はじめに
皆さんの中には理系の学部学科への進学を考えている人もいると思いますが、どんな理由からその進路を選ぼうとしていますか?
“なんとなく理系”という人もいれば、理系といえば理学部、工学部、また最近人気の情報学部という人、あるいは理系に進んだ後の進路に悩んでいる人もいるかもしれません。もし、いろいろな理由から進路をしぼり込めないのであれば、「教育学部」という選択肢も検討してみてはいかがでしょうか?
今回は、理系の進路選びのポイントや教育学部の魅力を紹介するため、現在、教育学部で数学と理科を両方学んでいるふたりの学生に対談してもらいました。
誰かに教える喜びが、教員をめざすきっかけに
今回、皇學館大学 教育学部教育学科の上野祐一准教授のもと、対談にご協力いただいたのは、「数理教育コース(中高教員)」で学んでいる安藤優衣さんと平田凜太郎さんです。おふたりは、なぜ今の進路を選んだのか? そして、小中高の教職免許をトリプル取得、あるいは数学と理科の教職免許をW免許取得(この場合、中学校・高等学校のみで小学校の免許は取得不可)できるという、「数理教育コース(中高教員)」の魅力について語っていただきました。
――高校生の頃、進路選択で迷うことはありましたか?
安藤さん:私は高校に入った頃は、「医療系」「教育」「工学」の、どれを選ぶかで迷っていました。教育学部を選ぶようになったのは、理系科目が得意だったこともあって、友だちによく教えていましたが、そのとき「わかりやすい」といってもらえたのがとてもうれしかったのがきっかけです。
平田さん:私は数学が得意で、高校時代には安藤さんと同じように友だちから質問されることが多かったのですが、実際に教えてみると、私も「わかりやすい」といわれるのがすごくうれしくて、教育学部への進学を決めました。
ちなみに私は、答えにたどり着くまでの方法がとても自由なところが数学の好きなところですが、安藤さんが思う理科の魅力は?
安藤さん:理科は、学んだことが身のまわりにあふれているところですね。たとえば物理でいうと、電車に乗っているときに感じる慣性力とか、化学でいえば窓ガラスの結露とか、そうした現象を数式で説明できるところです。
安藤さん:私は高校に入った頃は、「医療系」「教育」「工学」の、どれを選ぶかで迷っていました。教育学部を選ぶようになったのは、理系科目が得意だったこともあって、友だちによく教えていましたが、そのとき「わかりやすい」といってもらえたのがとてもうれしかったのがきっかけです。
平田さん:私は数学が得意で、高校時代には安藤さんと同じように友だちから質問されることが多かったのですが、実際に教えてみると、私も「わかりやすい」といわれるのがすごくうれしくて、教育学部への進学を決めました。
ちなみに私は、答えにたどり着くまでの方法がとても自由なところが数学の好きなところですが、安藤さんが思う理科の魅力は?
安藤さん:理科は、学んだことが身のまわりにあふれているところですね。たとえば物理でいうと、電車に乗っているときに感じる慣性力とか、化学でいえば窓ガラスの結露とか、そうした現象を数式で説明できるところです。
【上野先生からのコメント】
教員をめざそうと考えるきっかけは人それぞれです。国語や社会などに比べ、数学や理科は問題を解くことに重きを置かれることから、わからない人にその解き方を説明できたという喜びをより多く感じられます。安藤さんや平田さんのような体験をきっかけに教育学部をめざそうと考える人は、意外と多いと思います。
教員をめざそうと考えるきっかけは人それぞれです。国語や社会などに比べ、数学や理科は問題を解くことに重きを置かれることから、わからない人にその解き方を説明できたという喜びをより多く感じられます。安藤さんや平田さんのような体験をきっかけに教育学部をめざそうと考える人は、意外と多いと思います。
多様な未来を選択できる皇學館大学の数理教育コース
――大学の授業と高校までの授業で、どんな部分に違いを感じていますか?
平田さん:学生の主体性がより重視されている部分です。
安藤さん:確かに、大学では自分から発言しないといけない場面が多くなりました。ただ、高校時代よりも意見をいいやすい雰囲気がありますよね。だから、自然とまわりの人たちと話す機会が多くなった気がします。
平田さん:授業内容も多彩です。たとえば数理教育コースでは、数学だけで4種類(解析、幾何、代数、教科教育法)。中高レベルの問題を、小学生にも理解できるように伝えるにはどうすればいいのか考えていくような授業もあり、とても興味深いです。
安藤さん:数理教育コースには、数学と理科の両方学べる環境が整っているので、両方とも好きな自分にとってはありがたいです。
平田さん:私も数学と理科、どちらも学べるのはとてもうれしいですが、小学校の教員になることにも興味があるので、「数学」で小中高の教職免許のトリプル取得をめざしたいです。
安藤さん:特に数学と理科は中学校で苦手になってしまうと、高校に入る時点で嫌いになってしまう人もいると思います。そういう人を少しでも減らして、理系科目を好きな人を増やしたいと思うので、私は「数学」と「理科」両方で中高の教員免許のダブル取得をめざそうと思っています。
平田さん:学生の主体性がより重視されている部分です。
安藤さん:確かに、大学では自分から発言しないといけない場面が多くなりました。ただ、高校時代よりも意見をいいやすい雰囲気がありますよね。だから、自然とまわりの人たちと話す機会が多くなった気がします。
平田さん:授業内容も多彩です。たとえば数理教育コースでは、数学だけで4種類(解析、幾何、代数、教科教育法)。中高レベルの問題を、小学生にも理解できるように伝えるにはどうすればいいのか考えていくような授業もあり、とても興味深いです。
安藤さん:数理教育コースには、数学と理科の両方学べる環境が整っているので、両方とも好きな自分にとってはありがたいです。
平田さん:私も数学と理科、どちらも学べるのはとてもうれしいですが、小学校の教員になることにも興味があるので、「数学」で小中高の教職免許のトリプル取得をめざしたいです。
安藤さん:特に数学と理科は中学校で苦手になってしまうと、高校に入る時点で嫌いになってしまう人もいると思います。そういう人を少しでも減らして、理系科目を好きな人を増やしたいと思うので、私は「数学」と「理科」両方で中高の教員免許のダブル取得をめざそうと思っています。
【上野先生からのコメント】
「新学習指導要領」にも、数学的な見方・考え方や理科的な見方・考え方を組み合わせた教科横断的な学びの必要性が記されているように、その両方学んでいくことは、今後、ますます大切になっていきます。数理教育コースで教員をめざす学生たちが、こうした環境で学んでいくことは、将来に向けて大きな強みになるはずです。
「新学習指導要領」にも、数学的な見方・考え方や理科的な見方・考え方を組み合わせた教科横断的な学びの必要性が記されているように、その両方学んでいくことは、今後、ますます大切になっていきます。数理教育コースで教員をめざす学生たちが、こうした環境で学んでいくことは、将来に向けて大きな強みになるはずです。
進路選びで大事にしたい“なんとなく”な興味
――将来、どんな教員になりたいですか?
