「日焼け止め」が必要な理由って? ~「くすり」をキーワードに広がる薬学部の研究&就職先~

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はじめに

みなさんは「薬剤師」と聞いて、どんなイメージを思い浮かべるでしょうか。大学の薬学部を卒業し、国家試験に合格した人にだけ与えられる特別な資格であることから、「就職先が限られている」と思う人もいるかもしれません。

しかし、医薬品全般について幅広い知識をもつ「くすり」の専門家として、薬剤師が携わることができる仕事は、保険薬局や医療機関だけではありません。人々の健康に貢献したり、新薬の開発、安全な薬の使用に寄与したりと、さまざまな形で専門的な知識を活かせるのが、薬剤師という資格の大きなメリットといえます。

そこで今回は、意外と知られていない大学の薬学部で学べることや、調剤以外でも薬剤師が活躍できる職種について紹介していきます。

薬学部の「薬学」って、いったいどんな学問なの?

そもそも薬学部で学ぶ「薬学」とはなにか、みなさんはご存知でしょうか。
薬学は、病気の治療や予防・診断に使われる「くすり」を総合的に研究する学問です。薬がなにからでき、体内のどこで作用し、どうやって効果を発現させるかなどを中心に学んでいきます。

研究分野は多岐にわたっていますが、新薬の開発や副作用の研究、医薬品などの特性の研究、ワクチンに関する研究など、さまざま研究が行われています。こうした研究を通じて、次々に発見される新しい病気に対して、効果的かつ安全な治療薬を開発する、より効率的な製造法を生み出すことが、薬学に課されたテーマとなります。

以上のような研究を踏まえたうえで、薬剤師国家試験に合格し、薬剤師になるために必要な学びや経験を、6年間をとおして身につけていくのが薬学部になります。

飲み薬だけじゃない! 薬学部では皮膚に塗るクリームについても研究!!

このように薬学部では「くすり」をキーワードに、私たちが想像している以上に多様な研究に取り組んでいます。

たとえば、太陽光に含まれている紫外線は、カルシウムの吸収に欠かすことのできないビタミンDの合成を助ける作用がある一方で、長期間にわたって浴び続けると「光老化」といって、肌にシミ、シワ、たるみなどを引き起こします。オーストラリアの研究によると、人間は20歳になるまでに人生の半分くらいの紫外線を浴びて、光老化の進行が皮膚ガンの原因のひとつになることもわかっているそうです。

つまり、光老化を防ぐためには、若いうちから日焼けをしすぎないことが重要。そのためには紫外線の強い時間帯に外出を避けるのがいちばんですが、日常生活を送っていくためにはなかなかそうもいきません。そこで肌を衣服で覆う、日傘や帽子を使うことになるわけですが、より効果的なのが「日焼け止め(サンスクリーン)」です。日焼け止めに含まれる主な成分は「紫外線散乱剤」と「紫外線吸収剤」で、製品によってどちらかのみ、あるいは両方が配合されることで効果を発揮します。

ここまで読んできて、「日焼け止めって化粧品だよね?」「どうして薬学部で化粧品の勉強をするの?」と疑問に思った方もいるかもしれませんが、これにはちゃんとした理由があります。実は、クリーム剤やゲル剤など、皮膚に用いられる製剤の研究は薬学部で学ぶ分野につながっているのです。

実際、日本大学薬学部では、有効成分が皮膚から吸収されやすい新しい製剤の開発に取り組む研究も行われています。塗りやすさ、付着性といった、患者さんにとって使用感が良い製剤かどうかを、いろいろな手法を用いて調べたり、皮膚や粘膜に直接塗ったり貼ったりして使う外用剤の、より良い使い方についても研究しているそうです。

薬剤師だけじゃない! 薬学部で学ぶことで卒業後に選べるさまざまな職種を紹介!!

このように薬学部では多様な研究を行っているため、その学びを活かすことで、卒業後には幅広い職種を選ぶことができます。

たとえば化粧品メーカーや食品メーカーなどの一般企業、医薬品や医療機器の販売促進のための広告や文章などに携わるメディカルコピーライター。意外と知られていない職種としては、厚生労働省をはじめとする中央官庁や地域の保健所などで活躍する公務員薬剤師、薬物が乱用されないために活動する麻薬取締官、子どもたちの快適な教育環境を守る学校薬剤師。あるいは卒業後に研修を重ねることで、がん専門薬剤師や漢方・製薬認定薬剤師、HIV感染症専門薬剤師など、「くすり」のスペシャリストとしても活躍できます。

ちなみに、薬学生の約半数以上が就職先として選んでいるのが保険薬局やドラッグストアに隣接している調剤薬局での仕事です。ほかにも、病院・医療施設、製薬会社のMR(医療情報担当者)などが主な活躍の場となりますが、どういった職種においても専門性にプラスして求められているのがコミュニケーション能力。なぜなら「くすり」は、製薬会社→医薬品卸→病院や薬局→地域住民というように、人と人のつながりのなかで社会の役に立っていくものだからです。そこでこれらをつないでいく薬剤師には、高いコミュニケーション能力が求められます。

その点、日本大学薬学部では、薬学に関する専門知識を修得できるのはもちろん、人の気持ちに寄り添える共感力、患者さんのことをよく知るための会話力をもった薬剤師の育成に力を入れています。キャリアサポートも充実していますから、薬剤師としての力を存分に発揮して、自分がめざす未来へ向かってチャレンジできる環境が整っているのが大きな魅力となっています。

おわりに

このように社会のさまざまな場面において、「くすり」に関する専門的な知識やスキルを活かして自分らしい働き方ができるのが、薬剤師という資格の魅力です。

将来、医療関係の仕事を通じて人の役に立ちたい、あるいは薬学に関する学びを活かして多様な職場で活躍したいという方は、ぜひ進路の選択肢のひとつとして、日本大学薬学部を考えてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
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