コロナ禍の編入チャレンジ。オンライン生活のリアル奮闘記【2020年の大学1年生②】

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はじめに

新型コロナの流行により、私たちの生活は一変しました。誰も経験したことのない状況のなか、新天地での一年を過ごした2020年の大学1年生は、大変な経験をしたことでしょう。パイオニアともいえる彼らから、それぞれの苦労と工夫を学ぶ連載シリーズ。

今回は大学編入に挑戦した、みらのさんにインタビュー。オンライン主体の生活のなか積極的に一年を過ごしたみらのさんは今、どのような景色を見ているのでしょうか――編入に興味がある人も、興味がない人も、学ぶことがたくさんあるはずです。

※掲載内容は取材時のものです。

今回の話し手

みらのさん
東京の学校に通う大学生。昨年、2年次編入学試験に挑戦。授業だけでなく、アルバイトや友人づくりにも積極的に取り組んでいる。

オンライン授業には良い面も

昨年一年を通して、授業はほとんどオンラインで行われました。対面での授業は、体育と夏の集中授業だけでしたね。

オンライン授業だと、授業中も、予習も復習も、常にパソコンに向かうことになるのが大変でした。授業の課題も多かったのですが、どこをどのように評価されているのがわかりにくくて。テストも、自分の顔をカメラに写したまま受験しなければなりませんでした。

けれど、悪い面ばかりではなく、良い面もあって。私はわりと積極的に手を上げて意見をするタイプなので、そういった点ではオンライン授業のほうがやりやすかったように思いますね。

欠かせないのはTwitter

対面でのコミュニケーションが取りづらい状況で、新たな環境で友人づくりもむずかしいなか、私が活用したのはTwitterです。ハッシュタグなどで検索すると、たとえば同じ授業を受けている仲間なんかはすぐに見つかります。授業後に「疲れた」とつぶやいている人がいると、私だけじゃなかったんだと安心できたりもします。

Twitterは授業の情報収集をするのにも有効でしたね。先輩がおすすめの授業や教授のレビューなどを書いてくれていたりもして、重宝しました。

私は大学に入ってからの一年の間に、Twitter上で200人くらいと会話をしました。そのうち本名を知っているのは1/3ほどです。交友関係を広げるために、自分から積極的に話しかけました。

授業は面白いし不満はない――けれど“編入”を決意した理由

そんななか、私は大学編入をすることにしました。大学受験の結果が十分に納得できるものではなかったこともあるのですが、一番の理由は、大学に入ってから学びたい学問に出会ったことです。

大学の授業で、これまで知らなかったいろいろな学問に触れるうちに、もっと勉強したいと思う科目に出会ったんです。その学問について、より専門性を突き詰めていくには、当時の大学にはゼミもなく、極めていく環境がありませんでした。

その学問について、調べていくなかで、とても興味深く、共鳴できる本に出会いました。その著者である大学教授のもとで勉強していきたいと思い、編入を決意しました。

編入試験は試験自体にも魅力がある

編入試験の勉強は、Studyplusを使いながら独学でがんばりました。試験科目は、英語の筆記試験と小論文、そして面接です。ただ英語は私がもともと持っていた資格で免除になりました。

小論文対策としては、ひたすら図書館で入門書を借りて勉強しました。ただ、自分の好きな分野なので、大学受験とは違って全然苦ではなく、むしろ楽しみながら取り組めましたね。仮面浪人で一般試験を受けることとの大きな違いは、ここにあると思います。編入試験は、教科の内容を詰め込むのではなく、自分の興味のある学問を学んで試験を受けられること自体が魅力だと感じました。

一般の大学受験を“落とす試験”だとするならば、編入学試験は“取ってくれる試験”だったように感じます。面接で「自分が何をやりたいか」を具体的にアピールし、それを大学側がちゃんと聞いてくれます。テストの点数だけで判断されるわけではないので、それが私には合っていましたね。

新たにスタートを切る大学生活

そして、志望していた大学に無事合格し編入することができました。私の場合、単科大学から総合大学への編入になるので、他学部の授業も取れることをとても魅力に感じています。新たな環境での、多種多様な興味関心を持った人たちとの出会いも楽しみですね。

前の大学で取った42単位のうち、22単位が今の大学でも単位として認められました。まずは単位を落とさず、教職の免許も取れるようにがんばりたいです。

そのうえで、サークルにも入りたいと思っています。授業は今年もほぼオンラインになるようなので、少しでも対面での活動機会のあるサークルに所属したいですね。昔からピアノやバイオリンなど色々な楽器に触れていたので、音楽系のサークルもいいかなと考えています。

柔軟になれた一年

オンライン主体の生活になって良かったかと聞かれたら、どちらかと言えば私は肯定的かもしれません。編入学試験の勉強も含め、自分のペースで過ごせる環境が自分には合っていると思うんです。

オンラインにシフトした一年で得たものは多かったですね。大学の時間割も自分の好きなように組めますし、1限から授業があったとしても自宅なら早起きして通学する必要がないので、落ち着いてゆっくり受けることができます。色々なことに対する考え方が柔軟になれた一年でした。

今年は、新しい大学で改めて新たなスタートを切っていきたいと思います。

制約の多い状況のなかで編入学を成功させた貴重なお話をお伺いしました。みらのさんの経験は、どのような環境でも、自分の心持ち次第で道は拓けることを教えてくれますね。みらのさんの新しい大学での新しい生活を応援しています!

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