はじめに
皆さんが熱中できる“好き”なことはなんですか?
自分では、ただ単に楽しいからそうしているだけなのに、実はいつの間にか将来に繋がる才能が育っていることがあるんです!
例えば、動画を撮影してSNSにアップするのが好き、ゲームが好き、歴史が好き、プラモデルが好き、DIYが好き……。一見すると趣味で終わってしまいそうなことが理系で活かせる学びになり、その技術を大学でさらに深めていくことで、実践的な力へと成長していくことは少なくありません。
今回の特集では、高校時代までは文系だったものの、趣味を通じて培った経験を活かして、理系の大学で自分だけの未来を見つけたという大学生にお話をうかがいました。
自分の趣味が理系に挑戦するきっかけになった
今回、インタビューにご協力くださったのは、ものつくり大学の建設学科で学んでいる木口志乃(キグチシノ)さんです。もともと文系だった木口さんが、どうして理系の大学へと進学するようになったのか、お話を聞いてみましょう。
私は高校時代、心理学を学びたかったため、文理選択では文系を選びました。しかし、大学の選択をする頃、先生から「就職のことも視野に入れて考えた方がいいよ」とアドバイスをもらったことから、改めて将来について考えてみると、心理学を使う分野の仕事は自分に向いていないと気づきました。
そこで、もともと興味のあった建築について学べる大学に行こうと考えましたが、決断するにあたっては、自分の趣味が後押ししてくれたと思います。私は子どもの頃からゲームが好きで、特に家の内装をコーディネートするゲームがお気に入りでした。そこから、現実でもそうしたことができる建築の知識を身につけたいと思ったのが、挑戦を決めた理由のひとつです。また、中学の修学旅行で薬師寺の五重塔を見て以来、歴史的建造物に興味をもつようになり、そこから歴史が好きになりました。こうした興味も、理系分野である建築を選ぶきっかけになったと思います。
――大学ではどんなことを学んでいますか?
今、最も重点的に学んでいるのは設計です。特に印象に残っている授業は、有名な建築物をもとに考えた建物を、大学の敷地内に実際に建てることを想定して設計図を書き、模型をつくり、プレゼンテーションの資料まで作成した『建築応用設計および実習Ⅱ』です。最初は建てたい建築物を考えることからはじめるのですが、私はそれまで海外の有名建築をあまり知らなかったので、それを詳しく知るきっかけになりました。自分で調べ、手を動かしながら学んでいくことで、それがなぜ世界的に評価されているのかしっかり理解することができました。
――理系の学びで苦労することはありますか? また、文系の学びが役立つことはありますか?
建築には数学の知識が必要ですが、最近ではデジタル化が進み、設計をサポートしてくれるアプリなども充実しているため、文系出身の私でも十分対応することができています。逆に設計のプレゼンなどを行うときには、そのコンセプトを言語化することが欠かせないため、文系の学びが役立っています。また、私は歴史的な建造物の外観や内装といった構造だけでなく、建てられた経緯なども調べるのが好きでしたが、そうした知識は設計のアイデアを考えるとき、とても参考になっています。
基礎から段階的に学べるから、着実にステップアップできる
建築が学べる大学に進もうと決断したものの、高校時代に積み上げた理系の知識がない状態では、たとえ入学できてもまわりに確実に後れを取ってしまうと考えていました。そんな不安を抱えながら大学を探していると、偶然見つけたのがものつくり大学です。そのカリキュラムを調べてみると、実践的な授業が非常に多いことがわかり、ここでなら自分の将来に役立つ力を身につけられると考え、進学を決めました。実際に入学してみると、体を動かしながら建築について学べる実習が本当に豊富であることはもちろん、基礎から実践へ段階的に学べることから、プラモデルを作ることすら苦手だった私でも着実にスキルを身につけることができています。
――大学で学ぶなかで、どんな将来を見つけることができましたか?
文系からの入学だったこともあり、当初は将来への不安から進路を定められませんでしたが、ものつくり大学で建築について幅広く学ぶなかで、自分が楽しいと感じられることが明確になっていきました。今は、インターンをきっかけに、建物の安全性を確保するのに欠かせない構造設計を仕事にしたいと考えています。そのために一級建築士や、CADソフトを使って設計図や図面を作成するCAD技術者の資格、さらに建築の入札に関わる仕事に携わることも想定し、簿記の資格取得もめざしています。
――理系分野に少し苦手意識がある高校生に向けて、応援メッセージをお願いします!
ものつくり大学には実践的な授業が多いので、理系に苦手意識をもっている人でも感覚的な面から理解を深められます。そして、座学で学んだことを、実際に自分の作品として表現することで成長を実感でき、学ぶ楽しさを知ることができると思うので、きっと充実した学生生活が送れるはずです!
実践しながら学べるから、勉強を楽しみながらスキルが身につく!
理系と聞くと「難しい座学ばかり…」と思うかもしれませんが、ものつくり大学は違います。なぜなら、授業の6割以上が実習や実験といった実践的な学びで構成されているからです。実際に手を動かしながら学べる環境のもと、たとえ苦手な分野があっても楽しみながらスキルを身につけることができます。
今回、お話をうかがった木口さんのように、自分の“好き”を形にするなら、ものつくり大学で実践的に学んでみてはいかがでしょうか?
大学についてもっと詳しく知りたい方は、まずはオープンキャンパスへの参加をおすすめします。2025年度の開催スケジュールは5/11(日)、5/25(日)、6/8(日)、6/22(日)、7/17(木)、7/20(日)、8/10(日)、8/24(日)、8/31(日)、9/28(日)、10/5(日)、12/6(土)。キャンパスツアー、在学生とのフリートーク、体験模擬授業、なんでも相談など、毎回、さまざまなプログラムが用意されていますので、ぜひ下記のウェブサイトをチェックしてみてください。