理系から美大へ!? 先輩二人の座談会でわかった「ムサビのCI学科」の魅力

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はじめに

みなさんは“美大”と聞くと、「美術・デザインの才能がないと入学できない」「選ばれし者しか目指せない」と、志望校の選択肢から外してしまいがちではないでしょうか?
そんなみなさんに知ってほしいのが、2019年に開設された武蔵野美術大学造形構想学部クリエイティブイノベーション学科(以下CI学科)です。「『創造的思考力』を実社会で応用する方法を学ぶ、新たな美術大学としての試みの場」と謳われるCI学科ですが、それでは一体どんなことを学んでいるのでしょうか? 今回は、先輩お二人にオンラインでインタビューしてきました! 

お話を聞いたのはこの先輩

清野 珠央さん(3年生)

齋藤 広太郎さん(2年生)

CI学科との出会いから入学するまで

――はじめに、CI学科を知ったきっかけ、志望するに至った経緯を教えてください。

清野:私はもともと舞台が好きだったので、それに関連する学問を学べる大学を探していました。英語の作品にも触れられる文学部や舞台に関する学校が候補に挙がるなかで、母からムサビの芸術文化学科を推薦されました。そこから美大の進学相談会に足を運び、CI学科を知りました。当初は、AIやIoTといった分野には興味がなかったのですが、オープンキャンパスに足を運んだ際に、とても親身になって話してくださった先生方に感銘を受け、受験しました。

私は複数の大学を志望しましたが「ここなら私の好きなことが学べる。やりたいことができる」と思い第一志望として目ざすことにしました。弁護士や医者といったように、将来明確になりたい職業はなかったのですが、好きなことや、やってきたことを活かせる大学に通えるのは本望でした。

齋藤:2年間他の大学に在籍していたのですが、そこでは社会建設工学を専攻していました。ただ、自分のやりたいこととは少し違っていて、本当は建築やデザインの勉強がしたかったんです。周りに3浪している友達もいたので、自分も大学を受け直そうと思いCI学科を受験しました。将来やりたいことを狭めたくなくて、想像力やアイディア力を鍛えたかったのがポイントでした。

――全く新しい学科ですが、受験対策は何かされましたか? 美大に入る特有の勉強も必要なのでしょうか?

清野:私は総合型選抜に特化した塾に通い、構想力重視方式で合格しました。志望理由書を書く練習などはもちろん、一般選抜の対策もしていました。CI学科の受験は実技試験がないことが特長で、いわゆる美大専門の予備校には通っていませんでした。しかし、オープンキャンパスで公開授業を受けた際に「新しい傘のあり方を考えてみてください」という課題が出されたため、それを塾の先生に相談して対策をしました。新設時の受験だったので手探りでしたが、どのような問題が出題されても、諦めず解くことを意識しました。

齋藤:前年度の過去問があったので、それを解いた程度です。ムサビは他学科の学力試験を見ても基本的な問題が多いので、基礎を重視しました。CI学科のためにこれといった対策をしていたという訳ではありません。


CI学科の学びは「造形+座学」

清野さんの作品(1,2年の造形実習より)

――受験内容から、いわゆる“美大”とは違った学科であることを感じます。それでは、実際に入ってみてどんなことを学ぶのでしょうか?

清野:いい意味で色々なことをやると構えて入学しましたが、実際に入ってみてまず造形の分野の広さに圧倒されました。美大といえば一般的に絵を描くイメージがあると思いますが、絵だけではなくて、彫塑(肩から上の像をつくる)、映像制作、プログラミングなど多岐に渡ります。もともとの知識が浅かったのもありますが、幅広く知識を汲み取れて、いい意味でギャップがありました。

1、2年生では造形の授業がほとんどで、3、4年生になるとキャンパスも都心の市ヶ谷に移り、座学がメインになります。心理学や統計学、知的財産権など幅広いジャンルの学問を学びます。他の学科に比べると造形に関する専門性は薄いのかもしれませんが、色々なことが学べるので日々新たな発見があります。


