はじめに
大学入試の多様化が進むことにより、多くの大学で導入が進んでいるのが、学力面だけでなく、受験生の個性や適性、学習意欲、高校時代の活動などについて総合的に評価し、合否を判定する総合型選抜です。その流れは一般の学部にとどまらず、医学部にも広がりをみせています。
そこで今回は、東北地方の地域医療・災害医療を担う医師の育成を目的に、新たに総合型選抜を導入した東北医科薬科大学医学部を特集。高い国家試験合格率を誇る学びの特長とともに、総合型選抜で受験するメリットについて紹介していきます。
総合型選抜の導入、その背景と目的とは?
東北医科薬科大学医学部は、東北地方の地域医療・災害医療を担う医師を育成することを使命としています。令和4年には第1期生が卒業し、東北各地の医療機関で活躍し始めています。
しかしながら、東北地方の医師数は全国平均より少なく、特に東北5県(青森県・岩手県・秋田県・山形県・福島県)では一部の地域を除いて医師不足が続いています。
そこで、従来の学力を中心に評価する一般選抜だけでなく、「東北5県の地域医療に従事する強い意欲」や「医師に不可欠な問題解決能力や適性」をもち、「人間性豊かな人材」を求める目的で、新たに令和7年度(令和6年10月実施)の入学者選抜から、総合型選抜(東北地域定着枠)を導入しています。
地域医療ネットワークで包括的な教育と実習を実現する東北医科薬科大学
地域医療を支える医師の育成を目指す東北医科薬科大学医学部では、宮城県を含む東北6県に広がる地域医療ネットワークを構築し、地域滞在型の地域医療教育と臨床実習を行っています。
1年次から地域社会での医療やチーム医療を見学し、2年次からは同じ地域を同じ仲間とくり返し訪問する実習をスタートします。高齢化が深刻化するなかで、地域医療は重要な役割を担います。その要請に応えるべく、「地域病院体験学習」では地域の病院を、「地域介護サービス体験学習」では介護・福祉施設の現場を見ることで、低学年時から地域の暮らしの現状・課題などを現地で学びます。
また、住民の特性や年齢分布、気候、立地条件などにより、地域医療に求められることは変わってきます。そこで東北医科薬科大学医学部の教育や実習では、必要とされる医療の提供体制や医師としての将来像をイメージしやすくするため、地域とのコミュニケーションを重視しています。このように地域に根ざした医療を学べる点は、東北医科薬科大学に進学する大きなメリットといえます。
東北医科薬科大学の総合型選抜、その詳しい情報を紹介!
東北医科薬科大学医学部に新設される総合型選抜の募集人数は20名。出願にあたっては、いくつかの条件がありますので公式サイトから令和8年度の募集要項をご確認ください。
また、試験の実施日は令和7年10月25日、26日で、小論文試験と面接試験を各1日の2日間で実施予定。選抜にあたっては、出願書類、小論文試験、面接試験の結果から総合的に判断し、合格者を決定します。
東北医科薬科大学が高い国家試験合格率を誇る理由
創設から10年目を迎えた東北医科薬科大学医学部。直近3年間の国家試験平均合格率は95.2%と全国平均の92.1%に対して非常に高い合格率を誇っています。その大きな要因となっているのが、ほとんどの学生が1年次から6年次までの進級をストレートに達成する、学内での進級率の高さです。
また、学生一人一人に寄り添った指導が行われている点も見逃せません。その象徴といえるのが組担任制です。6年間の教育期間すべてに担任がつき、学生の身近で一人ひとりをサポートしています。特に1、2年次でのつまずきを見逃さず、医学教育推進センターでも面談を行っていくことで、学生の能力を最大限発揮できる環境をつくっていきます。
おわりに
東北医科薬科大学が位置する仙台は、「杜の都」と呼ばれ、豊かで快適な自然に囲まれています。東京駅から仙台駅までは、新幹線で約1時間30分程。東北地方随一の都市であり、イベントなども多く開催され、商業施設や医療機関も充実しています。気候も穏やかで、仙台の市街地は数センチの積雪が年に数回程度と東北地方としては非常に少なく、夏も冬も過ごしやすい街です。半面、生活物価や家賃は全国の他の都市と比べて低い水準となっており、学生生活を送るのに適した土地といえるでしょう。
この杜の都で学んだ医学部の卒業生は、医師としての一歩を踏み出しました。各地の医療現場で働く卒業生たちの活躍からは、今後も目が離せません。
そして、今回の記事をきっかけに東北医科薬科大学に興味をもった方には、オープンキャンパスへの参加をオススメします。開催日程は、6月29日(日)、8月2日(土)3日(日)、10月12日(日)で、事前申し込み制を予定しています。さらに詳しい情報に関しては、下記のリンク先をチェックしてみてください。みなさんの参加をお待ちしています!