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はじめに
弁護士という職業に興味があるあなた。
弁護士には頭が良くて、給料も高く、かっこいいというイメージがありますよね!
しかし実際に弁護士になるためには、超難関の司法試験合格をはじめとした様々なハードルをクリアしていかなくてはなりません。
そしてその第一段階として多くの人が通過するのが、大学の法学部に入学することです。
この記事では現在法学部生である私が、将来弁護士になることを目指す大学受験生に向けて、弁護士の基礎知識からおすすめの志望校まで紹介していきます。
弁護士になりたい!その仕事内容と年収は?
弁護士ってどんなことをするの?
弁護士の主な仕事は依頼人の法律トラブルの解決を手助けすることです。
法律トラブルの中には犯罪行為をめぐる刑事事件から、離婚問題・相続問題などをめぐる民事の問題まで様々なものがあります。
このような問題の解決のサポートをすることを通じて、人々の基本的な権利を守り、みんなが安心して暮らせる世の中を支えているのです。
お給料はどれくらい?
年収の相場はなんと1000万円!!
十分高収入な職業であると言えるでしょう。
しかしこの数字は経験や仕事内容、実力などで給料が大きく左右されるため、弁護士になったからと言って必ず上記の金額を稼ぐことができるとは限りません。
また近年の司法制度改革により弁護士人口は年々増加しています。それにともなって以前のように何もしなくても仕事がやってくる…という風にはいかなくなってきています。
安定した高収入を得るためには弁護士になってからも努力を続けていく必要がありそうです。
やっぱり大変。でもやりがいはあり。
裁判で弁護をする際は、依頼人の話を聞いて、その主張をまとめ、法的根拠を考え、それらを法廷で弁論していくことになります。
この時間違った主張をしてしまうと一気に説得力を欠いてしまうため、常に細心の注意を払っていかなくてはなりません。
また法律は日々追加・改正されているので司法試験に合格した後も知識を更新していく必要があります。
このように弁護士の仕事には大変なことが多いですが、その分やりがいも大きいです。
特に自分が担当した案件が無事解決し、依頼人から感謝されたときの感動は相当なものだと思います。
弁護士になるためには?
司法試験、実際どれくらい難しいの?
とにかく難しいことで有名な司法試験。実際どれくらい難しいのか気になりますよね!
まず簡単に司法試験の内容について説明します。
司法試験は短答式(マークシート形式)と論述式の2つの形式に分かれています。
短答式では憲法・民法・刑法の3科目について。
論述式では憲法・行政法・民法・商法・民事訴訟法・刑法・刑事訴訟法の7科目に加えて、倒産法、租税法、経済法、知的財産法、労働法、環境法、国際関係法の中から1科目を選択して受験します。
試験は4日間にも及び、それだけでも大変さがわかると思います。
2017年度の司法試験の合格率は22.97%でした。4人に1人程度が合格できるとなると、案外簡単であるように思えるかもしれません。
しかし実は誰でも司法試験を受けられるわけではないんです。
司法試験を受けるためには「法科大学院(ロースクール)を修了する」または「司法試験予備試験に合格する」のいずれか1つの条件を満たさなくてはなりません。
そしてその1つである司法予備試験の合格率はなんと例年4%未満!
極めて難易度が高いことがわかると思います。
さらに司法試験には受験回数に制限があることから、受かるまで受験し続けるというわけにもいかないのです。
高校卒業から弁護士になるまでの道のりとは
先程司法試験を受験するためには「法科大学院(ロースクール)を修了する」または「司法試験予備試験に合格する」のいずれか1つの条件を満たさなくてはならないと言いました。まずはこの2つは一体何なのか、説明していきたいと思います。
まず法科大学院とは「法曹(弁護士、検察官、裁判官)養成に特化した教育を行うプロフェッショナル・スクール」です。司法制度改革の一環として2004年4月に創設されました。現在は全国に43校(2017年5月現在)あります。未修者を対象とした3年コースと、法学既修者を対象とした2年コースがあります。
一方司法予備試験は法科大学院を修了したのと同等の学識を有するかどうかを判断するための国家試験です。2011年から実施されています。
次にこの2つのメリットとデメリットを紹介していきます。
下の表にまとめてみました。
弁護士を目指してこれから大学受験をするならば、
大学の法学部に入学する
↓
予備試験の対策をする
↓
予備試験に合格する
↓
司法試験に合格する
というルートが理想的だと言われています。
なぜなら一般的に法科大学院に入学するより予備試験に合格することのほうが難しいとされているため、予備試験の対策をしていれば在学中に予備試験に合格出来なかったとしても法科大学院に入学できる可能性が高いからです。
また、司法試験に合格した後約1年間の司法修習を受け、さらに司法修習考試に合格してはじめて弁護士となることができます。
弁護士になるためにおすすめの大学は?
