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はじめに
AI(人工知能)が進歩し、様々なシステムへ導入が進めば、やがて多くの仕事はAIによって奪われる…こんな話を耳にしたことのある人は多いのではないでしょうか。
AIで生活が便利になるのは嬉しいけれど、仕事がなくなってしまうのは困りますよね。AIが人間の仕事を奪う時代はやってくるのか、もしそのような時代がくるとしたらAIによってなくなる仕事となくならない仕事の違いはどこにあるのでしょうか?
AIが苦手で、人間にしかできない仕事って?
AIに取って代わられやすい仕事は、解析・分析・診断などを行う仕事、管理・監視をする仕事などコンピュータで完結する仕事や、窓口業務など簡単なコミュニケーションを行う仕事です。逆にAIが苦手とする仕事は、複雑なコミュニケーションを必要とする仕事や、創造性が求められる仕事、AIそのものを開発したり操作したりする仕事です。
つまり、例えば不良品の検品など何をするかがはっきり決まっている仕事は、人間よりも正確さ・スピードともにAIの方が得意です。一方、これまでにない課題を発見する仕事(=過去のデータがない仕事)や、人間の感性や経験を基に新しいアイデアを生み出す仕事については不得意です。
AIが何か結論を出した時、それは「新たに創造した」のではなく、あくまでデータによる計算結果です。
AIとの共存社会がやってくる時代では、人間にしかできない「創造力」(=ゼロからイチを生み出す力)にフォーカスし、高めていくことが重要です。
創造力が求められる「マーケティング」の仕事
マーケティングとは「新しい価値を生み出すこと」です。
マーケティングと聞くと、市場調査や商品開発、広告プロモーションなどをイメージする方が多いかもしれませんが、それだけにとどまらず、顧客の常識を変化させたり、新しい価値を提供できることもマーケティングの仕事の魅力です。
たとえばソニーは、音楽をレコードで聞いていた時代に、持ち運び可能な小型・軽量のテープレコーダー(ウォークマン)を開発することで「移動しながら音楽を聴く」という新たなムーブメントを世の中に起こしました。
アディダスは、海のプラスチック廃棄物をリサイクルした素材を使ったシューズを開発・製造することで、世界的に問題になっているプラスチックごみの活用に貢献しています。
このように、消費者の心理や市場を取り巻く環境を読み解き、ゼロからイチを創ることは、社会の変化を先導する際に欠かせません。
つまり、マーケティングには、世の中に新たな幸せを届けたり、世界を変える力があるのです。
2022年始動!産業能率大学のマーケティング・イニシアティブとは?
産業能率大学の創立者 上野陽一は「能率の父」と呼ばれた経営学者・産業心理学者で、経営学部(自由ヶ丘キャンパス)と情報マネジメント学部(湘南キャンパス)の2学部を有しています。
産業能率大学では、リアルな企業・地域の課題に向き合い具体的な解決策を提案する課題解決型授業(PBL)や、学生が主体的に学ぶアクティブラーニングの視点を取り入れた授業を導入しています。
実践と理論を組み合わせた学びを通じて、実社会で直面する課題を解決できる力を身につけます。
そして、2022年度から産業能率大学の経営学部マーケティング学科で「超実践型PBL=マーケティング・イニシアティブ」がスタートします。
キーワードは「ゼロからイチを創り上げる」。約10年に渡って実施してきたPBLを見つめ直し、学生の主体性をさらに伸ばすために考えられたマーケティングのための超実践型の学習です。
従来型のPBLは大学側が課題の提示と問題提起を行って、学生は課題解決に集中してきました。もちろんこれはとても大切なことですが、実際のマーケティングの現場では、複雑に絡み合った状況を解きほぐし、課題を発見して問題提起する場面が多くあります。まさにAIにはできない、クリエティブな作業ですね。
そこでマーケティング・イニシアティブでは、課題を発見し、問題を提起するところから取り組みます。実際にはどんなことをするのでしょうか?
課題を自ら見つける力に加え、持ち前=個の力も磨く!
まず、1年次のラウンドⅠでは学生が2〜3名のチームとなり、関心のある企業が抱える課題を発見し、問題を整理して発表します。ラウンドⅡでは、実社会で活躍する卒業生や企業経験のある教員といったビジネスプロフェッショナルと協働し、どの企業のどの課題を解決するか、具体的な解決策を探ります。そしてラウンドⅢでは、これまでの調査結果・検討結果に基づき、企業が抱える課題に対する解決策を提案書をまとめます。創立者上野陽一の重視した「持ち前」=自分の力を最大限に発揮する力を身につけて社会に巣立つことが目標です。
「マーケティング・イニシアティブ」という名称のイニシアティブ(主導権)には、自分の人生を主体的に歩み、自ら課題を見つけることで新しい社会を切り開いてほしいという想いが込められています。
おわりに
マーケティングはAIにはなかなかできない仕事であること、それだけに課題発見力を身につける必要があることをご紹介してきました。
将来の予測が困難な社会では、自ら課題を見つけ、社会の変化を先導できるチェンジメーカーが求められています。課題を設定する力を身に付け、社会から求められる人材になりたいと思っている方は、マーケティングを実践的に学べる大学をチェックすることをおすすめします。