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はじめに
税理士と聞いてどんなことをイメージしますか?
「税に詳しそう」「資格の勉強が大変そう」
などがあると思いますが、税理士について詳しく知っている人は少ないと思います。
これから税理士とは?という初歩的な話からおすすめの大学・学部まで、税理士という職業のいろはを分かりやすく解説していきます。
進路選択に悩んでいる受験生の参考になれば幸いです。
税理士とは!?その仕事内容と年収を解説!
税理士と聞いてその概要を上手く説明できる人は少ないでしょう。
ここでは、税理士とはどんな仕事をしているのか?会計士との違いは?給料はいくらぐらいなのか?
といった疑問を解決していきます。
相談役?税理士の仕事内容とは?
税理士を一言で表すと税金のプロフェッショナルです。
その税理士の仕事内容は以下の3つに分けられます。
この3つの業務は税理士の独占業務であるため税理士の地位・収入が保証されています。
・・・税務代理とは、納税者に代わって税務署に税金の申告を行うことです。
税法は、非常に複雑な法律で税金の知識がない一般人が行うのは困難です。そこで納税者のサポートをするのが税理士です。
またこれに加えて「税務調査の立ち会い」という業務があります。
税理士の申告に対して疑問を持った税務署の担当者に納税者の代弁者として説明を行います。
・・・個人や企業が税務署に対して提出する「確定申告書」「相続税申告書」などさまざまな税務書類を納税者に代わって税理士が作成します。
・税務相談・・・クライアントは相続や税金の算出方法など税金に関する様々な疑問を抱きます。それに対して税理士がアドバイスを送ります。
これらの業務に対して一件数万円という形で税理士は報酬をもらい、収入とします。
公認会計士との違いは?
お伝えした通り、税理士の仕事内容は上の3つです。
ここで、多くの人が疑問に思うのが会計士と税理士の違いでしょう。
互いに会計や税金に関する業務を専門としているため、その違いを明確に理解している人は少ないはずです。
ここでは、会計士と税理士の大きな違いを3点挙げたいと思います。
・取得するべき資格が違う
・税理士が上記の税務業務を行うのに対して、公認会計士は監査業務を中心としている
(※監査業務とは、企業が作成した財務諸表を第三者の立場から評価することです。)
・税理士は主に個人や中小企業を相手にするが、会計士は大企業がメインのクライアント
気になる税理士の年収は?
まず会計事務所や税理士事務所に所属するか、自ら独立するかで大きく分けられます。
事務所に所属している場合は平均すると年収800万円と安定性に優れます。
一方で独立した場合は、安定性には欠けますが軌道に乗り始めると年収は1000万円を超えてくるようです。
難関資格を突破した税理士は税の専門家として地位を獲得しているためこのように高収入となっています。


税理士になるには?資格が必要?
税理士になるには、税理士資格を取得した後、2年の実務経験を積んで日本税理士会連合会に税理士登録をすることが必要です。
この税理士資格の取得は税理士試験を通過するか、規定の条件を満たすかのどちらかで可能です。
資格を取らずに税理士になるには?
税理士試験に合格した人のみが税理士になれると思っている人は多いでしょう。
ですが、税理士になるにはそれ以外の方法もあります。
・税務署で23年以上の実務経験
・弁護士や公認会計士の資格を取得
この2つが税理士試験を通過せずとも税理士になれる条件ですが、いずれも税理士を目指す人には遠回りとなるでしょう。
税務署で23年もの実務経験を積むのは当然ながら時間がとてもかかります。
また弁護士や会計士の資格を取得するというのも税理士のみを目指す人に取っては近道とは言えません。
税理士試験とは?受験資格が必要?
やはり税理士を目指す人の王道ルートとしては、税理士試験をパスすることです。
この税理士試験。実はとても難関です。
さらに受験資格を得るための条件もあるんですね。
ここでは、税理士試験の概要と受験資格を得るための2つの方法をお伝えします。
税理士試験の難易度!独学は可能?
毎年5万人が受けると言われている税理士試験。
その難易度はどんなものなのでしょうか?
