【学生座談会】自由に学ぶということ。対話を中心とするリベラルアーツの魅力

はじめに

みなさんは将来、何を学びたいか決まっていますか?
ほとんどの大学では入学前に専門を決めて、それぞれの学部の入学試験を受けます。そのため、高校2年生や3年生の春頃には専門を決める必要がありますが、道を選ぶのは難しいもの。好きな科目がたくさんあり、どんな道に進んだらいいかわからない、文系にも理系にも興味がある……そんな方も多いのではないでしょうか。
しかし、好きなことを専門にしつつ、さらにいろいろなことを自由に組み合わせて研究を深められるところがあることを知っていますか? 例えば国際基督教大学(ICU)では、学生たちが独自に自分のカリキュラムをデザインすることができます。学生の数だけカリキュラムが存在するのです。この自由な学びのスタイルは、この自由な学びのスタイルをリベラルアーツ教育といい教養学部=College of Liberal Arts一学部制をとるICUでは大学全体でリベラルアーツ教育を実践しています。
入学後に関心のある様々な学問分野に触れてから、自分の専門を決めて卒業研究のテーマを絞り込みます。4年間を通して文理合わせて31のメジャーから授業を組み合わせることができるので、自分で見つけた研究テーマを学際的に深めることができるのです。まさに現代の課題に対応する専門の深め方と言えます。
どんな大学か、気になりますよね。そこで今回は、3人の学生にインタビューを実施!
入学した理由、実際の授業や学校の特徴について、伺いました。

左から
4年生 経営学メジャー 高野怜央さん
4年生 法学メジャー 開発研究マイナー 大澤彩さん
4年生 生物学メジャー 百瀬彩さん

文理を超えた自由な学びの中で、自分の興味を見つけたい

――本日はよろしくお願いします。はじめに、ICUを志望した理由を教えてください。

高野:先輩の受験体験談を聞いて興味を持ち、オープンキャンパスに参加したことがきっかけです。当時の私は学びたい分野が決まっていなかったのですが、自由な学びを重視しているICUなら、自分の興味を見つけられると思いました。また留学にも興味があったので、留学制度が整っているところも重視した点のひとつです。

大澤:私は高校時代まで日本と海外を行き来していたのですが、様々な環境に身を置くなかで人権について考えるようになり、大学では人権や法律について学びたいと考えていました。
ICUでは「世界人権宣言」を学生宣誓として、入学時に署名する伝統があります。そういった背景もあり、人権を重視した教育と研究を行っているICUで学びたいと思うようになりました。

百瀬:高校時代、生物と英語の両方を学びたいと思っていたのが一番の理由です。普通の大学だと受験時から専攻を選ばなければいけませんが、ICUは分野を横断して学ぶことができる。私もオープンキャンパスに参加して大学のことをより深く知ったのですが、文理両方を学び、自分の興味ある分野を深めていける点に魅力を感じました。

――学生さんが一人ひとり、自分で考えながら学びを深めていく「自由な学び」。どのような学びの体験をされましたか?

高野:私は経営学を学ぶとともに、ICUで高校時代からの目標であった留学もできました。特に留学先ではいろんな人と触れ合う中で人生観が変わる体験ができたのですが、それが実現できたのも、リベラルアーツ大学ならではの学びが根底にあったから。物事を柔軟に、様々な側面から見て理解を深める姿勢が、自分の中で醸成されていたのだと思います。また、カリキュラムも含めて、自分自身で学びをデザインできることもICUの魅力の一つです。しかも学べる内容の範囲も広く、数多くの学びの中から自分自身興味がある学問を見つけることができました。

大澤:私はメジャーとして法学、マイナーとして開発研究を専攻しています。高校時代から「人権」を取り巻く社会課題に関心があり、大学では国際法を中心に学んできました。3年生の時にはイギリスのダラム大学法学部に留学し、留学先で国際人権法、国際組織法、国際刑事法等を受講しました。

百瀬:私は生物学メジャーを選択しましたが、卒論指導を受けているのは環境研究メジャーの教員です。同じ教員のもとで指導を受けている学生も文系・理系、選択しているメジャーも様々。卒業研究も理系の視点、経済の視点、環境の視点など、複数の視点からディスカッションでき、日々刺激を受けています。

専門分野、国籍、学年など背景が異なる学生や教員が日常的に混ざり合っているのが当たり前。

――他大学では体験できない学びの環境だと思います。その中でどのように卒業研究のテーマを見つけましたか?

