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はじめに
将来は高校教師になって教壇に立ちたい。
この記事では、そんなあなたが高校の先生になるために必要な情報を、早稲田大学で中高一貫の英語教員免許状を取得した私が徹底紹介します。
高校教師になれるおすすめの大学や気になる教師の年収・給与に加え、教師の仕事内容や教師になるために大学で履修する教職課程の中身まで、教師になりたいあなたが受験校を選ぶのに役立つ情報を紹介していくので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
高校教師とは
高校教師とは、教員免許状を取得し、高等学校において教員として働く人のことです。日本で教育を受けた方は既に馴染み深い「学校の先生」ですね。あなたの高校生としての学校生活に欠かせない存在が高校教師であり、その仕事は多岐に渡ります。高校生のうちは、授業やクラス、部活といった高校生活の様々な場面を高校の先生と共に過ごしたと思いますが、学生の知らないところにも、高校教師の仕事はたくさんあるのです。
自分自身の知識や経験を最大限に活用して、次世代の子供たちの教育を行う高校教師という職業はとても魅力的ですよね。あなたの知らなかった教育現場の舞台裏や高校教師の仕事内容についても、この機会に知っておきましょう。
高校教師の仕事内容
授業
高校教師は学習指導要領に沿って、年間の授業計画を作成し、遅れのないように授業を行う必要があります。一人一人の先生には、それぞれの授業スタイルや特徴がありますが、基本的にどの先生も定められたカリキュラムに従って一つ一つの授業を行っています。
授業は、定められた時間の中で数十人の生徒を相手に、特定の知識の伝達を行うことを目的としています。高校生のときに当たり前のように受けていた一つ一つの授業には、生徒が習得する学習内容に関する「授業目標」が設定されており、目標を達成するために授業計画が立てられます。例えば、英語の授業で「受動態の理解」が授業目標となっていた場合には、目標達成のための英文法に関する説明や生徒が演習問題に取り組む時間、またリスニング教材を使用して受動態の理解を促すアクティビティを導入する場合はそのアクティビティの設計と要する時間などを「授業計画」に盛り込みます。
従って、高校教師が授業を行う際には、授業計画を立て、それに沿って実施することになります。授業の導入に何分、メインの学習内容の説明に何分、演習問題に何分、授業の終わりと宿題の指示に何分、などと大まかな授業内容と時間があらかじめ設計されているのです。
何気なく受けてきた高校の授業も、学習指導要領に基づいて高校教師によって設計されていたのです。決して、何も考えずに教室にやってきて、なんとなく授業をしていたわけではありません。もし、授業内容や授業進行、授業時間に関して少しルーズな先生がいたのなら、その「余裕」を計算して全体の授業計画、年間計画を設計していたのです。
授業は高校教師の仕事の中でも、主要なものと言えるでしょう。実際に数十人を前に教壇に立つことは、高校教師にとっても緊張することであり、容易な仕事ではありません。高校教師になりたいあなたは、身近な先生の授業をよく観察してみると良いでしょう。
授業計画・学習管理
高校教師の仕事は、授業時間だけではありません。一つの授業を行うために、授業計画を行う必要があります。また、各授業で実施した小テストや宿題などのチェックも、高校教師の仕事です。さらに、チェックした各テストや宿題の提出の有無などを、生徒一人一人記録してく作業もあります。一般的に、こういった仕事を「学習管理」と呼びますが、授業の裏にあるこうした仕事にも、高校教師は勤務時間の多くを割いています。一人一人の学習を支えるために、生徒の目に映らないところでも、高校教師にはたくさんの仕事があるのです。
特に、授業の出来は計画の綿密さと強く関係しています。あなたの中学・高校にも、大学生が教員実習に来ることがあったと思いますが、実習に来た大学生の先生は、あなたの学校の先生の指導のもと、授業計画を徹底的に研究します。あなたの受けてきた授業は、授業時間中に作られてきたわけではなく、あなたの見えないところで、あなたの先生によって丁寧に作り上げられていたものなのです。
授業計画・準備や生徒の学習管理は、時間が掛かる一方で非常にやりがいのある仕事です。高校教師を目指すあなたは、身近な先生にどうやって授業計画を作っているのか聞いてみるのも面白いかもしれませんね!
