2022年4月から18歳も成人に!気をつけたい消費者トラブル

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インターネットや動画投稿サイトを見ていて、安くて魅力的な商品やサービスを発見したことがある人も多いのではないでしょうか。また、SNSには「簡単に稼げる方法を紹介します!」なんてもうけ話が流れてくることも。

うっかり商品を買ったり、もうけ話に乗ったりしてしまいそうになりますが、ちょっと待って。本当に魅力的な商品や仕事が紹介されていることもありますが、なかには安いと見せかけて、何度も高額な商品を購入させるケースや、稼げる方法を購入・実践しても、実際には稼げないケースもあるんです。

ここで、今まで法律にあまり関心のなかった人にも知っておいてほしいのが、民法の改正により、2022年4月からは18歳以上が成人として扱われること。未成年だからと言って、いつでも法律で守られるわけではありませんが、高校生でも18歳になれば、未成年への法律上の保護は受けられなくなります。

成人になったら、どんなことができるようになり、どんなことができなくなるのでしょうか。また、10代の若者に多い消費者トラブルの事例や、万一トラブルの当事者になってしまったときの対処法も紹介します。

成人になったらできること、できなくなること

2022年4月の民法改正で、成人として扱われる年齢が20歳から18歳に引き下げられます。2022年4月1日の時点で、18歳以上20歳未満の人は4月1日から成人として扱われることになり、その後は18歳の誕生日を迎えた人から成人として扱われます。

成人になると、保護者などの法定代理人の同意を得ずに、自分の意思でいろいろな契約を結ぶことができます。例えば、スマートフォンを契約したり、ひとり暮らし用のアパートを借りたり、支払能力の審査に通過すればクレジットカードを作成したりすることも可能です。

その反面、取引経験や判断能力も十分ではない未成年者を守るための「未成年者取消権」は行使できなくなります。未成年者取消権とは、未成年者が法定代理人の同意を得ずに契約した場合、契約を取り消すことができる権利です。未成年者取消権が行使できなくなるということは、成人になったら自分の意思で締結した契約について、自分で責任を取らなければなりません。

成人として扱われるとはいえ、10代の若い皆さんは契約に関する知識も経験も、まだまだ少ないのが当たり前。でも現実は、成人になったばかりの若者をねらう悪質な事業者も少なくありません。

必見!若者の間で多い消費者トラブル3つ

10代の若者によくみられる消費者トラブルは、インターネットやスマホゲーム、SNSなど身近に潜んでいるものばかり。実際に多くみられている消費者トラブルを紹介しますので、しっかり目を通して気をつけましょう!(以下参照、国民生活センター「子どもサポート情報」)

契約内容をよく確認!定期購入トラブルに注意

動画投稿サイトで「実質無料 初回送料のみ500円」と書かれた広告を見て、脱毛クリームを注文した。商品が届き、同封されていた書類を確認すると、5回分の受け取りが条件となっている定期購入だったことが分かった。支払総額は、約25,000円となる。高校生なので支払えない。(当事者:高校生 男性)

<アドバイス>
・一回だけのつもりで申し込んだが、複数回の購入が条件だったという定期購入に関する相談が多数寄せられています。
・注文の際は、定期購入が条件になっていないか、支払い総額はいくらになるか、契約内容をしっかり確認しましょう。
・契約内容は、「実質無料」などの目立つ表示と離れた場所に表示されていたり、小さい字で書かれていたりすることがあるため、画面の隅々まで見るなど、注意が必要です。

ネット上の見知らぬ相手との取引はリスクが伴います

アイドルグループのコンサートチケットを譲ってくれる人がいないかSNSで探し、チケットが余っている人を見つけた。連絡してチケット代金1万3千円を振り込んだが、その後連絡が取れなくなり、結局コンサートにも行けなかった。(当事者:高校生 女性)

<アドバイス>
・インターネット上の見知らぬ相手との取引は大きなリスクが伴います。また、転売されたチケットでは、公演会場に入れないケースも。
・このような取引は販売者も個人であることから、トラブルが起きたら自分で交渉しなくてはならない場合や、そもそも相手と連絡が取れなくなる場合もあるため注意が必要です。
・代金を支払ったのにチケットが届かないなど、お金をだまし取ることが目的であると疑われた場合は、最寄りの警察署に相談してください。

誰でも簡単に稼げる!?ネットでのもうけ話に注意

SNSから、簡単に稼げるというサイトにアクセスした。「1週間に1回5分の作業をするだけで誰でも簡単に稼げる」との説明があり、個人情報を登録した。同様のサイト2つにそれぞれ約2万円ずつデビットカードで支払った。塾費用を稼ぎたいと思い、マニュアル通りにやってみたが収入を得ることはできなかった。(当事者:高校生 男性)

<アドバイス>
・簡単にお金を稼ぐ方法などと称する情報がインターネットで販売され、中学生や高校生からも相談が寄せられています。
・副業サイトやSNSなどで「誰でも簡単に稼げる」などと説明されますが、楽に稼げる上手い話はありません。
・広告や説明と違って情報の内容に価値がない、収入が得られないという相談がみられます。このような情報は購入するまで内容を確かめることはできません。安易な購入はやめましょう。

契約について心配なことがあれば、気軽に消費者ホットライン188へ!

成人になると、自分の意思で自由に契約できるようになります。でも、その責任を取るのも自分自身。インターネットやSNSにあふれている商品や情報に惑わされないように、今回紹介した事例を参考にして、冷静に判断しましょう。

でも、もしトラブルに巻き込まれたときは、「仕方がない」、「恥ずかしい」と、ひとりで悩まなくても大丈夫。お住まいの自治体の消費生活センターなどや、消費者ホットライン「188」に相談してください。専門資格や専門知識を持つ相談員が、解決のための助言をしてくれますよ。

トラブルに巻き込まれたときはもちろん、契約前に不安なことがあるときも相談可能です。相談は無料(通話料や、188の場合はナビダイヤルサービス料が必要)で、相談をする人の秘密は守られます。何か心配なことがあれば、消費者ホットライン「188」に、気軽に相談してくださいね。

この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
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