はじめに
皆さんのなかには建物やものづくりが好きで、将来は大学の建築学部で学び、建築士になりたいと思っている人もいるかと思います。そして、「建築」を学ぶというと多くの人は「設計」や「建物をつくる」ことをイメージしているかもしれませんが、実はそれ以外にも幅広い分野について総合的に学ぶ必要があることをご存知でしょうか?
そこで今回は、建築という分野で求められている学びや、建築を総合的な視点から学ぶことで広がる将来の選択肢について紹介していきます!
なぜ建築を総合的な視点から学ばなければいけないのか?
建築士とは、様々な建物の設計や工事を監理する仕事です。そのため建築士になるためには設計など建物をつくる能力さえあればいいと思われがちですが、快適な住居をつくっていくためには、その内部の空間やインテリアまで考える能力も欠かせません。さらにその視野は建物にとどまらず、まちづくりや都市計画という、より大きなスケールにまで広げていくことで本当の意味で人が暮らしやすい住環境が実現できます。
建築を学ぶ上では、建物の構造や強度なども学ぶため理系の知識が必要となります。ただ、建物を建てるには様々な条件や規制がありますから法学の知識が欠かせませんし、建物が果たす経済的役割を考えるために経済学の知識が必要になることもあります。あるいは、暮らす人に寄り添った住居をつくっていくためにはコミュニケーション能力やヒアリング力、自分のアイデアを人に伝えるための提案力やプレゼン能力が求められる場面が訪れるかもしれません。
つまり、建築士として活躍していくためには、建築やインテリア、まちづくりや都市開発など理系・工業系の知識にとどまらず、歴史・文化・環境・経済など、幅広い視点で社会をとらえながら総合的に学んでいく姿勢が求められているのです。
「建築のまわり」に広がる未来への可能性
このような考え方をもとに総合的な視点から建築について学んでいくことで、将来は様々な強みをもった建築士として活躍していくことができます。しかし、こうした学びによって育まれた多様な能力は、「建築のまわり」に広がっている様々な仕事で活躍するという選択肢も与えてくれます。
例えば、椅子やテーブルなどのインテリアデザインを手がけたり、空間デザイナーとして内装設計を行ったりすることは、その代表といえます。ほかにも、住宅設備・建材メーカーやハウスメーカーなどでライフスタイルを提案する。デベロッパーとして都市開発を行う。まちおこしや古民家再生など地域の活性化事業にかかわる。建築にかかわる書籍を編集する。建築の専門的知識を活かして文化財保護に携わる。これ以外にも社会の様々な場面で、総合職・技術職を問わず、より豊かで質の高い生活の創⽣に貢献できる人材として活躍できる可能性を秘めています。
建築を総合科学としてとらえ学びを広げていく愛知淑徳大学
最近では、建築について多角的な視点から学んでいく大学も増えてきていますが、建築を総合科学としてとらえ幅広いスケールで学んでいくことにより、住環境創成へ貢献できる人材の育成をめざしているのが愛知淑徳大学です。
創造表現学部創造表現学科建築・インテリアデザイン専攻を改組し、2025年4月に開設される建築学部建築学科では、“一脚の椅子から都市空間まで「建築」はつながっている”というコンセプトのもと、学生たちは“実践の場”で経験を重ねながら自信を築いていくことができます。実践力を養う取り組みとして、著名な建築家とコラボするデザインワークショップの開催、複合施設の内装設計に挑戦、空き家の再生などが行われる予定です。
また、取得できる国家試験受験資格は「一級建築士」「二級建築士「木造建築士」(いずれも予定)、「一級建築施工管理技士」「二級建築施工管理技士」(いずれも実務経験等の受験条件有り)。建築士合格者数(卒業後)に関しては一級建築士37名、二級建築士64名(いずれも2024年1月時点申告者のみ)という実績があります。
ほかにも、「司書」「学芸員」「商業施設士補」といった資格・免許も取得可能。目標とする資格としては、「インテリアコーディネーター」「インテリアプランナー※」「福祉住環境コーディネーター」「商業施設士」「CAD利用技術者試験」が想定されています。
建築学部の専攻に関しては「建築・まちづくり」と「住居・インテリアデザイン」に分かれていますが、それぞれの枠を超えて科目を履修できるため、一級建築士とインテリアコーディネーターの資格取得を同時にめざすことも可能です。
そして、建築学部開設にともない、長久手キャンパスには2025年4月、新たに建築実験棟が竣工予定です。新しい実験棟には、構造実験室や材料実験室、環境実験室など最先端の実験機器を整備するほか、ラーニングコモンズや共同演習ゾーンなど、建築学を深く学ぶための環境が整えられます。これ以外にも、8号棟には製図室、CAD室、ラボゾーン、Promotion Lab、ものづくり工房などが設けられることになっています。
※インテリアプランナー試験は在学中でも受験可能。試験に合格した者は必要な単位を満たして卒業することで、登録資格が与えられます
おわりに
建築という分野で活躍するために必要な学びや、総合的な視点から建築を学ぶことで将来の選択肢が広がっていくことを、ご理解いただけましたでしょうか?
特に今回ご紹介した愛知淑徳大学建築学部は、建築について設計・構造・材料といった工学的要素だけでなく、人文・社会・自然科学にまたがる要素を含む総合科学の視点で学びながら、たくさんの実践を重ねることで、皆さんが望む未来へ羽ばたくために必要な力を養うことができます。建物やものづくりに興味がある人、大学のカリキュラムに興味のある人は、ウェブサイトにて最新情報をチェックしてみてください!