受験者は11個ある試験科目から5科目を選択します。
各科目の合格率は15〜20%と狭き門です。
さらに試験は1年に1回しかありません。
いかに税理士試験を突破することが大変かということが分かります。
そこで多くの人は資格予備校などに通って勉強をしています。
独学での合格を目指す人もいるようですが、厳しい道のりであるのは間違いないでしょう。
そんな税理士試験ですが、受験資格を得るのにも一苦労です。
以下のどちらかを満たしていなければ受験すら許されないのです。
大学・大学院・専門学校で法律学や経済学を学ぶ
税理士試験の受験資格を得るための要件は、法律学または経済学を1科目以上履修して卒業。
もしくは大学3年生以上で、法律学または経済学の1科目以上含む62単位以上の履修です。
早い人は在学中に税理士資格を取得することも可能なようです。
日商簿記1級を取得
もう一つのルートとして日商簿記1級の取得があります。
上の要件を満たせなかった人はこの簿記1級を取ることになります。
簿記1級となるとかなり難易度が高く厳しい要件と言えるでしょう。
税理士にオススメの大学と学部
では、税理士になるのに有利な大学や学部はあるのでしょうか?
やはり会計に関する授業がある商学部・経営学部・経済学部が有利と言えるでしょう。
税理士を目指す人にとって大学の勉強が試験に直結するかどうかは非常に大事でしょう。
一方で大学のサポートは手厚いのか?税理士のOB・OGの数は多いのか?
といった点も重要なはずです。
ここでは、そういった点から税理士になりたい人におすすめの大学と学部をご紹介していきます。
明治大学経営学部
明治大学の経営学部には、会計学科というものがあります。
税理士試験には会計科目の受験が必須となっており会計の勉強は避けて通れません。
この学科では、初学者向けの簿記会計から、公認会計士や税理士等の会計専門職に就くための実践的なカリキュラムまで幅広く用意されています。
また明治大学は税理士になる人が比較的多いようです。
周りに税理士を目指す人が多いということは励みになるはずです。
中央大学商学部
中央大学にも商学部に会計学科があり税理士として必要な会計学を学ぶことができます。
さらにWスクール(大学と予備校の両立)をしなくていいように経理研究所が税理士資格の対策講座を開いています。
これは費用が予備校よりも低めに設定されており、移動時間を短縮できるという点で非常にメリットがあります。
大学内ということで同じ目標に向かう友人ができやすく情報共有やモチベーションアップにも繋がります◎
早稲田大学商学部
早稲田大学の商学部には学科や専修がありません。
したがって会計学の勉強に専念することはできないのですが、逆に言えば入学後の進路変更も十分可能ということです。
さらに何と言っても早稲田はその圧倒的学生数から税理士になる人の数も多いです。
そこに大学のネームバリューも加われば、大手事務所などへの就職を狙う学生にとって早稲田大学は非常に魅力的な環境と言えます。
立教大学経済学部
立教大学の経済学部には3つの学科が存在しますが、税理士を目指す人におすすめなのが会計ファイナンス学科です。
この会計ファイナンス学科はビジネスパーソンの三種の神器とも言われる英語・IT・会計の3つを学べるようにカリキュラムが組まれています。
今や税理士も英語力は欠かせません。会計学科でありながら様々な勉強ができるのはとても魅力的です。
さらに立教大学は税理士になる人が多く、卒業生による立教税理士会なるものが存在します。
強力なOB・OGがいるのは心強いですね。
日本大学商学部
日本大学の商学部にも会計学科が存在します。
ここでは、特に公認会計士・税理士を目指す人へのサポートが手厚いです。
職業会計人コースというものが開講されており、会計士・税理士資格の取得を目指す学生を対象に少人数制のプログラムを組んでいます。
多くの税理士は予備校などに通い、いわゆるWスクールを経て税理士になっているため、大学内でこうしたコースがあることは大きな強みと言えます。
同志社大学商学部
同志社大学の商学部では会計士や税理士を目指す人のために資格講座が多数開講されています。
実は同志社大学では、この講座を単位認定することができます。
例えば実践科目で商工会議所簿記検定講座(一級商業簿記、一級会計学、一級工業簿記、一級原価計算)は卒業単位に算入される正規科目に組み入れられています。
また課外活動としても税理士のための資格講座が開講されていています。
学校が資格取得に積極的であり学生にとって勉強しやすい環境であると言えます。
近畿大学経営学部
近畿大学の経営学部にも会計学科が存在します。
この会計学科では公認会計士試験や税理士試験、日商簿記に対応したカリキュラム編成となっています。
学科独自の自習室の開放し、オフィスアワーで担当教員が学習相談を受け付けるなど教員と学生との距離が近いことも特徴です。
さらに特に職業会計人になりたい人を対象に少人数制のIAP(Intensive Accounting Program)を開講しています。
このプログラムでは、会計を未習の学生でも参加できるよう日商簿記3級という基礎レベルから始まり、3年次での日商簿記1級合格を目指します。
このようなプログラムは珍しく、近畿大学は税理士になりたい人にとっては非常に整った環境だと言えるでしょう。