クラス運営
高校教師の仕事には、クラスの運営も含まれます。担任するクラスを持つ教師は、ホームルームでクラスの出欠を記録したり、学校行事やスケジュール、連絡事項の伝達を行ったりする必要があります。授業だけでなく、クラス運営も高校教師の仕事の中でも多いなウェイトを占めることになります。
部活動・委員会活動
また、高校教師は部活や委員会の担当もします。場合によっては、授業やクラスを担当する生徒よりも部活動を担当する生徒との方が密なコミュニケーションを行うことも多く、学業以外での指導を行うことになります。また、本来は休みである土日も部活動のために出勤することもあります。週7日学校に通い、生徒の生活を支えてくれた先生方に感謝ですね…。
進路相談
高校では、大学への進学や就職など、生徒によって幅広い進路の選択肢があります。高校教師は、生徒や保護者と相談しながら各生徒の進路相談に乗ることも仕事のうちです。三者面談の計画や生徒への進路情報の提供など、色々な面でのサポートを必要とします。
保護者とのコミュニケーション
近年では、生徒の保護者とのコミュニケーションも教師の仕事の一部となっています。「モンスターペアレンツ」という言葉でも有名ですが、良い場合にも悪い場合にも、学校への要望や相談などのある保護者とコミュニケーションを取り、より良い学校運営を行っていくことも教師の仕事の一部です。
イベントの主催
高校生が楽しみにしている、学園祭や体育祭、修学旅行などの企画や運営も、教師の仕事の一部です。生徒が楽しむイベントの舞台は、先生が用意してくれていたのですね。あなたも高校教師になった場合には、生徒の一生の思い出となるイベントのサポートをすることになるでしょう。
研究会等
高校教師には、授業研究会等の研究会への出席機会もあります。出席は任意の場合もありますが、校内で研究会がある場合もあり、より良い授業づくりや学校運営のための勉強を常に行うことになります。教える仕事に就くということは、一生勉強を続けるということなのかもしれませんね!
高校教師の給料
高校教師の給料は、20代で平均25万円程度、30代で35万円程度のようです。また、一般的に給与体系が年功序列な部分が多いため、長く勤めている教員が平均給与を底上げしている部分もあるようです。従って、高校教師の平均月収は45万円程度で、一般的なサラリーマンの給与よりも高額であるようです。また、公務員待遇となるため、給料が安定しており、福利厚生も充実しています。ボーナスも年2回あるようです。
しかし、高校教師には残業手当がありません。部活の顧問に対しても給料が支払われることはなく、土日祝日などの休みに部活があっても1200円ほど、手当が受け取れる程度だそうです。部活の顧問になった場合には、土日を含めて週に7日間働くことになる教師も多いので、前述の給料を高いとするか低いとするかは、見方によるでしょう。
「教員の給料は高い!」なんて言われることもありますが、若い教師の給料は一般的なサラリーマンと変わりません。従って、若いうちは特に、部活を含めて週7日間仕事をする教師という仕事は非常に激務であり、時には割に合わないと感じられるかもしれません…。
高校教師になるには
高校教師になるには、高等学校の教員免許状を取得することのできる大学において、指定の教職課程科目を修了し、介護実習や教職実習を終えた上で卒業しなければなりません。また、教員免許状を持っていなければ、高校教師にはなれないので、注意しましょう。
また、公立学校であれば都道府県や政令指定都市の教育委員会が実施する教員採用試験に合格して採用されること、私立学校であれば学校法人等が行う採用試験に合格し採用されることが必要になります。
高校教師になるための資格
日本の学校の教師になるためには、教員免許状の取得が必要です。教員免許状がなければ、学校で教壇に立ち、授業を行うことはできません。教員免許状には、普通免許状・特別免許状・臨時免許状があります。一般的な方法で取得可能なのは普通免許状で、通常、教員免許状といった場合、この免許状を指します。また、普通免許状の中にも専修免許状(大学院修了相当)、一種免許状(大学卒業相当)、二種免許状(短期大学卒業相当)の3つの区分がありますが、指導可能な範囲に違いはありません。
前述のように、教員免許状の取得のためには、指定の大学等において教職課程を修了する必要があります。以下の文部科学省のウェブサイトから、教員免許状を取得できる大学のリストにアクセスすることができるので、気になる方は調べてみると良いでしょう。