高野:異なる考えや興味を持つ学生と話し合う中で、多面的に物事を見る大切さを知り、相手の意見を受け入れる柔軟性や共感力が培われました。そういった点は研究においても活かされており、卒業論文のテーマは、「IT業界における長期インターン生の理想的な就業環境とインターン生だからこそできる企業への貢献の可能性について」。これも情報科学を専攻する友達の話から着想を得て決まりました。

百瀬:私も同じで、友達はもちろん、異なる分野の先生からも意見や刺激をもらっています。ICUでの学びの中で見つけた自分自身が学びたいと思える学問をまずは授業の中でしっかりと深めていくことができ、更に様々な授業や友人、先生方からの意見の中で異なる視点をもらうことで新たな気づきがでてきます。卒業研究は、柑橘品種と時期によって果皮の薬効成分含量にどう影響するのか、という理系視点と、廃棄されているミカンの再資源化という環境の視点から考えました。この研究に関するアイディアも、自分のメジャーとは違う先生と話しているときに生まれたテーマ。文理の壁、国の壁を越えて、様々な意見が聞けるので、毎日とても刺激を受けています。

大澤:高校時代からの関心をそのまま深めて、卒業論文は、貧困問題と基本的人権の関係についてまとめました。他のメジャーの学生や先生との関わりが、当たり前にあるのがICU。様々なバックグラウンドを持つ学生が同じテーマで話をすることで、自分にない視点の意見が出てくるため、「そんな考え方もあるのか」と、違う側面からも研究を深めることができました。

――対話が生まれる環境は魅力的ですね。他にも具体的な体験がありますか。

大澤:学部の授業だけではなく、大学院の授業も履修しているのですが、私が選択している大学院の授業では、ナイジェリアの政府で働いていた方、平和研究をしているアメリカの元兵士の方など、多様な経歴を持つ方が参加しています。こういった年齢や国籍、職業の違う学生と共に学び、ディスカッションする機会もあります。様々な背景を持つ方々と対話をしていくことで、自分自身の学びを再度確認する機会にもなりましたし、異なる視点を得ることでより自分自身の学びが深まっていると感じています。

高野:実はこのディスカッションとか対話って、授業中だけではないんです。私は寮生活をしているのですが、日々の生活の中でも何かひとつのテーマについて、突然対話が始まることがある。幸せについて、また自分の学んでいることについてなど、その時々によってテーマはさまざまですが、日常の中で、真面目なテーマで自分の意見を恥ずかしがらず言い合える友達ができるのは、ICUならではだと思います。

百瀬:授業、プライベート問わず、話ができる仲間がいるのは良いですよね。以前、所属しているSDGs推進室サークルでバレンタインデーにフェアトレード・チョコレートショップを企画したのですが、企画の段階で、ジェンダーの観点から女性から渡すだけでいいのか、という議論が生まれました。授業以外の場でも、こういった話しができるんだと嬉しくなりました。

日々の授業は、新たな発見であふれている

――ICUのどんなところに魅力を感じますか。

百瀬:いろんな価値観に触れることで、自分の興味を見つけていけることです。他の大学に進学をすると、入学時点でやりたいことを決めなければいけません。たくさんの学生と話したり、いろんな授業を受けたりする中で、時間をかけて自分が納得できる道を選べたことが、とても良かったと思います。

大澤:日々の授業が発見であふれていること。それが大きな魅力だと思います。自分のメジャーとは一見かけ離れている授業でも、まったく異なるメジャーの人の発言を聞くことで、自分の専攻に対する視野が広がっていく。些細なことからも、たくさんの気づきや学びを得ることができました。

高野:大澤さんの言う通り、視野が広がっていく点が私も大きな魅力だと思います。物事を理解する方法は、必ずしもひとつではない。大学で4年間学び、異なる意見や考え方を持つ人に、真摯に耳を傾けることができるようになりました。授業やプライベートで、異なる価値観に触れる環境が当たり前にあることが、ICUの良さであり、リベラルアーツの本質を学べるICUの魅力だと思います。

――最後に、受験生にメッセージをお願いします。

高野:進路選びについて迷っている人は、それだけ自分の人生に可能性を見出している人だと思います。いろんな可能性を探ってみたいのであれば、リベラルアーツ教育を実践する大学で、どんな学問を探求したいのかを考えてみてはいかがでしょうか。特にICUでは、学問はもちろん、いろんな人との出会いがあると思います。

百瀬:将来について悩む方も多いと思いますが、そこで立ち止まるのではなく、まずは目の前のことに全力で取り組んでみたら次の道が開けるかもしれません。満足するまで考えたり悩んだりしながら、将来の道を選択していってください。

大澤:もし少しでも進路に迷っていたら、何を学びたいのかわからず「もやもや」を抱いていたら、ぜひICUを検討してみてください。きっと4年間の大学生活を通して、心惹かれることに出会い、探究できるようになると思います。

――みなさん、ありがとうございました!

おわりに

3人のお話の中で、「リベラルアーツ」という言葉がでてきました。
リベラルアーツとは、日本語で一般教養と訳されますが、そうではありません。リベラルアーツは偏見や先入観から解き放たれ、自分の頭で自由に考えるための学びです。多くの大学では、大学が提供するカリキュラムで学んでいくのに対し、リベラルアーツでは学生自身が自律的に自分のカリキュラムを創ります。
1つの授業の中でも様々な専攻、人種、価値観、経歴の人たちが混ざり合って授業を受けており、時間をかけて多様な視点を身につけながら、興味を掘り下げることができるのも大きな特長です。
そんな国際基督教大学では、11月30日(土)にミニ・オープンキャンパス ~リベラルアーツで学ぶサイエンス~ を開催予定です。
実際に学んでいる先輩たちと出会える貴重な機会です。リベラルアーツを体験したいと思う方は、ぜひ参加してみてはいかがでしょうか!

この記事を書いた人
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