はじめに
「将来はスポーツや運動に関係する仕事がしたい!」運動が大好きな方のなかには、こんなふうに考えている人も多いのではないでしょうか。
スポーツ・運動に関わる仕事と一口にいっても様々な職業がありますが、近年「スポーツトレーナー」が注目を集めているのをご存知でしょうか。
「スポーツトレーナーって聞いたことがあるけど、なんだかよくわからない」という方もいるかもしれません。実はスポーツトレーナーって、最先端のスポーツ医科学の知識を活かす活躍の幅が広い仕事なんです。そこで今回は、魅力いっぱいのスポーツトレーナーについてご紹介します!
選手のパフォーマンスを最大限に引き出すために活躍するスポーツトレーナー
大学アスリートの体力測定を実施している風景
スポーツトレーナーとは、プロのアスリートから競技スポーツ選手を対象に、スポーツ現場の応急処置から競技復帰までのサポートを行う専門職のことを指します。さらには、選手がベストなコンディションで試合に臨めるよう、パフォーマンス向上に向けたトレーニングだけでなく、パフォーマンスを最適化するためのウォームアップや疲労をいち早く回復させるためのリカバリー対策など総合的にサポートします。
近年はインターネットの発達で、健康や体づくりに関する情報が手に入りやすくなりました。しかし、それが本当に正しい情報なのか、また効果的な方法で実践できているのかはわからないですよね。実際、スポーツジムでの事故が最近非常に多くなっており、日本経済新聞の記事によると6年間で500件超もスポーツジムでの事故が発生しているそうなんです。これは、無資格者や経験だけで指導するスポーツトレーナーが近年急増しているが故に、専門的な勉強をしていないスポーツトレーナーがいることでの技量の差が大きくなっているからだと言われています。本来スポーツトレーナーは「なぜそのプログラムが必要なのか」をきちんと説明しながら、選手とコミュニケーションをとりながら指導をしていきます。
スポーツトレーナーには、人体に関する知識はもちろん、食事、睡眠、また選手と適切にコミュニケーションを取る能力が不可欠。必要な能力が多岐にわたる分、優秀なスポーツトレーナーは多くの場所で必要とされています。
現代はVUCAの時代(変化が激しく将来の予測が難しい時代)と言われていますが、こんな時代だからこそ、専門的な知識を活用して、どんな場面にも柔軟に対応できるスポーツトレーナーが求められているのです。
優秀なスポーツトレーナーになるために欠かせないヒューマンスキル
高校生剣道大会における救護活動でのテーピング風景
ほかにも、優秀なスポーツトレーナーになるため欠かせないスキルがあります。
それは社会人としてのヒューマンスキル。知識はもちろん、選手からの信頼は大切ですから、良好な関係を築くための能力が欠かせません。
とはいえ、ヒューマンスキルと言われてもよくわかりませんよね。そこでヒューマンスキルのベースとなる経済産業省が発信する「社会人基礎力」を見てみましょう。
社会人基礎力とは
社会人基礎力とは、「前に踏み出す力」「考え抜く力」「チームで働く力」の3つの能力(12の能力要素)から構成されており、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として、経済産業省が2006年に提唱しました。※
現代は人生100年時代と呼ばれています。そんな時代に長く活躍し続ける人材になるためには、社会人基礎力を大切にしながら、常に学び続ける姿勢が大切。多くのクライアントから求められる優秀なスポーツトレーナーになるには、実践の機会、そして他者からのフィードバックを大切にし、常に探究心を持つことが重要なのです。
※経済産業省HPより引用 https://www.meti.go.jp/policy/kisoryoku/
国際武道大学で、スポーツトレーナーを目指そう!
パフォーマンス向上にむけたフィジカルテスト風景
では、どんな大学でスポーツトレーナーとしての知識と、国が提唱する社会人基礎力をベースとしたヒューマンスキルを学べるのでしょうか。例えば、千葉県の国際武道大学は、これらの能力を身につけられる大学のひとつです。
国際武道大学の魅力は、豊富な実践現場と質の高い実践的な教育。特に大学が実施している、学生トレーナーが学生選手をサポートする「学生によるスポーツ医科学サポートシステム」は、文部科学省が推奨する「特色ある大学教育プログラム」に全国で唯一採択されました。
採択の理由には「現場のニーズに対して具体的に取り組んでいる実践活動であること」「これまでの活動実績とこれからの活動の発展が期待される取り組みであること」が挙げられており、国際武道大学のこの教育プログラムは外部の機関からも高い評価を受けています。
実際に国際武道大学におけるスポーツトレーナー教育は国内の大学で最も歴史が長く、その教育を受けた卒業生は、プロ野球やJリーグ、日本代表など、プロアスリートのトレーナーとして活躍しています。レベルの高い教育と将来の選択肢が多く設けられているのが、国際武道大学の学びと言えるでしょう。
どんな人がスポーツトレーナーに向いている? 先生に聞いてみた!
国内外で活躍しているスポーツトレーナーであり
学生トレーナー教育の経験豊富な大学教員とのインタビュー風景
スポーツ現場の素朴な疑問や課題を改善するための知識を身につけながら、スポーツトレーナーになるために必要な実践力を身につける……なんだか、とても面白そうですよね。
すべての人に門戸が開かれているスポーツトレーナーですが、国際武道大学で実際に指導している笠原政志教授は、特に以下のような資質を持っている方が向いていると話します。
・ 本気でスポーツトレーナーになりたいと思っている
・ スポーツトレーナーの能力を持った教員・公務員・指導者になりたいと思っている
・ 選手としての活動と学生トレーナーの活動の両立をしたい
・ 選手もしながらスポーツトレーナーの実践力を高めたい
・ スポーツトレーナーの活動を通して先輩や後輩などのたくさんの仲間を作りたい
・ 誰かの人のために役立つことをしたい
ご自身に当てはまりそうな項目はありましたか。
何よりも大切なのは、将来を見据えて学びたい、頑張りたいという向上心。前向きな気持ちを持って取り組める方は、ぜひ目指してみてはいかがでしょうか。
おわりに
高校生に向けて自己管理能力の必要性を伝える笠原教授
将来性あふれるスポーツトレーナーについて見てきました。
スポーツ選手の活躍はもちろん、スポーツを通じた健康的な生活が注目を集めている今、スポーツトレーナーの重要性はますます高まっています。少しでも興味のある方は、ぜひ調べてみてください。
またご紹介した国際武道大学では、6〜8月にかけてオープンキャンパスを開催予定。先生や先輩に直接話を聞き、スポーツトレーナーについて知るチャンスです。こちらもぜひ参加してみてください!