高校生が挑む「起業」 将来の新たな選択肢に

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はじめに

2023年12月、起業を目指す高校生と東京都の小池知事が意見を交わすイベントが開催されました。参加したのは都が開いている高校生起業家養成プログラムで学んだ高校生など7人。小池知事に起業のアイデアをプレゼンテーションしました。今、高校生、若者たちは東京、そして世界の持続的な成長に向け、どんなビジネスを創造しようとしているのでしょうか。
「起業ってなに?」「起業にチャレンジしてみたい!」「少しだけど関心がある」、
そんな人はぜひご覧ください !

起業家を目指す高校生が小池知事にプレゼンテーション!

自分の将来を考えるとき、どんなことをイメージしますか?
大学や専門学校などへの進学、その先に企業や官公庁への就職をまず思い浮かべるかもしれません。今、そのような進路に加え、新たな選択肢が注目されています。それは「起業家になる」ということ。「起業」というのは自ら事業を始め、新しいアイデアや技術から生み出した製品やサービスを多くの人に使ってもらうことです。
スマートフォン、それにネットで買い物をするときに利用するサイト、友達と連絡を取り合うSNSなど私たちが毎日のように利用している製品やサービスの多くは起業家たちが作り出したもの。それらの製品やサービスは私たちの世界を大きく変えました。
東京都は若者たちに起業にチャレンジしてもらうための支援を積極的に行っています。そのひとつとして高校生が起業のノウハウを学ぶことができる高校生起業家養成プログラム、「起業スタートダッシュ」があります。そのプログラムを受講した高校生たちが集まり、東京都の小池知事にアイデアをプレゼンテーションするイベントが2023年12月、開かれました。都民の提言を知事が直接聞くため定期的に開催する「知事と議論する会」で、2023年のテーマは「起業」。小池知事と起業への意欲にあふれた若者たちが意見を交わす貴重な機会になりました。

こんな起業アイデアが! 小池知事が高校生のプレゼンを絶賛

会場は有楽町にあるTokyo Innovation Base(東京イノベーションベース)。新しいアイデアやテクノロジーによって社会を前進させる起業家を育てようと東京都が運営しています。
イベントの冒頭、小池知事は「東京都は共に社会課題を解決しようというチャレンジを求めています。今日は熱い思いを持った、次の世代の皆さんからいろいろなアイデアを聞けるのを楽しみにしてきました」と述べました。
高校生たちは次々にそれぞれの起業アイデアを披露しました。この中で松山雄星さんは将来の夢から逆算して目標達成の手助けをするアプリの開発と提供を事業化するアイデアをプレゼン。また田中さくらさんは女性アスリートが女性専用の引越しサービスの従業員となり、引越しの際の女性の不安を解消すると共にアスリートたちの経済的支援にもつなげるという事業を提案しました。小池知事や司会を務めたタレント、プロデューサーの国山ハセンさんは熱心に耳を傾け、知事は高校生たちのプレゼン力を絶賛し、それぞれにアドバイスしました。

すでに起業する若者も! 「冷蔵庫プロジェクト」とは?

最後にプレゼンしたのは大学1年生の本嶋向日葵(ひまわり)さん。「起業スタートダッシュ」で学び、高校3年生のときに起業しました。その事業とは、フィリピンの貧困家庭の女性に冷蔵庫を貸し出すというプロジェクトです。フィリピンでは子育て中の女性などが自宅の玄関先に小さなコンビニのような店を開き、苦しい家計の足しにしています。店で人気があるのは冷たいドリンクで、冷蔵庫は不可欠。その冷蔵庫などを貸与して女性たちの開店を支援する事業に取り組んでいます。2022年4月にマニラ・ケソン市に初めての店がオープン。現地との協力の結果、経営は順調で現在は2店目を計画中です。

プレゼンで本嶋さんは「最近、高校生から起業って何からすれば良いの、とか、どの社会問題に取り組んだらいいの、という質問をいただく機会が増えました。これからは海外留学などで起業家を育てる方法についても学んでいきたいです」と力強くアピールしました。

全員のプレゼンの後、小池知事は「身近な気づきから他の人を助けていきたい、世界を救うためにはどうしたら良いかと広く考えて行くことは自分自身を鍛えることにもなります。皆さんの今後の活躍を期待しています。これまでは若者たちが自分の将来について考えることは、どの企業に就職するのかということでしたが、起業に興味を持ったらぜひ挑戦してもらいたいと思っています。東京都は新しい時代を切り開く若いチャレンジャーを全力で応援していきます」と述べ、起業を将来の選択肢として考えるよう呼びかけました。

他にもユニークな高校生たちのアイデアが発表されました!
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提案内容をリアルタイムでイラスト化したグラフィックレコーディング

「知事が若者の起業を全力で応援、うれしい」 起業スタートダッシュはオススメ

イベントの後、参加した本嶋さんは「起業のアイデアのきっかけは高校生のとき留学したフィリピンでの経験です。家が貧しいため進学をあきらめる同年代の若者だったり、栄養失調で成長の遅い子供たちの姿など貧困が連鎖している現状を見て、生まれた国が異なるだけでなぜここまで変わってしまうのだろう、という怒りに似たような感情を抱きました。私に何かできることはないのかというムズムズ感。そこから始まりました。
今回、知事が若者たちの起業を全力で応援していると温かい言葉を掛けてくださり、とてもうれしかったです。冷蔵庫プロジェクトを通して自分の力の足りなさに悩んだりすることもあるのですが、今日、知事からいただいた言葉をお守りのように大切にし、もっと頑張っていきたいと思います」と話していました。

さらに「起業スタートダッシュ」への参加を勧めたいとも。
「参加したことで、論理的に深く考える力が身に付いたと感じています。失敗しても自分で解決策を探り、成功したときに自信につながる思考のサイクルも得ることができました。プレゼンテーションの力も付いたと思っています。まずは一歩踏み出して挑戦することが大事だと思います !」

おわりに

東京都の高校生起業家養成プログラム「起業スタートダッシュ」とは、高校生が起業について学べる東京都のプログラムです。セミナーやワークショップでは第一線で活躍している起業家たちの生の声を聴くことなどができ、起業のためのノウハウを学習します。
起業に求められるマインドやアイデアを形にするスキルを身に付けることで自分の可能性に気づいてもらい、企業などへの就職だけではない将来の選択肢の幅を広げることも目的です。ここで出会った人たちとのネットワークも未来への財産になるでしょう。
ふだんの生活での気づきから起業のアイデアが生まれた! 大好きな趣味の先にビジネスチャンスがありそう! そんな人は起業への第一歩が踏み出せるかもしれません。講座内容などに興味ある人は都のサイトをチェック! (2023年度の募集は終了しています)

この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
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