注意
おすすめの大学を紹介していく前に、ひとつ重要な事があります。
それは「一般的な大学の法学部から大学の授業だけで司法試験に合格することは非常に困難だ」いうことです。
法学部の学生の中には法曹になることを考えていない人も多く、授業でも比較的基本的な内容までしか触れません。
その結果多くの司法試験合格を目指す学部生は、大学に通いながら司法試験専用の予備校に通っているということを念頭に置いておいてくださいね。
一番おすすめは中央大学!?
中央大学の法学部はMARCHの中でも特に偏差値の高いことで有名ですよね!
その優秀さから早慶に匹敵するとも言われています。
実際司法試験合格率も高く、平成28年度は在学中に35人の司法予備試験合格者が出ています。
また予備試験の受験者数も523人と圧倒的に多いことから周りに法曹志望の学生が多く、モチベーションを保ちやすいと言えるかもしれません。
また中央大学の法学部は2020年頃を目処に都心にキャンパスを移転するとも言われているので、今後に注目ですね。
関西なら同志社大学!
同志社大学といったら関西でトップの私大として有名ですよね!
そんな同志社大学からは毎年裁判所事務官その他の公務員、司法書士・税理士などの各種資格試験で多数の合格者が輩出されています。
国家試験対策を考慮した実践的な講座も用意されていて、「司法特講」「法職講座」の2つがあります。これらの講座は法科大学院進学のためにも役立つそうです。
また授業では司法試験をめざす学生に対して、司法試験科目(憲法・民法・刑法)について、過去問を中心的な題材として基本論点と関連判例が理解できるよう、法律実務の観点からわかりやすく解説されます。
さらに法学部課外講座「法職講座」というものもあり、司法研究科教員や本学出身の法曹の協力のもと、ランチョンセミナー(昼休みに開催されるワンポイント講座)や法廷見学ツアー、Jura-Cafe(本学出身法曹と学部生との茶話会)など、楽しくて、日ごろの学習にも役に立つ企画を多数用意されていて、受験生活をサポートしてくれるようですよ!
やっぱり凄い!東大・京大
言わずと知れた超名門大学の東京大学ですが、その中でも法学部は特に難易度が高いことで有名です。
東京大学は入試の時点では学部は決まっておらず、まずは文科・理科○類として教養科目を2年間学び、その後2年間自分の専門科目を深めていくという形式を取っています。
その中で一般的に文科1類が法学部に進学しやすいと言われています。
東京大学の文科1類といえば日本で最も難易度が高い文系学科であると言っても過言ではありません。
その分優秀な学生が多く、平成28年度の司法予備試験では受験者数350人中46人合格という驚異的な結果が出ています。
ハイレベルな仲間と一緒に司法試験の合格を目指していきたい人には東京大学を目指すことをおすすめします。
一方京都大学法学部には、法学・政治学の多様な分野を網羅する教授陣がそろっています。
授業は法学・政治学の導入的科目から基礎的科目、発展的科目、さらに実務関連科目や英語による科目まで多彩な講義が開講されていて、自分の興味に合わせて履修科目を選択できます。
さらに京都大学法学部図書室というものまであります。その歴史は長く、なんと1899年の開設から100年以上も運営されています!
2017年3月現在の蔵書数は、和書約32万冊、洋書約39万冊の合計約71万冊にのぼります。その構成は法律学・政治学の全分野に渡っていて、勉強する環境には最適と言えるでしょう。
京都大学の法学部は京都大学の中でも期末試験が大変なことで有名ですが、それも司法試験に役に立ちそうですね!
気になる早慶は?
私立トップとして有名な早稲田大学と慶應大学ですが、やはり弁護士を目指していくのに快適な環境であると言えるでしょう。
私は現在慶應大学の法学部に在学していますが、弁護士を目指している学生も多く切磋琢磨して勉強しています。
また他大学にもあるようですが、法律サークルの活動が盛んです。
慶應大学には律法会と十八人会という大きなサークルがあり、それぞれ1学年300人程度も在籍しています。
サークル活動では勉強はもちろん、みんなで食事に行ったり、早慶戦を見に行ったりすることもあります。
その中で司法試験に向けた情報交換もできるので入学した後は考えてみてくださいね。
早稲田大学にも緑法会を始めとした複数の法律サークルがあり、活発に活動しているようです。
その他にも早稲田大学では卒業生のサポートが厚く、定期的に相談する機会が設けられています。
実際に司法試験に合格した先輩の声を聞けるのは心強いですよね。