分野を越えた学びが力になる! 「クロスオーバー型課題解決」の魅力とは?

はじめに

高校卒業と同時にせまられる進路の選択は、人によってこの先の人生にかかわる大きな分かれ道となります。それを理解しているからこそ適当に決めることができず、あせったり悩んだりしてしまいがちです。
そもそも、進路が決まらないのは珍しいことではありません。みなさんのなかには「まわりはみんな進路が決まっているのに……」などと感じている方もいるかもしれませんが、それは決して恥ずかしいことではないと覚えておきましょう。

こうした現実を踏まえたうえで大切なのは、大学生活を通じて「卒業後のキャリア」を明確にしていくことです。そこで今回は、「卒業後のキャリア」の”ヒント”を見つけるための授業を実施している、京都橘大学について紹介していきます。

社会に出て必ず求められる「社会人基礎力」とは?

社会に出たときにどんな能力が必要とされるのか、みなさんはご存知でしょうか。
活躍したい業界や業種などによって求められる能力はさまざまですが、2006年に経済産業省が「多様な人々と仕事をしていくうえで必要な基礎的な力」として定義したのが「社会人基礎力」で、以下の3つの能力から構成されています。

①「一歩前に踏み出し、失敗しても粘り強く取り組む力」と定義されている【前に踏み出す力(アクション)】
②「疑問をもち、考え抜く力」と定義されている【考え抜く力(シンキング)】
③「多様な人々とともに、目標に向けて協力する力」と定義されている【チームで働く力(チームワーク)】

最近では、個人と企業や社会とのかかわりが長くなる「人生100年時代」を迎えるなかで、社会人基礎力の重要性がますます高まっています。そして、これらの能力の獲得をめざして京都橘大学が実施しているのが「クロスオーバー型課題解決プロジェクト」になります。

学部学科を越えて展開される「クロスオーバー型課題解決プロジェクト」とは?

クロスオーバー型課題解決プロジェクトとは、経済学部・経営学部・工学部(今後は総合心理学部も)の学生たちが文理を越えた幅広い知識・技能を身につけながら学び合うキャリア教育のことです。その特長は、企業や行政などから提示されたリアルな課題に対して、複数学科の学生が混ざり合いながら、各分野の専門知識をもって課題解決に取り組む点にあります。

学生たちはプロジェクトへの挑戦を通じて、今までかかわりのなかった人たちとつながり、自身の変化と進化を生み出していく「越境力」。自分とそのまわりをより良く変えていくために、未来を具体的にイメージする「未来構想力」。これらの力を高めていくとともに、不確実性の増す現代社会でキャリアを形成するための能力を育んでいきます。

プロジェクトへの挑戦から得られた「気づき」とは?

クロスオーバー型課題解決プロジェクトの一例としてご紹介するのが、「IT技術を使ったものづくりによる課題解決プロジェクト」(連携企業:ヤフー株式会社)です。

このプロジェクトは、「思っていたのと違う…」という学生たちの履修登録時のミスマッチをなくすため、実際に履修した先輩の“リアル”な評価・コメントを既存のWEBシラバスから確認できるサービスで、IT技術を活用し「“動く”モノ」をつくり上げることが最終目標になっています。
プロジェクトの提案までは、【課題抽出・アイデア出し→プログラミング学習→チーム開発→中間報告→開発目標・プログラムの修正→プレゼンテーション】といった流れで実施。実際にプロジェクトに参加したメンバーからは、以下のような声が寄せられています。

「課題解決のアイデア出しでは『そこに着目するのか!』など発見の連続でした」(情報工学科2回生)
「自分が思う“正解”がすべてではなく、立場の異なる人の意見を聞いたり対話したりすることで視野が広がり、より良いものづくりができることを体感」(経営学科2回生)
「他学科が学ぶ内容に触れたり、考え方の違いに気づいたりと自身の変化や成長につながった」(建築デザイン学科2回生)

こうした声からも、インプットからアウトプットまで社会に必要な経験が凝縮したプロジェクトへの挑戦には、多様な分野を学ぶ学生たちが混ざり合うことで得られる「気づき」が数多くあることがわかります。

9学部15学科の学びが集結した「一拠点総合大学」ならではの強み

京都橘大学は国際英語学部、文学部、発達教育学部、総合心理学部、経済学部、経営学部、工学部、看護学部、健康科学部の9学部15学科で構成された総合大学で、現在、クロスオーバー型課題解決プロジェクトに参加しているのは次の学科です。

【経済学部経済学科】
医療や食、観光や文化など、幅広い分野にわたって経済・社会を学びます。また、学部を越えた学び、学外の企業・行政との協働、情報技術など新たな技能の修得に取り組みます。

【経営学部経営学科】
「持続可能な社会」が世界共通の目標となるなかで、ビッグデータなどの情報技術と経営学の知恵を組み合わせ、企業や行政との協働と実践をくり返し、社会を変革する力を育てます。

【工学部情報工学科】
さまざまな分野の人々とかかわりながら、情報工学の技術・技能を活かして社会に貢献できる人を養成。企業や行政、他学部の学生などと交流しながら、実際にシステムを構築して実践力を培います。

【工学部建築デザイン学科】
人々の生活スタイルとともに変化する建築。社会にある潜在的な問題を発見・解決する力を養うため、実社会の建築にかかわっていくのが特色。実践を通じてこれからの建築を考え、デザインできる人材を育成します。

また、心理学の多様な分野から総合的に心の働きを理解し、データサイエンスや教育・社会科学など、さまざまな学問分野の知見を取り入れて学ぶ新しい学部、【総合心理学部】も、今後参加していく予定です。この先も「一拠点総合大学」の強みを活かしながら、ますます文系・理系の垣根を越えた学びを展開していくことが期待されています。

おわりに

京都橘大学のクロスオーバー型課題解決プロジェクトの特長や魅力について、みてきました。

大学やプロジェクトについてもっと具体的なことを知りたい方は、8月、10月、12月にかけて実施予定のオープンキャンパスに参加してみてください。8月に行われるクロスオーバー科目成果発表は必見です。また、参加する際には事前申込が必要となるため、入試サイトにて詳細を確認してくださいね!

この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
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