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はじめに
慶應義塾大学法学部に合格したい・・・
そんなあなたのためにこの記事では法学部小論文試験の概要と出題の傾向をまとめ、
答案の核として使える頻出の基礎テーマを解説します。
これさえ知っておけば小論文試験が一段と楽になります!
さらに、おすすめの勉強法をインプット(参考書)とアウトプット(実際に書く)に分けてご紹介するので、
この記事をきっかけに受験勉強に拍車をかけて合格を掴み取りましょう。
法学部小論文 概要
勉強を開始するする前に、まずは慶應法学部の小論文試験の概要を知ることが大切です。
出題テーマを10年分まとめましたので、そちらも参考にしてください!
出題テーマ
法学部では主に法学部系統の本質的な基礎知識と現代社会の重要問題についての課題文が出題されます。
下の表からもわかるように、法学部系統の知識として立憲主義や抵抗権に関する論述が求められたり、現代社会において極めて重要なテーマであるグローバル化などに関する考えが主に問われています。
文章そのものは、国語の授業などで一般的に扱われている評論文よりも堅い論文調の文章が出題されます。ですからいかに論理構造や論理展開を正確に把握することができるかが
鍵となります。
ですから、日頃から新書などで少し難しい文章を読み慣れておくことをおすすめします。
試験時間
問題の内容説明と意見論述で書くことが求められる文字数は毎年変わりますが、
平均すると
という出題になります。
試験時間に関して、法学部は文学部(90分-700字)より厳しく経済学部(60分-600字)より易しいと言えます。
私は受験生時代、課題文を読んで要約を書き終えた時点で50~60分残っていたら余裕と考えていました。このペース配分の感覚は参考にしていただきたいです。
こちらの記事でペース配分については詳しく書いていますので
参考にしてください
【慶應小論文】慶應生が教える!無敵の型とおすすめの小論文参考書
型に沿ってしっかりと骨組みを考えてから意見論述を書き始めることに慣れたら、法学部の試験時間を足りないと感じることはなくなるでしょう。
まずはここから!慶應頻出の超重要テーマ
法学部では主に法学部系統の本質的な基礎知識と現代社会の重要問題について把握することが大きく役立ちます。
この記事では、前者に関して特に重要で頻出の本質的知識を紹介します。
法とはなにか
慶應法学部の小論文試験の過去問をさかのぼると、「法とはなにか」を理解していないと論述するのが苦しい問題が何度も出題されています。最低限、「法とはなにか」は理解していてほしいという大学側の想いを感じます。
難しい法律知識ではなく、法そのものの存在についての考察です。
今回は、知っておくと答案の核として重宝すること間違いなしの、
法の定義とその3つの重要な性質について解説します
定義
社会の秩序を保つために、その構成員が守らなければならない規範
これが定義です。
既に頭の中でなんとなく理解していたとしても、いざ自分で簡潔に文章化することは難しいですから
定義は文章ごと暗記してしまいましょう。
様々な人が集まって社会を形成する際に、社会の大部分の人々が安全で快適な生活を送るためにはルールが必要です、そのために定められるのが現代における法です。
現代における法は「社会の秩序を保つために、その構成員が守らなければならない規範」
その意味で、法が法として存続するために
法は ⑴明確で ⑵安定していて ⑶社会意識に適合 していなければなりません。
定義も去ることながら、3つの性質も知っておくと役に立つので
ひとつひとつ簡潔に解説していきたいと思います。
⑴明確性
簡単に言い換えれば、
法は人々にとってわかりやすい形で示されていなければならない
ということです。
例えば、「王様を怒らせたら死刑」という法があるとします。
この法は何をしたら怒るのかが示されていないという点で不明確ですね。
不明確な法は単に人々の萎縮をもたらします。
法というのは「社会の秩序を保つための規範」ですから、その法には問題があります。
⑵安定性
簡単に言い換えれば、
法はむやみやたらに変更されてはならない
ということです。
例えば、ころころと条文、内容が変更される法があるとします。
すなわち、安定性を欠いている法がある状態です。
この場合、本来「社会の秩序を保つための規範」である法によって社会の秩序が乱されるという事態がおこりますから、問題があります。
⑶社会意識への適合性
簡単に言い換えれば、
社会のマジョリティが望んでいない法はあってはいけない
ということです。
例えば、「スマホを使ったら罰則」なんて法があるとします。社会のほとんどの人はそのような法を望んでいませんよね。社会意識に適合していない法は支持されません。
すなわち
社会意識への適合性に欠ける法は人々に不満にさせるだけであり、守られなくなってしまいます。
3つとも考えてみれば当たり前のこと、と思うかもしれません。
しかし法に関する課題文が出題された場合に、どれも論述の鍵となる知識です。基礎知識として定着させましよう。