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はじめに
皆さんは、将来どんな場所や地域で生活し、どんなふうに活躍していきたいと考えていますか。社会のさまざまな場面でオンライン化が進むことにより、自分の好きな場所で、自分の好きな時間に働くことが可能となりつつある昨今のトレンドは、働き方だけでなく、そもそもの生き方を見つめ直す絶好のタイミングといえます。
では、自分の好きな場所で生きていくためには、どんな知識やスキルが必要となるのか、ご存知でしょうか。今回は、そうした学びを身につけながら、地域への理解を深めていくことで、国内にとどまらず世界で活躍できる力を養うことができる大学について紹介していきます。
「地域」を理解することが「世界」を理解する第一歩になる!!
さまざまな地域がそれぞれの特徴を活かしながら、自律的かつ持続的で魅力ある社会をつくり出すことを目的に、2014年より官民一丸でさまざまな取り組みが行われている「地方創生」。さらに近年のコロナ禍をきっかけに、最近では新しい日常(ニューノーマル)に適した社会の在り方を模索する動きが、一気に高まってきています。その結果、働く場所と時間の多様化が進むとともに、自分たちが暮らす地域への意識にも変化が見られるようになってきました。
こうして多くの人たちから再発見されることになった「地域」にスポットライトをあてた、地域貢献型大学として知られるのが周南公立大学です。
周南公立大学の大きな特徴は、「世界」は無数の「地域」が集まって成り立っているという考えのもと、自らの地域と他者の地域の共通点(普遍性)と異なる点(地域性)を理解することで、世界を理解する第一歩をふみ出すことができるところです。
具体的な取り組みとしては、学生が4年間を過ごすことになる山口県の周南地域を舞台に、問題発見・解決に挑戦する実践的な学びを展開。あわせて、さまざまな情報を精査・活用する「情報活用・分析能力」や、国内にとどまらず世界で活躍するために重要となる「英語力」など、社会での活躍に不可欠な能力を修得することができます。
新しい時代に対応する学部・学科を設置
現在、周南公立大学に設置されているのは、「現代経済学科」「ビジネス戦略学科(経営コース・知財開発コース・スポーツマネジメントコース)」で構成された「経済学部」、「人間コミュニケーション学科」「社会福祉コース(社会福祉専攻・介護福祉専攻・生涯スポーツ専攻)」「情報コミュニケーションコース(メディア情報専攻・心理学専攻)」で構成された「福祉情報学部」の2学部です。
それぞれの学部の特徴を紹介すると、まず経済学部では、経営・起業に関するプログラム、ビジネスシーンで活きる実英語教育の充実が挙げられます。さらに、経済・経営の視点から行政に携わる公務員養成、経済・経営データの活用、スポーツを活かしたビジネス・地域貢献の実践的教育が展開されます。
続いて、福祉情報学部の社会福祉コースでは、児童福祉に強いソーシャルワーカー養成にはじまり、地域の福祉現場に実践的にかかわる教育、スポーツ・健康がともにある社会実現に寄与する学びを実施。情報コミュニケーションコースでは、DX対応と新たな環境・新たな学び、情報を駆使して様々な場面で活躍するスペシャリスト養成をめざします。
スペシャルインタビュー「地域発展に向けて」
周南公立大学では、地元の方と協力しながら地域発展に力を入れています。ここでは、周南市とともに行った子育て支援の取り組みについて、周南市こども・福祉部・こども局 あんしん子育て室 こども・子育て相談センター所長 玉野政枝さん(※2021年当時)、周南公立大学 福祉情報学部 人間コミュニケーション学科 准教授の竹下徹先生から「子どもと子育て家庭が安心して暮らせるまちづくり」というテーマでお話をうかがいました。
――普段の活動・専門について教えてください
玉野さん:「こども・子育てセンター」で、子どもやその家庭が安心して暮らせるまちづくりを進めています。
竹下先生:私の専門は「子ども家庭福祉」で、子どもの健やかな育ちを支えていくための子育て支援の在り方を研究しています。
――最近はどのような問題が多いですか
玉野さん:やはり、妊娠・出産・子育ての悩みや困りごとが多いと感じています。
竹下先生:私の研究でも、子育ての負担・不安が不適切な子育てや虐待につながっている状況がわかっています。そこには核家族の進行や地域とのつながりの希薄化による家庭の孤立化が深くかかわっています。
――問題解決にはどんなことが必要でしょうか
玉野さん:子育て支援の体制強化です。周南市では、令和3年度からこども・福祉部に「こども局」が新設され、一層の充実・推進に取り組んでいます。
竹下先生:虐待予防や早期発見に向けた情報をマニュアル化することが必要と考え、周南市とゼミの学生が一緒に「児童虐待防止マニュアル」の作成に取り組んでいます。
玉野さん:ゼミの皆さんに現状を知ってもらい、子ども家庭福祉について学んでもらうことで、地域の一員として支援の一翼を担っていただけると期待しています。
――今後の取り組みについて教えてください
竹下先生:子育ての悩みや楽しさを親同士で共有できるような企画やイベントを、学生が中心となって開催し、保護者と地域をつなげる機会を創出していきたいです。
玉野さん:周南公立大学の皆さんと一緒に、「誰ひとり置き去りにしない」ことをめざす新たな取り組みを考えていきたいです。
進路を選択する力と実践力が磨けるインターンシップを実施
このような地域発展への取り組みから、日本経済新聞社が全国761国公私立大学を対象(514大学回答)に、大学が地域社会にどのような貢献をしているのかを調査した「全国大学の地域貢献度調査総合ランキング」で、周南公立大学は定員2000名以下の大学のなかで全国1位にランクインしています。
ほかにも周南公立大学の大きな特徴とされるのが、インターンシップへの取り組みです。「アーリー・エクスポージャー(早期社会体験)型インターンシップ」を、1年次を対象とした必修科目に設定することにより、早期に主体的なキャリア形成意識の醸成と自身に必要な知識・技能への気づきを得るとともに、将来の活躍に必須となる情報活用能力、英語力を強化。その後、国内企業において長期間かつ有給の研究インターンシップに参加し、その評価を受けて単位を修得する制度「ジョブ型インターンシップ」に臨むことで、学生の希望や適性を明確に把握し、進路を選択する力と実社会で必要な実践力を磨くことを可能としています。
特に「アーリー・エクスポージャー型インターンシップ」に関しては、令和3年に公募が行われた文部科学省の「大学等におけるインターンシップの取り組みに対する表彰」において、優秀賞を受賞しています。
おわりに
このように周南公立大学では、周南地域をモデルに、将来自らの立つ地域の発展と価値創造を促す学びを展開していくことで、国内、そして地域の集まりである世界のさまざまな地域で活躍することのできる力を養えます。
2022年8月6日(土)、8月27日(土)には、オープンキャンパスが開催される予定になっていますので(実施詳細は確定次第、大学HPでお知らせ)、周南公立大学での学びや、地域で活躍することに興味がある方は、ぜひ参加してみてください。