美大なのに実技なし!? 学力試験のみで入学し、活躍する先輩に話を聞きました

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はじめに

将来はデザインやアートの知識を生かした仕事に就きたい! だけど美術系の進路は難しそう……そんなふうに考えている方はいませんか。たしかにこのような仕事は特殊な知識や技術が必要です。しかし、知識ゼロでも美術系の大学に進学し、技術を身につけることは決して不可能ではありません!
実はいま、学力試験だけで入学できる美術系の大学もあるのです。そこで今回は、実際に実技試験を受けずに入学し、ムサビで学ぶ2人の先輩に話を聞いてみました!

数学受験で美大! 建築学科にも、美大ならではの学びが

久住 遼馬 さん
武蔵野美術大学 造形学部 建築学科 2年生

――高校時代には美大以外の選択も考えていたそうですが、どのような進路を考えていましたか。
私は理系で建築学科志望でしたので、国立・私立大学の建築学科を考えていました。実は美大の中で受験した大学は、武蔵野美術大学(以下「ムサビ」)だけです。美大の建築学科というと奇抜なデザインが求められるのではないかと思っていました。しかし、ムサビのオープンキャンパスに参加してみると、現実味のある設計をしていることがわかり、自分に合った建築の勉強ができると思い受験しました。

――美大というと、デッサンなど実技も必要かと思うのですが、実技系の勉強はしましたか。
ムサビの建築学科では実技を受けずに学力試験だけで受験する方法があります。そのため、デッサンなどの勉強はしませんでした。私の場合は国語と数学と英語で受験しました。

――高校時代に実技の基礎を勉強していないと、授業についていくのが難しくありませんか。
ついていくことはできますが、絵が描けないと苦労するので入学してから学んでいきました。授業でも勉強する機会はありますが、絵が得意な友達に教わったりして自主的に練習する必要があると思います。一般大学の建築学科では絵が描けなくてもやっていけますが、絵が描けることは建築を学ぶ上で非常に重要なことだと思うので、やらざるをえない環境に自分を置くことができてよかったと思います。

久住さんの作品

――美大の建築学科と、一般大学の建築学科に違いはありますか。
理系大学では一般教養として数学や理科を学ぶところ、ムサビでは一般教養として絵画や彫刻を実際に行います。また他大学では建築学科の中で計画、意匠、構造、設備、歴史など、学生の専門分野が分かれますが、ムサビは全員が計画、意匠といったデザイン系を専門としていることが特徴的です。もちろん構造、設備、歴史も学びますが、デザインに活かすために学ぶようなカリキュラムになっています。

――ムサビに入って、よかったと思うことはありますか。
絵画や彫刻、様々なデザインを学んでいる他学科の学生と友達になれることがよい点だと思います。大学全体で創作意欲の高い学生が多く、毎日刺激を受けます。卒業後も仕事で関わることがあるようで、貴重な繋がりができると思います。

――最後に、美大を目指す受験生にアドバイスをお願いします。
ひと口に建築学科といっても、大学によって特徴があります。大学の教授や卒業生の建築家についてよく調べることが重要です。また、オープンキャンパスに行ったり、実際の学生の作品を見たりして、自分に合った大学を見つけていただければと思います。

ゲームの新しい遊び方を開発し、ゲーム会社から内定をGET!

植木 蒼汰 さん
武蔵野美術大学 造形学部 デザイン情報学科 4年生

――高校時代に志望していた学部や専攻を教えてください。
高校時代から美術系の進路を目指していたのですが、高校は普通科でしたし、デッサンなどの勉強をしていたわけではありませんでした。そこで受験したのが、ムサビのデザイン情報学科です。デザイン情報学科は国語、数学、英語と一般の大学と同じ科目で受験できました。

――美大の中でも、ムサビを選んだのはなぜでしょう。
高校時代は理系だったのですが、小さい頃からものづくりが好きだったので、ものづくりを学べる大学に進学したいと思っていました。そこで美大を調べていたのですが、デザイン情報学科はいわゆる美大という感じではなく、美術に詳しくない私でも親しみやすさがありました。調べてみると就職先も様々で、いろんなタイプの学生がいると思います。

――デッサンなどの実技を高校時代に勉強していなかったということですが、授業にはついていけましたか。
入学してすぐにデッサンの授業があったのですが、私のような学力試験受験の学生専用のクラスがあったので、問題はありませんでした。同じような経緯で入学した仲間と、「一緒に頑張っていこう」と励まし合いながら頑張っていましたね。
デッサンの授業自体は不安よりも、やったことがないことに取り組めて楽しいと思いました。デッサンの得意な友達に教えてもらったりしていましたね。

――現在、ゼミで取り組んでいる研究を教えてください。
3年生でプレゼミが、4年生で本格的なゼミが始まりました。3年生のプレゼミでは、ゲームのコントローラを活用し、インタラクションデザインを取り入れた新しいゲームの遊び方を開発しました。テクノロジーとアートの両側面を取り入れた研究ですが、こういった研究ができるのは、美大の中でもデザイン情報学科ならではだと思います。

植木さんの作品

――卒業後の進路はどのように考えていますか。
すでに就職活動は終え、ゲーム会社から内定をいただくことができました。先ほどのゲームの研究を活かすことができ、面接先でも「面白いことをやっているね」と言っていただきました。おもちゃやゲームを作る中で学んできたことを就職先でも活かすことができそうで、とても嬉しく思います。

――最後に、美大を目指す受験生にアドバイスをお願いします。
受験勉強ではバランスよく勉強するのが大切だと思います。デッサンはできたけど、筆記ができなかったという声も聞いたことがあるので、苦手な科目もしっかり勉強するのをオススメします。
また私は高校生の頃、ただ単にデザインをやりたいと思っていたのですが、大学で学ぶうちに広い世界に触れることができました。ムサビにきてよかったと思いましたね。周りの優秀な仲間も、それぞれの分野で勉強と研究を重ねており、とても刺激になります。
美大というとハードルが高く感じてしまいますが、決してそんなことはありません。ぜひ自身の興味を見極めながら受験してほしいと思います。

おわりに

今回はムサビの在学生2人にお話を聞いてみましたが、いかがでしたか?
受験科目は学力試験のみでも、入学後にきちんと学ぶことで活躍している先輩の姿を知ることができ、美大のイメージも変わったのではないでしょうか。
今回お話を聞いた武蔵野美術大学は、様々な方法で入学試験を受けることができます。オープンキャンパスも開催しているので、少しでも興味があればぜひ参加してみてください!

この記事を書いた人
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