実は多彩な働き方がある。薬剤師の幅広いキャリアプランとは?

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はじめに

“薬剤師”と聞くとみなさんはどのようなイメージがあるでしょうか。薬局で働いている姿を一番に思い浮かぶ人が多いかもしれません。
“薬剤師”は医薬品全般について幅広い知識を持つ「薬」の専門家で、医師の処方せんに基づき調剤や服薬指導、医薬品の管理や販売などを行ないます。
しかし、薬局、病院、製薬会社等働く場所によっても役割や仕事内容が異なり、さまざまな薬剤師がいます。今回は薬剤師の仕事について、異なるバックグラウンドを持つ北海道医療大学の先生2名に話を伺ってきました。

病院で働く薬剤師のお仕事とは? 北海道医療大学の久保儀忠先生に教えていただきました!

久保 儀忠
北海道医療大学 薬学部 講師 博士(薬学)
(北海道医療大学大学院薬学研究科修士課程 2001年修了)

病院薬剤師をめざしたきっかけを教えてください。

高校生のときにドラッグストアでのアルバイトを経験し、薬剤師になりたいと思ったのがきっかけです。大学時代の病院実習では、病院で活躍する薬剤師の方を見て、自分も病院で働きたいと思うようになり、将来の方向性が決まりました。

病院で働く薬剤師としてどのようなお仕事があるのでしょうか。

薬剤師には、市販の医薬品の他に、薬剤師自身が調製する薬も取り扱います。そのほかにも病棟で患者さんの服薬指導をしたり、副作用が起きていないかなどのモニタリングをしたりなど仕事は多岐に渡ります。
病院薬剤師としては、患者さんの状態を直接見ることはもちろん重要ですが、カルテや検査結果を見て医師に薬の変更を提案したり、患者さんの体重等の状態に応じて投薬量や回数の変更を提案したりといったことも行います。

調剤や服薬指導だけではなく、実際の医療現場で患者さんや医師ともコミュニケーションをとりながら仕事するんですね。やりがいはどんなときに感じますか。

患者さんが治療や薬物療法で回復し、日常生活に戻る手助けができたとき、働いていて良かったと感じますね。退院後に外来に受診された患者さんの元気そうな顔を見たときは、とても嬉しかったです。

医療現場ならではの素敵なやりがいですね。患者さんの回復のためのサポートは医療現場のみなさんで行うと思いますが、「チーム医療」という観点において、薬剤師はどのような貢献ができると思いますか。

最近は、病院内で患者さんの栄養管理や院内感染症など、様々な専門性に別れたチームが組まれています。薬剤師は、薬の専門家として、他の職種の方々とは違う角度からの意見や薬の知識で貢献しています。

北海道医療大学では「チーム医療」についても学べる環境が整っているそうですね。
具体的にどのようなことが学べるのでしょうか。

本学薬学部では、1年次と4年次に多職種連携の講義が行われています。本学には、歯学部や看護福祉学部をはじめとする6学部と歯科衛生士専門学校がありますが、この講義では、すべての学部の学生たちが、患者さんの症例について皆で討論し、問題点を見つけて解決するための方法を検討しています。本講義において、チーム医療の実践につながる教育が行われていると思います。

ありがとうございます。これから大学進学を考えている高校生に一言お願いします!

学生のみなさんは、勉強の目的が“将来のため”、“自分のため”という意識が強いかと思います。それは薬学部の学生も同じです。しかし、薬剤師になったとき、頑張って勉強したことが患者さんの健康に役立つ時が必ず来ます。薬学の勉強は大変ですが、その分、意義を感じる場面も多いです。ぜひ、薬学部への進学も考えてみてください。

研究者として働く薬剤師とは? 北海道医療大学の水野夏実先生に教えていただきました!

