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はじめに
医学部を目指すみなさん。コロナ禍では、普段の生活だけでなく、勉強の面でも多くの苦労をされていることでしょう。しかし、医師になるための道が険しいことに変わりはありません。そこで、なぜみなさんはそれでも医師になろうと思ったのかを、今一度思い返してみませんか。
医学部を目指す上でなにより大切なのは「なぜ医師になりたいか」という、あなたの強い想いを決して離さないこと。そうすれば、将来辛い事があって挫けそうになった時もきっと前を向いて医学の道を突き進んでいくことができるはずです。今回は、頑張るみなさんの力になれるよう、医療現場の「今」を少しだけお届けいたします。
絶えず変化する現代社会 今求められている「医療」の姿とは
コロナ禍で、連日のように医療従事者が活躍する姿が報道されていますが、医療の重要性は今になって急に現れたものではありません。加速する高齢化や地方の医師不足など、絶えず変化する現代社会の諸問題を解決する存在として、その価値はこれまでも高まっていたのです。
一方で、患者が医師や医療に求める価値にも変化が生じています。例えば、「体の調子が悪いので病院に行きたいけど、何科がいいんだろう」と悩んだことはありませんか? 病院は、外科や内科、循環器科など診療科目が分かれていますが、めまいがする、おなかも痛い、鼻水も止まらないなど、色々な症状が組み合わさっていると、どの科を受診すればいいのか迷ってしまいます。
特に高齢者は、1人の抱える症状の数が多くなる傾向がある上に、そもそも通院自体が困難という問題もあります。そこで今求められているのが、「総合診療」という新しい医療の考え方です。
患者一人ひとりを広く深く診る「総合診療」
「総合診療」とは、2018年に制度化されたあたらしい専門科です。患者が抱えているあらゆる症状に対し、広い視野を持ってマネジメントしていくことを目指しています。
総合診療科の専門医は、「なぜその症状が出たのか」「ほかに悪いところはないか」など、細やかなところまで確認し、時には患者の生活面や経済面までに目を向けながら診察を行います。例えば、打撲の治療で外科を訪れたけれども、実は脳梗塞の初期症状も発症していたとしたら……? 総合診療科では、「打撲をしたのは、脳梗塞によるめまいが原因だったのではないか」など、臓器単独の診療で気付けなかった横断的な部分まで見抜いていきます。
“総合”という言葉で「広く浅い」という印象を持つかもしれませんが、実はその逆。総合診療では、一人ひとりの患者を深く知り、それぞれに最適な診療を行うことができる「広く深い」医師が求められているのです。
高い臨床能力と幅広い知識が必要になるため、決して容易な診察ではないことも事実でしょう。これからの社会において、一層重要な役割を担っていくことも間違いありません。
なかでも獨協医科大学は、2016年に先駆けて新しいスタイルで総合診療科を創設した、言わばこれからの総合診療のパイオニア的な存在です。今回は、獨協医科大学病院・総合診療科の初代主任教授として活躍する志水太郎先生に、総合診療科の魅力や獨協医科大学での学びなどについて、お話を伺いました。
「人生に無駄な経験はない」総合診療医・志水太郎先生のメッセージ
志水先生が思う「総合診療医」の魅力とはなんですか?
総合診療医は、目の前で困っている患者さんのあらゆる問題に対し、広く関わっていくスペシャリストです。ほとんどの大学病院では専門分野が細分化していますが、総合診療科はそれぞれの科をつなぐ架け橋となります。高齢化社会でのニーズも高まっており、これまで以上に患者さんに貢献する、無くてはならない存在です。
獨協医科大学で学ぶメリットを教えてください。
圧倒的な症例数、高度先進医療を提供する大学病院との連携、国内トップレベルの総合診療科がそろっている環境は、医大生にとってこれ以上ない環境だと思います。また、獨協医科大学は「すぐれた臨床医」を育てる大学です。通常、座学が基本の基礎医学の段階から臨床医が深く関わり、実体験を交えて現場で感じたこと、考えたことなどを伝えています。低学年時からこうして臨床に触れることができるのは、本学ならではの取り組みです。
受験生にメッセージをお願いします。
私自身は3年連続医学部を受験し失敗するなど、心が折れそうになったことがありました。あきらめようと思っていた時に、父から「掲げた旗を降ろすな」と言葉をかけられました。自分が掲げた旗は「医師になる」ことだと再認識した私は、4度目のチャレンジで医学部に合格することができました。世の中の苦難に比べれば3浪など大したことはありませんが、それでも挫折は人を謙虚にして、心を強く、優しくさせます。人生には1つも無駄な経験はありません。みなさんも掲げた旗は降ろさず、大変でも「今日の1歩を少しでも前に進んでみる」を毎日心掛けて続けてください。きっと、明るく素敵な未来が待っているはずです。
未来の医療人を育む、獨協医科大学での学び
お話を伺った志水先生が勤務する、獨協医科大学。同大学が力を入れる総合診療については、十分理解いただけたかと思います。気になるのは、みなさんが大学生活を送る上での学びについて。特徴的な教育や環境、設備などを覗いてみましょう。
低学年時の手厚い教育・サポート
獨協医科大学は「臨床の強い大学」として名高い大学です。本来、第3学年から履修が始まる臨床医学の科目への興味を高める為、第1学年に「臨床からの学問のすゝめ」という講義を開設しています。授業を通して現場で活躍する臨床医師の体験談や信念にふれ、医師としての倫理観や信念を学ぶことができます。
また、第1学年から学年担任制を導入しています。医師への道を一歩踏み出した新入生にとって、初年度は不安も多い時期。勉学から学校生活まで、身近に相談ができる教員がいるサポート体制も同学の魅力です。その結果として、ストレートでの卒業率が高いのが強みとなっています。
北関東1位の全症例患者数と全国最大級の病床数
すぐれた臨床医になるためには、充実した実習がとても重要です。臨床実習の舞台となるのは同学の関連病院である、獨協医科大学病院、獨協医科大学埼玉医療センター、獨協医科大学日光医療センター。その病床数は3病院合計で2,317床と、全国トップクラスです。さらに、獨協医科大学病院は全症例患者数が北関東で1位。
また、救急医療の現場を支えるドクターヘリや、ロボット手術の最先端システムである「ダヴィンチXiサージカルシステム」など、最新の医療設備も積極的に導入しています。
地域社会から信頼され、高レベルの医療を提供する3病院で実習を行うことで、最先端の学びを得ることができますね。
充実の海外研修 世界の医療に触れてグローバルな視点を養う
未だ全世界で猛威を振るう新型コロナウイルスをはじめ、世界の最新データやAI、IoT技術など、常にアップデートし続けている世界の医療現場。そうした国際的な最新の医療情報を収集し、知識として吸収するには“グローバルな視点”を養うことが必要不可欠です。
獨協医科大学では、そのような医療人の育成を目指し、国際交流にも力を入れています。世界10カ国、18施設との学術交流協定を結んでいるだけでなく、フィリピンやアメリカ、ドイツでの海外研修を実施しています。
世界の医療技術に触れたり、医療文化の違いを学んだり……。海外研修を通して得られた技術や知識は、自身の視野を広げるだけでなく、すぐれた医師として成長する大きな糧になるはずです。
おわりに
獨協医科大学には、社会に求められている「総合診療医」をはじめ、すぐれた医師を育てる先進的な学びが詰まっています。大学についてもっと知りたい! という方はぜひ大学ホームページをご確認ください。WEBオープンキャンパスや、個別の進路相談会も開催しているので、より詳しいカリキュラムや先輩達の声を見聞きすることができますよ。