はじめに
皆さんがよく利用しているファーストフード店やカフェには、毎月のように新しいメニューが登場していると思います。SNSで話題の最新メニューを食べるため、行列に並んだ経験があるという人もいるかもしれませんが、そのヒット商品がどうやってつくられたのかご存知でしょうか?
実は、こうした新しい味を生み出し、実際に商品として形にすることを目的とした、まさに「食」のクリエイターともいえる仕事があります。それが「食品開発」です。
今回は「食品開発」という仕事の魅力とともに、その仕事に携わるためにどんなスキルが必要となるのかを紹介していきます。
たくさんの人を笑顔にできるのが「食品開発」の魅力!
「食品開発」とは、私たちが生活をしていくうえで欠かせない「食」に関する新しい商品の企画、開発、品質管理などを行う仕事です。主に食品メーカーや飲食店などの開発部門に勤務し、お惣菜や飲み物、お菓子、調味料など、様々な食品の新しい味をつくり出すだけでなく、新しいメニューの開発を手がけることもあります。
新商品を開発するためには、何度も試作品をつくり、試食をくり返す必要があります。使用する材料の割合や分量が少し違うだけでも、味や食感などが大きく変わってしまうため、地道な作業が続きます。だからこそ、商品が完成したときの喜びは格別です。さらに、それがヒット商品となったときには、このうえない達成感を得ることができるでしょう。
また、新しいおいしさをつくりだすことで、たくさんの人を喜ばせ、笑顔にできるのも「食品開発」という仕事の魅力です。特に最近では「食」を通じた「健康」への意識が高まりつつあることから、栄養面や品質にこだわることで人々の幸せな生活をサポートできる、社会的役割の高い仕事にもなっています。
「食品開発」の仕事で求められるスキルとは?
「食品開発」の仕事では、食品に関する幅広い知識の他にも様々なスキルが必要となりますが、特に重要とされているのが「分析力」です。
たとえば、私たちが感じている「おいしさ」は、「味」「香り」「食感」という3大要素からできています。これらの構成比率が少し変わるだけで、「おいしさ」は大きく変化してしまいます。つまり、みんなが食べたいと思う理想の「おいしさ」を完成させるためには、数値化したデータをもとに、原材料の配合や製造条件、形状などを検討するプロセスがとても大切になります。このように「おいしさ」を創造するためには緻密な計算が欠かせないことから、「食品開発」の仕事に「分析力」は必要不可欠になるわけです。
「分析力」を伸ばす愛知淑徳大学の食創造科学科とは?!
このように「食品開発」の仕事には「分析力」が欠かせないわけですが、食品の成分分析やマーケティングリサーチに取り組みながら、食にかかわる「分析力」を高められるのが、2024年4月に愛知淑徳大学に開設された食創造科学科です。その学びの特色として、次の3つを挙げることができます。
『食に関する多様な領域を横断的かつ専門的に学べる』
科学的な根拠から食について学ぶことを土台に、「食品」「調理」「健康」「栄養」「食文化」「食創生」という、食に関する多様な領域についての知識を修得。食をあらゆる視点から捉えながら、新たな食を生み出す発想力を養います。
『様々な機関と連携し、「食創造」を実践的に学べる』
食創造科学科では「食品開発」を「食創造」として捉えています。実践を通じて生きた学びを得るために、コミュニティ・コラボレーションセンター(CCC)との連携や、ゼミ活動、コンペティションなどの機会を利用し、食品開発や成分分析などに挑戦していきます。
『実験・実習で実践力を磨く、最新の学修・研究』
食品成分を調べる最新機器を設置した実験室。食品開発などで用いられる、おいしさを評価する官能評価室。地域食やテーブルコーディネートといった食卓美学を研究する実習室など、実践のなかから先進的な学習・研究に取り組める環境が整っています。
食創造科学科では以上のような特色ある学びを柱に、味や食感、栄養、ディテールといった「食の魅力」について、科学的・技術的な側面から探究し、食品を企画するスキルを磨いていきます。また、デコレーションやコーディネートなど、食品開発後のアプローチについても学んでいくことで、食に関する多様かつ専門的な知識を修得できます。学習環境についても、2023年完成の新1号棟の4・5階に、最新の設備が整った実習室・実験室の他、ラウンジなどを設置した食創造科学科の専用フロアを整備することで、学生たちの学びをサポートしているのも特長です。
そして、卒業後の進路としては、製造業(加工食品、食品飲料など)、総合商社(食品原材料など)、専門商社(食品卸など)、外食(百貨店、食品スーパー、ドラッグストアなど)、行政(公務員)、フードコーディネーター、食生活アドバイザーなどでの活躍が期待されています。
おわりに
「食品開発」という仕事の魅力や、その仕事をしていくうえで「分析力」が重要視されていることをご理解いただけましたでしょうか?
今回の記事をきっかけに「食品開発」の仕事に興味をもった方や、将来、栄養系の仕事をめざしている方は、愛知淑徳大学の食創造科学科を進学先の選択肢に加えてみることをオススメします。