平田さん:私は生徒一人ひとりに寄り添える教員です。中学時代の担任の先生が、まさにこういう教員で、自分にとっての理想の教員像です。
安藤さん:最近の子どもたちは、インターネットで何でも簡単に調べられるので、本物への興味が薄くなりがちだと聞いています。私は実験などを通じて自然にふれる機会を増やし、さまざまな現象が数式化できることを教えながら、理系の楽しさを伝えられる教員になりたいです。
――最後に、理系の進路選択で悩んでいる高校生に向けてメッセージをお願いします。
平田さん:まずは自分だけで悩みを抱え込まず、まわりの人と話してみてください。そして、日常生活のいろいろなところに目を向けてみてください。そうすると自分がどんなことをやりたいのかが自然と見えてくると思いますよ。
安藤さん:私も進路選択をするときには、日常生活の「楽しい」や「おもしろい」が大切だと思います。たとえば、私や平田さんのように、なんとなく理系が好きだったり、友だちに勉強を教えたりすることが楽しいといったことで構いません。その気持ちを軸に、興味のあることややりたい分野を考えていけば、きっと自分に合った進路が見つかるはずです。
平田さん:私は生徒一人ひとりに寄り添える教員です。中学時代の担任の先生が、まさにこういう教員で、自分にとっての理想の教員像です。
安藤さん:最近の子どもたちは、インターネットで何でも簡単に調べられるので、本物への興味が薄くなりがちだと聞いています。私は実験などを通じて自然にふれる機会を増やし、さまざまな現象が数式化できることを教えながら、理系の楽しさを伝えられる教員になりたいです。
――最後に、理系の進路選択で悩んでいる高校生に向けてメッセージをお願いします。
平田さん:まずは自分だけで悩みを抱え込まず、まわりの人と話してみてください。そして、日常生活のいろいろなところに目を向けてみてください。そうすると自分がどんなことをやりたいのかが自然と見えてくると思いますよ。
安藤さん:私も進路選択をするときには、日常生活の「楽しい」や「おもしろい」が大切だと思います。たとえば、私や平田さんのように、なんとなく理系が好きだったり、友だちに勉強を教えたりすることが楽しいといったことで構いません。その気持ちを軸に、興味のあることややりたい分野を考えていけば、きっと自分に合った進路が見つかるはずです。
【上野先生からのコメント】
進路選択をするときに、自分の得意や長所だけでなく、苦手なことに目を向けることも大切です。たとえば教員のように、人に教える立場になったとき、苦手だったことや上手くいかなかった経験があるからこそ見えてくる視点がありますし、その先生の一言で救われる生徒もいるのではないでしょうか。特に教育学部は文系理系を問わず受験できる学部ですし、これからの時代は文系理系というくくりそのものがなくなるかもしれません。教育で大切なのは、誰かの役に立ちたいという熱意だと思います。理系教科が好きな人はもちろん、好きだけど得意ではなかったという経験をしているからこそ苦手な人の気持ちがわかります。そのような人たちにも、ぜひチャレンジしてほしいです。
進路選択をするときに、自分の得意や長所だけでなく、苦手なことに目を向けることも大切です。たとえば教員のように、人に教える立場になったとき、苦手だったことや上手くいかなかった経験があるからこそ見えてくる視点がありますし、その先生の一言で救われる生徒もいるのではないでしょうか。特に教育学部は文系理系を問わず受験できる学部ですし、これからの時代は文系理系というくくりそのものがなくなるかもしれません。教育で大切なのは、誰かの役に立ちたいという熱意だと思います。理系教科が好きな人はもちろん、好きだけど得意ではなかったという経験をしているからこそ苦手な人の気持ちがわかります。そのような人たちにも、ぜひチャレンジしてほしいです。
おわりに
皇學館大学教育学部教育学科の「数理教育コース」で学ぶ先輩たちや先生のお話はいかがでしたでしょうか?
今回の内容をきっかけに、理系の教員という進路や皇學館大学での学びに興味をもった方は、ぜひオープンキャンパスに参加してみてください。2025年度の開催日は6/8(日)・7/13(日)・8/9(土)・8/10(日)・10/19(日)。より詳しい情報に関しては下記のサイトに掲載されていますので、チェックしてみてください。