未来を切り拓くスキル 女性の幸福につながるデータサイエンスの学び

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はじめに

社会のあらゆる場面にICTが浸透した現代。京都女子大学は、2023年に女子大初となるデータサイエンス学部を開設します。すべての産業がAIやデータによって駆動していく今後に向けて、女性の視点を発揮しながらデータを読み解き、社会の課題解決に活用できる人材の育成を目指しています。

データを用いて課題解決 女性の視点を活かして

データサイエンスの学びは、日々蓄積されるビッグデータを収集・分析して社会やビジネスに活用し、新たな価値をもたらすことが目的です。これまで人の勘や経験に頼りがちだった意思決定の場で活かされ、人々の行動変容や政策提言などに用いられています。 その中でも京都女子大学は、「女性の幸福につながるデータサイエンスの学びを目指す」と竹安栄子学長は話します。データサイエンス分野に進出する女性は少なく、「企業や行政にデータサイエンスを担う女性が少なければ、女性の課題が取り残される可能性があります。例えば医療政策や子育てなどの問題を女性の視点から見極め、収集したデータを用いて課題を解決することもできるのです」と指摘します。身につけたスキルはその後のキャリアを支える力にもなり、女性活躍の推進にもつなげたいと願っています。

適切なデータを用いて政策提言にも役立てる

データサイエンスの手法を用いると、客観的な数字の集合体であるビッグデータにどんな価値が見いだせて、社会を動かす力になるのでしょうか。例えば、女性特有のがんである乳がんや子宮頸がんは、がん検診受診でそのリスクを低減できますが、日本の受診率は依然として低い状況です。その事実を示すために、OECD(経済協力開発機構)加盟国の受診率を収集し比較をしてみると、下記グラフのように他国と比べて日本の受診率の低さが浮き彫りとなってきます。このように京都女子大学のデータサイエンス学部では、社会科学や統計学を深く学ぶことで、問題の背景に潜む要因を明らかにし、データに基づいて適切なエビデンス(証拠)を示し、政策提言に役立てられるなどの感性を養うことができます。

文理融合の学びで基礎と統計センスを養う

学びの具体的なアプローチについて、学部長(就任予定)の栗原考次先生は「統計学、社会科学、情報学を組み合わせた『文理融合』の学びを展開します」と話しています。データサイエンスの基盤となる統計学と情報学を体系的にていねいに学び、社会課題を見抜く力を養うために経済学、経営学といった社会科学領域にも踏み込んでいきます。データ分析には数学の素養が一定程度必要ですが、数学が得意でない学生にもサポート体制を敷くことで、社会の本音を読める統計センスを磨くことができます。 産官学連携の学びも用意してあります。京都市とデータサイエンス分野で連携・協力に関する協定を結び、ヘルスケア企業や他大学とも連携を進めています。「皆さんの入学以降、データを利活用して健康に役立てるプロジェクトなども立ち上がってくるでしょう」と栗原先生は期待を込めつつ、学部1期生となる学生の入学を心待ちにしています

この記事を書いた人
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