はじめに
Studyplus編集部では、先日、創造的思考力を計る問いに対する答えを募集していました。
「AIを活用することで、人生はどう変わる?」
回答してくれたStudyplusユーザーのみなさん、ありがとうございました!
さて、どのような回答が集まったのでしょうか?
問い.AIを活用することで、人生はどう変わる?
今回、2026年4月に「AIライフデザイン学部(仮称・設置構想中)」の開設が予定されている和洋女子大学の鬘谷 要(かつらや かなめ)先生に、優秀回答の選定・コメントをいただきました。
一部回答と、鬘谷先生からのコメントをご紹介
回答:「自分が話せない言語でもたくさんの外国人の方と交流でき、世界平和につながると思う」
鬘谷先生コメント:誰でもAIで多言語を操るという発想までは珍しくありませんし、既にかなり、実現できています。文学的な表現などはまだまだ発展途上かも知れませんが、論理的な文章である自然科学の学術論文などは十分、実用段階です。
しかし、この解答を下さったあなたは機械翻訳を世界平和に繋げたところが光りますね。是非、もう一歩踏み込んで、具体的にどうやってAIを使えば本当に世界平和に繋がるのか、その方法をデザインしてみて、機械翻訳を使って世界に提案して下さい。
回答:「災害を事前に把握し、被害を最小限に抑えることができる。」
鬘谷先生コメント:是非そうなって欲しいと思います。台風は既にAIの力を借りる事で、かなり正確な予報ができるようになりましたが、地震はまだまだこれからですね。今年の8月に出された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」は勇気ある一石でしたが、いくつもの課題も提示しました。極めて難しい地震予知にはAIが大きな役割を果たすと考えられ、高性能なセンサーの開発や人工衛星からの観測などと共に地震予知の切り札になると思います。これから先、30年の間に巨大地震が70%の確率で起こると言われても、私たちはどうしていいか分かりませんが、あと1時間で巨大地震が来ると分かればその恩恵は大きいですよね。
回答:「勉強をする必要がなくなり働く必要もなくなり、惰性で生きていく時代がくる」
鬘谷先生コメント:たしかにそうですね、以前からの未来予測でも言われてきたことですが、昨今のAIの進化でにわかに現実味を帯びてきました。実際、そうなる気配もありますが、それで人として幸せと言えるのでしょうか? また、今後AIが世界の格差を拡大させると予測されており、変遷の過程では大きな犠牲を伴う可能性もあります。AIを実社会に適応していく時、目先の快適性と経済重視の活動がもたらす技術の進歩が作る未来は非常に危険だと思います。
それを止めることができるのは人? それともAIなのかも知れませんね。
回答:「人の手だけでは治せない病気が治せるようになる」
鬘谷先生コメント:これは早くから人類がAIに求めてきた究極の目標の一つです。AIの歴史の中では病気の診断はかなり以前から始まっています。膨大な診断データや論文の学習から、分野によっては人よりも正確に病気の診断が可能になってきています。では人間の医師はAIに職を奪われるでしょうか?
皆さんは具合の悪いときに生身のお医者さんと、AIのロボットドクターのどちらに診てもらいたいですか? 今の私は生身のお医者さんを選びますが、将来は違うかも知れません。
一方、AIのお陰で健康寿命が延びるのは歓迎ですが、高齢化を加速するかもしれませんね。
回答:「スポーツや芸術の価値が上がる」
鬘谷先生コメント:スポーツと芸術はたしかに人間らしい活動ですが、AIが絵や小説を書いたり、作曲まで行う時代になりました。それらは侮れない完成度で、素人はもはや歯が立たないレベルまで来ております。
一方スポーツは、今のところ全くAIに脅かされる気配がありません。なぜでしょうか? それは芸術は肉体から分離されたところに形成される作品であり、その作品は既に現在のAIにでも作出可能ですが、肉体そのもので勝負するスポーツはそれができません。しかし将来、人を凌駕するサイボーグだけによる、野球、サッカー、バスケットなどが実現する日が来るかも知れませんね。
AIとこれからの社会について
鬘谷先生は下記のように語っています。
「AIが急速に皆さんの日常に入ってきました。皆さんが意識していなくてもAIのお世話になり、AIの恩恵を受けています。一方で、AIは極めて高度な要求に応えられるため、プライバシーや倫理感など危惧される面も少なくありません。これからの時代、AIの仕組みや使い方を全く知らないことは、非常に残念で、場合によっては危険でさえあると言えます。AIのことを「正しく知って、正しく使いこなす」ことが何より大切で、これからの時代に求められる最も重要なスキルです。将来に向け、具体的な専門分野に明確な目的意識を持っている方は、是非、AIを味方に付けてその道を極限まで究めて下さい。
まだ、どの分野で勝負をするか決まっていない方は、どのような分野でもAIを使うことで社会に貢献できることを学び、自由な発想でAIと共に社会に巣立って行って欲しいと思います。
和洋女子大学のAIライフデザイン学部では、AIを多彩にスマートに使うことで社会に貢献できる人材を育てます」
さいごに
AIと人生の変化について考えてみて、いかがでしたでしょうか?
和洋女子大学が2026年4月に開設を予定している「AIライフデザイン学部(仮称・設置構想中)」では、既存の4学部9学科が有する専門知識を活用しながら、AIに関する幅広い学びと融合させます。社会の「あらゆる分野のあらゆる業種」でAIを駆使して「様々な課題を解決していくための提案ができる」、学生たちのスキルを養っていきます。
11月23日(土祝)にはオープンキャンパスも開催予定! 和洋女子大学のAIライフデザイン学部(仮称・設置構想中)に興味をもった方は、ぜひ下記のリンクから詳細をチェックしてください!