授業の約6割が実習! 大学生に聞いた、実学主義の大学って?

はじめに

みなさんは、授業の約6割が実習・実験という実学重視のカリキュラムを取り入れている大学があることをご存知でしょうか?

その大学がめざしているのは、ものづくりの基本に立ち返って、技能・技術のスペシャリストの養成を推進すること。設立にあたっては、国(文部科学省、厚生労働省)や自治体(埼玉県、行田市)だけでなく、産業界(トヨタ自動車株式会社、株式会社日立製作所、清水建設株式会社など)が協力したことでも知られています。また、2022年4月からは総合機械学科が情報メカトロニクス学科へと進化したことで、「情報技術を活用したメカトロニクス」を着実に学ぶことができるようになりました。

今回は、そんな「ものつくり大学」の魅力を深掘りしていくため、現在、建設学科で学んでいる佐藤百華さん、総合機械学科で学んでいる平田恵都さんに、お話をうかがいました。

基礎から応用へ! 普通科出身でも安心して学べるカリキュラム

――ものつくり大学を選んだ理由を教えていただけますか?

佐藤さん: 建築から土木まで幅広く学べる建設学科が設置されていたからです。また、圧倒的に実習授業の割合が多かったこと。さらに、建築現場で工事全体の管理をする「施工管理」という仕事をめざしていたため、実物大のものをつくりながら学べる環境が整っていることは大きな魅力でした。

平田さん:私も佐藤さんと同じく、授業全体の6割が実習だったことが大きいです。解説を聞いて知識として貯め込むだけではなく、実際に手を動かし、設備を見て・ふれて・ものをつくりながら学ぶことができる。そんな実践的な環境で学んでいくことで、現場で役立つ本物の技術が身についていくと思ったことから進学を決めました。


――おふたりは工業高校ではなく普通科高校出身だとうかがっていますが、入学後にギャップを感じましたか?

佐藤さん:1年次のはじめの頃は、工業高校出身の学生の方が作業が早かったりすることはありました。ただ、学生の割合では普通科出身の学生の方が多いこともあって、通常の授業はもちろん実習においても基礎から学べる構成になっていたため、出身の違いが学びのハンデにはならないと感じています。ほかにも、男女の比率で学生を見た場合、男子の割合が多くはありますが、学生生活に支障をきたした経験は今までありません。

平田さん:私も普通科出身だったので専門的な授業についていけるのか、最初は不安がありました。しかし、実際に授業を受けてみると、しっかり基礎を学んでから応用へ進むことができるカリキュラム構成になっていたので、まったく問題ありませんでした。

難しいから楽しい! 実習や実験で味わえる最高の達成感!!

――実習や実験で苦労することはありましたか?

佐藤さん:コンクリートを使った実習は苦労したのを覚えています。図面の見方さえもわからない状態だったため、最初はなかなかうまくいきませんでした。それでも一緒に班を組んだ学生たちと協力し、それぞれの得意・不得意に合わせて作業を分担したり、たくさんコミュニケーションをとりあったりしながら完成させることができました。

平田さん:はじめてのことばかりでしたが、私たちにわかるように先生方が丁寧に指導してくださったので、どの実習や実験にも安心してのぞむことができました。使用する機械も、正しい使い方をしないと危険なものもありましたが、安全面に関してもしっかりとしたサポートがあったため、最初からものづくりの楽しさを思い切り堪能できたと感じています。


――印象に残っている実習や実験はありますか?

佐藤さん:思い出に残っているのは1年次の最初にあった足場実習。横幅6m・高さ4mの足場を人力で組み上げていくのですが、そこまで大きなものをつくるのは人生ではじめての経験だったので、完成したときの達成感は今も忘れられません。

平田さん:印象に残っているのは機械製図および実習。設計から図面の作成、機械による加工、性能評価までの一連の流れをひとりで担当するため、ひとつのものができあがるプロセスを一度に体験できました。少し前まで紙に描かれていたスケッチが、授業を終える頃には、実際に機能する製品として手の中にあることに、しみじみと感動したことを覚えています。

現役の技術者を講師に迎え、即戦力のスキルを磨く!

――ものつくり大学で学ぶなかで得られたこと・身についたことを教えてください。

佐藤さん:実物大のものづくりを通して学んできたため、実際の現場で使われるような専門用語に関する知識や技術への理解度に関しては、他大学の建築学科で学んでいる学生よりも勝っていると自負しています。実習で技術面を指導してくださる非常勤講師の方々は、今も現場で活躍されている方ばかりなので、職人さんとのより良いコミュニケーションの取り方も養えた気がします。

平田さん:多くの大学が2~3学期制を採用しているのに対し、ものつくり大学は4学期制。そのため非常に幅広い分野の科目を履修可能で、数多くの知識や技術を得られたと感じています。また、長期間のインターンシップで得られたものも大きかったです。私は2年次に希望する材料系メーカーで、60日という長期にわたってインターンシップができたおかげで、かなり踏み込んだ作業までまかせてもらい、とても貴重な経験を積むことができました。また、2年次に行えたことから、それ以降、将来を意識しながら必要な科目や実習を履修することができました。


――では最後に、高校生や受験生へメッセージをお願いします!

佐藤さん:大学の雰囲気や在学生の様子など、実際に自分が訪れてみないとわからない情報はたくさんあります。ぜひ、いろいろな大学のオープンキャンパスに参加して、自分が本当に学んでみたい大学を見つけてください!

平田さん:放課後や休日であっても使うことができる設備、多様な分野に対応した約300人もの非常勤講師、活発なサークル活動など、ものつくりを学び、実践するための充実した環境を思い切り活用して、さまざまなことにチャレンジしてみてください!

おわりに

ものつくり大学で学んでいる現役大学生たちの、実体験をまじえたインタビューはいかがでしたでしょうか?

工業系の学びに興味がある方だけでなく、実際に手を動かしながら学んでみたい、即戦力のスキルを身につけたいという方は、進学先の選択肢にものつくり大学を加えてみることをオススメします。

また、佐藤さんのメッセージにもあった通り、大学のリアルな様子を知るためには、自分の目と耳で確かめてみるのがいちばん。ものつくり大学では、3月~9月までオープンキャンパスが実施されるので、みなさんの参加をお待ちしています!

この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
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