はじめに
いつもStudyplusをご利用いただきありがとうございます。スタディプラス編集部です!
新年度を迎え、進級・進学されたみなさん、おめでとうございます。学年が上がると、先生や保護者の方から受験の話を聞く機会が、今まで以上に増えてきたと思います。そのなかには、「今年からついに受験生になった」という方も多いのではないでしょうか?
大学受験がより身近になったみなさんのために、これから2回にわたって大学入試の中でも大学ごとの特色が出やすく様々な形式が存在している【総合型選抜】と【学校推薦型選抜】について解説していきます。今回の記事では【総合型選抜】をピックアップ! 入試についてよく知っている人も、まだよくわからないという人も、次回の記事と合わせて読んでいただくことで大学入試への理解が一気に深まる内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください!
そもそも、【総合型選抜】と【学校推薦型選抜】って?
「大学受験」と聞くと、大学入学共通テストや私立大学の一般選抜、国公立大学の二次試験のような、主に1月~2月に実施される筆記試験を思い浮かべる人も多いと思います。しかし、最近の「大学受験」はそれだけではありません!
実は今、10月~12月に実施される、【総合型選抜】や【学校推薦型選抜】を受験する学生が年々増えてきています。2022年度入試では全国の大学入学者のうち50.7%、つまり2人に1人はこの2つの入試で入学したというデータも出ているのです。
では、実際にどんな入試なのでしょうか?その2つを簡単にまとめてみました!
【総合型選抜】
主に9月に出願開始。10月頃に入試本番(大学によっては6月に事前エントリーがあったり、12月や3月にも出願や入試があったりというケースもあります)。
【学校推薦型選抜】
10月~11月に出願開始。11月~12月に入試本番(公募制推薦と指定校推薦に分かれます)。
今回は【総合型選抜】について、このあと詳しく解説していきます。
【学校推薦型選抜】については、5月下旬~6月上旬頃に公開予定の記事で解説しますので、お待ちください!
私立大学の9割で採用されている【総合型選抜】とは?
【総合型選抜】とは、大学が求める学生像(アドミッション・ポリシー)に合った人物を、面接などを通して選抜する入試方式です。学力面だけでなく、高校での活動、受験生の個性や適性、意欲などについて総合的に評価し、合否を判定するのが特徴です。文部科学省の『令和4年度国公私立大学・短期大学入学者選抜実施状況の概要』によると、国立大学の約78%、公立大学の約40%、私立大学の約91%で採用されています。
その出願時期は、原則9月1日以降にスタートするよう定められています。ただし、実施時期や期間は大学によって異なっていて、9月に開始するところもあれば、12月や年明けに入試日程を設けている大学もあります。合格発表は11月1日以降となりますが、受験生とのマッチングにじっくり時間をかける大学では、選考期間が1〜3か月間と長期にわたることもあります。また、総合型選抜を受験するための申し込みにあたる「出願」をする前に、その予約にあたる「エントリー」が6月ごろから必要となる大学もあるため、早めに志望校をしぼったうえで対策を立てておきましょう。
大学によって異なる選考スタイルを解説!
【総合型選抜】の選考方法は「書類選考+面接+小論文」が基本となります。ただし、大学によっては学力試験や実技試験を課したり、口頭試問で知識・理解が問われたり、国公立大学のなかには学力試験として大学入学共通テストを課すケースもあります。また、その選考スタイルは、次のように大きく3つに分けることができます。
①選抜型(学力重視型)
国公立大学や難関大学に多い選考スタイル。学力を重視するため、小論文や長文の志望理由書・自己推薦書のほか、大学共通入学テストなどが課されます。
②課題型・対話型
私立大学に多い選考スタイル。受験生とのマッチングを確認するため、面接・面談が複数回にわたることもあります。大学・学部によってはプレゼンテーションやグループディスカッションを実施し、意欲や適性を見る場合もあります。
③実技・体験型
美術系の大学に多い選考スタイル。デッサンなどの実技が課されます。大学によっては、模擬授業やセミナー、実験などへの参加が出願条件となり、その際にはレポートや課題提出が必要となることもあります。
「専願」が基本の【総合型選抜】は、人より多く受験のチャンスが得られる?
【総合型選抜】では、1つの大学にしぼって出願する「専願」が基本となります。合格したら辞退できず、必ず入学しなければなりません。募集要項に「専願のみ」などの条件が記述されているかどうか、必ず確認しましょう。
もし、「専願」を条件とする大学で不合格になった場合、どうすればいいのか不安を感じるかもしれませんが、安心してください。万が一、落ちてしまっても、一般選抜で再チャレンジできます。また、【総合型選抜】を複数回実施している大学・学部の場合、一度不合格となっても、再チャレンジすることができます。
一方、「併願可」の大学の場合、合格しても入学を辞退できます。しかし、【総合型選抜】では、学力だけでなく志望動機などで評価する傾向が強いことから、複数の大学を併願していると、入学意欲が低いとみなされかねません。そのため基本的には「合格したら行きたい大学」のみを受験するようにしましょう。
おわりに
【総合型選抜】の出願時期や選考方法などについて、より理解できましたか?
実際に出題される内容に関しては、6~8月頃に各大学より発表される予定です。詳しい情報に関しては、各大学の入試概要やホームページをしっかり確認したうえで、確実に準備を進めていきましょう!
次回は【学校推薦型選抜】のなかでも、特に大学の特色が出やすい【公募制推薦選抜】について解説します!
公開は5月下旬~6月上旬を予定していますので、もう少しお待ちください!