はじめに
『2007年生まれの半数が、107歳より長く生きる』
これは、とある海外の研究での予測です。そして、いまの日本を生きる高校生の未来の話でもあります。平均寿命が延びて100歳まで生きることが当たり前になる「人生100年時代」が現実になった今、
・ヘルスケア(心や体の健康の維持または回復にかかわる分野)
・ヘルステック(Health[健康]とTech[テクノロジー]を組み合わせた造語。ヘルスケアや医療とテクノロジーを融合し、新たな価値を創造するための取り組み)
へのニーズは急激に高まっていて、介護や医療機器の市場規模も右肩上がりの急拡大を見せています。
そんな中で求められているのは、若者から高齢者まで、すべての人が元気に活躍できる場や、安心して豊かに暮らせる社会づくりです。元気で長生きを楽しむために、皆さんはこれからどんなことができるのでしょうか?今回の特集を読んで、そのために必要なことを一緒に考えていきましょう。
人生100年時代を支える日本初の「健康工学部」が誕生!
「100歳まで健康で生きるのって、けっこう大変かも…」
と思った方はいらっしゃいませんか?そんな誰もが持っている不安を解消し、「こころ」も「からだ」も健康で幸福に暮らせる社会を実現することをめざして、2026年4月、奈良県の畿央⼤学に開設が予定されているのが、日本初※となる「健康工学部」です。
(※2024年6⽉1⽇現在、畿央⼤学調べ)
スマートフォンやウェアラブル端末が普及した結果、ヘルスケアや健康管理はより身近に、簡単になりました。より良い新しい商品やサービスを生み出すには、「医療・健康」と「テクノロジー」両方の知識とスキルを持つ必要がありますが、現状はそんな人材が圧倒的に不足しています。例えば、医療現場にいてテクノロジーに詳しい人は少なく、またメーカーに健康ニーズに詳しい人材が揃っているわけでありません。
そこで畿央大学の健康工学部では、「健康」と「工学」を融合した新しい学びを展開して2つの分野をつなぎ、これからの健康や暮らしをアップデートする人材育成をめざしています。
「畿央⼤学の健康工学部」だからできることとは?
健康工学部の一番の強みは、畿央大学がこれまでの20数年間で培ってきた「医療・介護予防、建築・まちづくり・デザイン分野」での知識やノウハウがすでにあること。「建築・まちづくり」「室内環境」「衣環境」「ヘルステック」「ウェルネスデザイン」「ビジネス」など、幅広い分野にわたるカリキュラムに、AI・データサイエンス・AR/VRといった先端テクノロジーを統合することで、心身の健康を支えるアメニティ・オブ・ライフ(Amenity of Life)の実現に力を発揮できる人材の育成をめざします。
そのために、地域・企業・行政と連携しながら学びを深められる「建築デザイン学科(仮称)」「健康イノベーション学科(仮称)」の2学科を設置します。
健康工学部の2学科、その学びの特長とは?
「建築デザイン学科(仮称)」がテーマにしているのは誰にでもやさしく、使いやすいものづくりの基本となる「ユニバーサルデザイン」です。「建築・まちづくり」「インテリアデザイン」「アパレル・造形」の3分野を学びの中心に、健康で豊かな暮らしを支える住環境をデザインしていきます。これまで人間環境デザイン学科として培ってきた20数年の学びと実績が、さらにパワーアップします。
一方、「健康イノベーション学科(仮称)」は、「健康×データサイエンス・テクノロジー×ビジネス」の3分野を横断的に学べる学科です。あらゆる世代の人が「こころ」も「からだ」も健康に暮らすために、人々のニーズをくみ取ること、そのニーズにこたえるためのテクノロジーを生み出すこと、新テクノロジーを社会に広めていくことを学びのテーマにしています。1学部35人という少人数教育で、医療・健康とテクノロジー両分野に精通した人材を育成していきます。
さらに、新たな学びを加速するために、キャンパス内に新校舎を建設予定。企業、行政、地域の枠をこえて課題解決に取り組み、産官学連携による商品のサービス化、社会実装や起業も視野に入れた実践的な学びを展開する新たな学びの場が誕生します。企業誘致や海外インターンシップ、PBL(課題解決型学習)などを通して、新時代で必要な人材育成に取り組んでいきます。
おわりに
今回は、新学部の設置により、さらに勢いを増す畿央大学について紹介してきました。皆さんも「人生100年時代」を迎えるこれからの未来で、すべての人が「こころ」も「からだ」も健康で幸福に暮らす環境を創るために、進学先の候補に畿央大学を加えてみてはいかがでしょうか?
また、健康科学部に関する最新情報に関しては、2025年3月30日(日)、4月20日(日)に開催される畿央大学のオープンキャンパスで詳しく知ることができます。日本初の新学部の学びに興味がある方は、ぜひ参加してみてください!