水野 夏実
北海道医療大学 薬学部 講師 博士(薬学)
(北海道医療大学薬学部 2009年卒業)

薬剤師をめざしたきっかけ、研究職を選んだ理由を教えてください。

高校生のころは薬剤師の仕事も研究職もよく知りませんでした。高校では生物が好きで、人体や生命の仕組みに対して「なぜ」と疑問を持ったことが薬学に興味を持ったきっかけです。中でも医療系の複数の学部を持っている総合大学であることという点に惹かれ、北海道医療大学に進学しました。進学後、大学生時代に知り合った大学院生から、研究職が「なぜ」を解明することを仕事にしていると聞き、研究職の道へ進みました。

具体的にはどのような研究をされているのでしょうか。また、やりがいも教えてください!

私たちの体には、アレルギーの原因物質やウィルス、細菌などの外敵に対する“免疫”がありますが、その中でも司令塔を務める“抗原提示細胞”について研究しています。薬や病気によって、この細胞の機能がどう変化するか調べています。
どんな小さいことでも、一つ一つの研究が世界で初めての何かを発見、解明しているということにやりがいを感じますね。

「世界で初めての何かを発見」、研究ならではのやりがいですね。薬学研究を生かした活躍の場は他にもありますか。

私の大学院生時代の仲間の多くは、製薬・食品・化粧品・医療機器などの会社で研究・開発に関わっています。しかし、警察などの公的機関や衛生試験に使われる材料の開発において、薬学研究の知識を活かしている人もいますよ。薬学の知識があれば、薬のみならず、私たちの体に触れるものを開発する場や動植物に関わるものを開発する場で活躍できます。

活躍の幅はとても広いですね!研究職になるためにはどうすればいいのでしょうか。

一例ではありますが、本学薬学部卒業後、大学院で博士課程を経て、博士号を取得しました。その後、大学の医学部・薬学部で教員として採用され、研究に携わっています。

これから大学進学を考えている高校生に一言お願いします!

薬学部卒業後の職業は薬剤師や研究職だけではありません。薬学出身者の多種多様な活躍の場は、高校生のみなさんが想像している以上に広いので、少しでも興味を持ってもらえたら嬉しいです。

薬剤師資格取得率97.2%!学部開設以来、国家試験合格率は高水準を維持。

北海道医療大学薬学部は、学部開設からのべ6,000名近くの薬剤師を輩出しています。北海道内の私大で薬剤師国家試験の合格率No.1を誇り、2019年度の合格率も90.5%という結果になりました。

国家試験合格率の高さのヒミツは基礎力養成と早期の国家試験対策

国家試験合格率の高さのヒミツは、徹底的な基礎固めとインターネットテクノロジーを使った学習システム、また学修成果の可視化にあります。また、高校時代に履修しなかった科目やそれぞれの苦手科目をフォローするため、入学前教育や補正授業など複数のプログラムが用意されています。2・3年次には学修状況をフィードバックし、それぞれの到達度に合わせて早期から国家試験に向けて対策することで、実績として高い合格率を誇っているそうです。

多彩な研究分野に触れることで研究マインドを養成

北海道医療大学では、薬学の世界を探求する面白さも学ぶことができます。基礎を固めた2年次からは、研究指導が始まり、4年次には研究室に配属されます。生薬から遺伝、セルフメディケーションまでの多彩な研究分野を、薬剤師を始め医師や獣医師、スポーツドーピング研究の第一人者、製薬会社の経営管理経験者といった幅広い分野の知識を持った教員がサポートしてくれます。
さまざまな視点を持った教員の方々から学ぶことで、興味の幅や視野も広がりそうですね!
また、学費など経済面でのサポートも充実しており、学納金が国公立大学と同水準になる「薬学部特待奨学生」など大学独自の奨学金制度があるそうです。

おわりに

薬剤師と聞くと、調剤薬局や病院をイメージしやすいですが、実際には幅広い分野で活躍しています。薬剤師に興味を持った人や北海道医療大学についてもっと詳しく知りたい方は、ぜひ下記大学HPからチェックしてみてくださいね!

北海道医療大学詳しくはこちら
この記事を書いた人
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