野を決めることなく幅広く勉強をします。
そして、実際に学びたい専門分野を決めて学部選択をするのは2年生の夏学期後です。
入学時点で自分の学びたい専門分野が明確に決まっている人はそう多くないはずです。また、入学後に考えが変わる人もいるでしょう。この進振り制度はそんな学生が自分の学びたい分野を見つけて希望の学部に進むことを可能にするものです。
実際に文3から医学部に進んだ先輩もいるそうです。他大学では考えられない東大ならではの魅力的な制度と言えるでしょう。
しかし、同時にこの進振り制度は入学後も熾烈な成績争いが起きることを意味しています。学部選択は、2年夏学期までの成績の平均点で決まるからです。
東大生は入学後も自分の希望する学部に進学するため気を抜くことなく勉強に励むのです。
そんな中、文一から法学部は定員割れを起こすような状況が近年続いています。
東大生全体の平均点が70〜75点と言われる中、法学部に進むには60点取れればほぼ確実です。
もちろん文1に入ったものの興味が変わったりして法学部以外を希望する人もいます。
そんな人は入学後も勉強に励むことになります。

