人にやさしい“デザイン”はどう生まれる? 感性と科学で考えるモノづくり

はじめに

スマートフォンの操作画面、イスの座り心地、駅の案内板の見やすさ。私たちの身のまわりには、「使いやすさ」や「わかりやすさ」を追求して設計されたモノがあふれています。
でも、それらは感覚だけで作られているわけではありません。実は、「人にとってどう感じるか」という感性を、科学的に分析しながら考えられているのです。
今回は、人の感性を数値でとらえて「使いやすく、社会に役立つデザイン」を生み出す“感性工学”という学びについて紹介します。

なぜ「使いやすい」と感じるのか?

スマートフォンや家電、文房具、公共施設の案内板など、日常のあらゆる場面で私たちは“デザインされたモノ”に囲まれています。
それらはすべて、「どうすれば人にとって使いやすく、快適で、わかりやすいか」を考えて設計されています。例えば、「持ちやすい形」「見つけやすい色」「わかりやすいレイアウト」など。
つまり、デザインとは単なる見た目ではなく、「人にとってどんなふうに感じられるか」を考えた“思いやり”のカタチなのです。

「使いやすさ」は社会で求められるチカラ

どんなに高機能な製品でも、「使いにくい」「わかりにくい」と感じられてしまっては、社会で受け入れられません。
実際のビジネスの現場では、「見た目」以上に「使いやすさ」「伝わりやすさ」が重視され、あらゆる業界で感性の分析やデータの活用が進んでいます。

◎自動車業界:誰もが運転しやすい操作性や、分かりやすいインターフェースを科学的に設計。

◎ファッション業界:素材の肌触りや動きやすさなど、日常での快適さを重視したデザイン開発。

◎広告・マーケティング業界:見る人にとって「理解しやすい」「気づきやすい」表現を、視線の動きなどからデータで分析。

“人の感覚に寄り添う力”は、今や社会にとって欠かせない価値なのです。

人の感性を科学で分析する「感性工学」とは?

人が「使いやすい」「心地よい」「わかりやすい」と感じる理由を科学的に紐解き、それを製品やサービスへ落とし込む。それが「感性工学」です。
たとえば、「手にフィットするペンの形は?」「どの配色が視認性に優れている?」といった問いに対し、感性工学では数学やデータを使って最適な答えを導き出します。

主な分析手法の例:

  • 黄金比(1:1.618):見やすく整ったバランスを生み出す比率として、レイアウトやインターフェースに応用。
  • フィボナッチ数列:自然界にも多く見られる構造で、安定感やリズム感をもたらす設計に活用。
  • AIによる感性分析:人の視線や行動パターンをもとに、「使いやすい設計」をデータで最適化。

「人にとってちょうどよい」を科学の力で導き出す、それが感性工学の醍醐味です。

愛知淑徳大学 感性工学専攻の特長

「人にやさしい、使いやすいモノづくり」をテーマに、感性・数学・データサイエンスを融合させた教育が行われているのが、愛知淑徳大学人間情報学科の感性工学専攻です。感性を重視し、利便性の追求だけでなく、人に寄り添ったIT系のモノづくりについて学べる感性工学専攻の、大きな特長は次の通りです。

◎人の感性を数値化するための論理的手法や科学的手法を身に付ける。

◎人の心を動かすデザインや、ユーザに配慮されただれもが使いやすいデザインの企画・制作能力を修得する。

◎革新的な成長が続くAI・情報システム領域において、自らが開発者になったり、柔軟に活用したりできるスキルを鍛える。

社会の中で実際に使われる「モノ・サービス」に活かせる力を、実践を通して身につけていけるのが大きな魅力です。

おわりに

愛知淑徳大学の感性工学専攻では、「人の感じ方」に寄り添いながら、社会の中で役立つデザインや製品を生み出していく力を磨きます。また、数学やデータサイエンスの力を活かし、「人にとって本当に心地よい、使いやすい形」を追求していきます。
「人の役に立つモノをつくりたい」
「感覚や気づきを科学で深めたい」
「誰かの暮らしをもっと快適にしたい」
そんな思いをもっているあなたにとって、感性工学専攻はきっと新しい世界への入り口になるはずです。

この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
    スマホアプリで
    学習管理をもっと便利に