齋藤さんの作品(1,2年の造形実習より)

齋藤:私はまだ2年生なので、清野さんが言う座学ばかりのギャップはまだわかりません。入学する前は、座学と造形の授業が半々だと思っていたんですが、造形の授業が毎日続き、美大らしいことをしていると感じています。

絵画の授業があるのですが、何もレクチャーがなく始まったことに驚きました。デッサンをしたことがなかったので、どうしたらいいかと最初は戸惑いましたが、色々な絵画作品を調べてみたり、独学で学ぶことで乗り切ることができました。

――自ら考えることで創造力を鍛える、実際に手を動かすことで表現力、観察力も磨かれますね。では、学科の雰囲気はいかがですか?

清野:興味の分野が人それぞれなのが面白いです。みんな好きなことがバラバラなんです。将来美容師やメイクアップアーティストになりたい人もいます。そのような環境の中で、自分の好きなことを授業を通して生かしていける雰囲気があります。
さらに、自分が好きなことを発信しやすいところも大きいです。否定することなく、みんながそれぞれの個性を受け入れて、共感して……共通点を認識して新しいものが生まれます。お互いを常に高め合うことができる環境です。女性だから、男性だからといったような決めつけもなく、多様性も感じられるところも魅力です。

齋藤:私も清野さんと同じように感じています。みんな趣味が違っていて、色々な人がいます。前の大学と比べると、精神的に大人な人が多いと感じます。みんな未来のことを考えていてポジティブ。グループワークも多いのですが、楽しく取り組めています。
ムサビに入り直す時に、前の大学では「止めた方がいい」と否定的に言われることもあったのですが、CI学科では、「すごいね」と言われることが多い。本当にCI学科に入って良かったです。


――最後に、この記事を読んでいる高校生、CI学科を希望している生徒のみなさんにメッセージをお願いします。

清野:ものをつくることに興味がある人、一般大を希望している人、どちらを希望していても全てを受け止めてくれる場所です。美大は個性がないと難しい、得意なことや好きなことがないと難しいと思いがちですが、CI学科は違います。自分に自信がなくて、何をすればいいかわからないと思っていても、カリキュラムを見て少しでも面白そうだと思ったら入ってみることをおすすめしたいです。

先生方もこのCI学科をよくしようと動いてくださっていて、それは在学している私達にも伝わってきます。1期生、2期生も、CI学科を楽しくしていきたいという気持ちが強いので、今後もさらによくなっていく学科だと思います。理系だとか、美大とは全く違う道を歩んできた人にも是非来て欲しいです。自分だけが持っている知識を出すことで、さらに魅力的になれる学科になっています。皆さんのご入学をお待ちしています!

齋藤:他の学科とは違って、進学校など色々な高校から学生が集まります。本当に多種多様、様々な人と出会えます。美術の道を通ってきてない人、通ってきた人、意見も偏らず、色々な視点があって面白いです。まさに、清野さんが仰るように、色々な分野の人に来て欲しいと思います。

まだ卒業生も出ていない学科で就職先の不安もあるかもしれませんが、カリキュラムも変化し続けているので楽しみにして入学してもらいたいです。心配だと思うけど、信じてついてきてほしいです。

清野さんのお話で、美容師になりたい友達がいるという話がありましたが、CI学科に入ることで新しい美容師のあり方も見つけられるんじゃないかと感じました。やりたいことがたくさんある人や、明確に決まってない人にもおすすめです。

おわりに

CI学科は、他にはない新しいカタチの学びの場として充実した大学生活を送れる場所であることを感じました。刺激的な先輩や先生に囲まれて、自分の好きなことを学んでいける、そんな大学ではないでしょうか。少しでも興味を持った方は、ぜひ志望校の一つとして考えてみてくださいね!

この記事を書いた人
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