緑豊かな都心の大学に工場? 実験部品、装置を自ら作る独自研究!

はじめに

みなさん、物理や化学の実験は好きですか?
自分で手を動かしたり、実験結果について友達と一緒に考えてみたりする、中学・高校での授業が思い浮かぶのではないでしょうか。
しかし中学や高校の授業で行う実験は、すでにわかっていることを確かめるものばかり。一方で、大学では、誰もわからない未知の領域を探究するような実験が日常的に行われています。
そんな未知の領域を探究するために、実験に必要な装置さえ自分で作ってしまう大学があります。市販の道具で完結せず、世界にひとつのオリジナルな装置を自ら作るからこそ、自分だけの研究を進めることができるのです。

75年以上に渡り運営される唯一無二の「工作工場」

学習院大学では、学生が自分の研究に合わせて一から実験装置を設計・製作できる「工作工場」を、75年以上に渡り開設しています。全国でもこのような施設・設備を備えている大学は珍しく、研究や教育に必要なオリジナル部品・実験装置を製作できる稀有な施設となっています。
通常、実験に必要な部品や装置は購入することがほとんどですが、物理学や化学などの研究では、市販品だけでは対応できない特殊な装置が必要となることも。そこで工作工場では製図の段階から専門職員と直接相談し、自ら考えながら「世界に一つしかない自分の実験装置」を作り上げられるのが、大きな特徴です。

試行錯誤をしながら、物事を最後までやり遂げる力が身についた

ここではどんな学生が学んでいるのでしょうか。実習をしている先輩に話を聞きました!

◾️ 物理学科4年生 髙野さん

――現在の研究分野に興味を持ったきっかけを教えてください。
1年次の基礎科学実験をきっかけに、新しい知識を得る面白さに気づきました。そこで物理に限らず幅広く横断的な分野を学びたいと思い、現在の生物物理学の研究室を選びました。

――工作工場で作ったオリジナルの実験装置やパーツについて教えてください。
2年次の前期にピンセットを、また夏休みにジャッキを作りました。自ら作ることで市販品とは違う使い勝手の良いものができましたし、ただの板材から工夫して製作を行うことで、世界にひとつの愛着ある道具が手に入りました。

――自分の手で器具を作ることで、成長したと感じる点はありますか。
最初はなかなかうまくいかなかったのですが、職員の方やTA(ティーチング・アシスタント)の先輩の力を借りて丁寧に材料と向き合うことでうまく製作を進められました。一から材料と向き合った分、完成時の達成感は大きく、物事を最後までやり遂げる力が身についたと思います。

「まだ分かっていないこと」を探究するのが研究の魅力

◾️ 物理学科4年生 篠原さん

――学習院大学を志望した理由を教えてください。
100年前から知られている物理現象でも、条件によっては既存の理論だけでは十分に説明できない場合があります。既知の分野にも新しい発見があることに魅力を感じ、理論を学ぶとともに手を動かせる学習院大学で学びたいと思いました。

――工作工場で作った、オリジナルの実験装置やパーツについて教えてください。
ヒーターの熱を試料と温度計に伝える銅板を作りました。研究で使用する実験装置は、世界に一台しかないような装置であることも少なくありません。必要な機能や形状・コスト・数を総合的に考えると、自分で設計・製作するのが一番効率的だと考えています。

――研究活動の魅力を教えてください。
授業では先人が築いた知識を学びますが、研究ではその知識を使って未知の問題に向き合います。教科書の内容を理解するだけでなく、その先にある「まだ分かっていないこと」を自分で探究できるのが魅力です。私自身、一から装置を作る経験を通して、知識を学ぶだけでなく、それを実際に形にする面白さを実感しています。

自ら手を動かして身につけた知識は、その後の成長の糧になる

また理学部長の平野琢也先生にも話を伺いました!

――高校の理科実験と大学の実験の違いについて教えてください。
高校までの実験は基本的に教育のためであり、何か新しいことを見つけるためではありません。対照的に大学の実験や研究は、誰もやっていないことをやり、新しい事象を発見するために行います。少しずつ実験に慣れていくために、1〜3年の間は実験の基礎力を身につけ、4年生では研究室で自分の研究分野を見つけていきます。

――自ら手を動かすことは、深い理解や学びにもつながっていきますか。
最初は指示通りに図面を描くところから始まりますが、実製作の段階になると「なぜこの穴はこういう仕様で開けるのか」といった質問を工作工場のスタッフが投げかけることがあります。このような問答を続けることで、設計のベースにある考えや製作している部品の役割を深く理解していきます。このような経験を経て身につけた知識は、将来の実験や思考力に活かされていくものと思います。

――最後に、高校生にメッセージをお願いします。
大学での学びは、既知の知識を活かしながら、新しいことに挑戦するのが大きな特徴です。研究はもちろん、手を動かして考えて、興味ある新しい分野を探究するのはとても面白いこと。ぜひそんな学びを楽しみに、今の勉強を頑張ってほしいと思います。

おわりに

今回は、学習院大学 理学部の工作工場、そしてそこでの学びについてご紹介してきました。
学習院大学 理学部は日本の物理学界でも最も価値ある賞と言われている仁科記念賞を4名の先生が受賞しており、私立大学では異例の快挙を成し遂げています。また権威ある科学誌『Nature』では、高品質な科学論文を出版した割合について2012-2017年の6年間において、日本の学術機関の中で1位、日本の企業も含めた全機関の順位でも2位となりました。(2018年3月22日号特別企画冊子『Nature Index 2018 Japan』より)
恵まれた設備を持ち、学生の学びを全力でサポートしてくれる学習院大学で、未知の世界を切り拓く科学者への第一歩を踏み出してみませんか。
そんな学習院大学では、オープンキャンパスを7月31日(金)と8月1日(土)に開催します! 先輩や先生と話ができる貴重な機会ですので、今回ご紹介した工作工場の雰囲気や、理学部のリアルな空気感を、ぜひ体感しにきてください。
この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
    スマホアプリで
    学習管理をもっと便利に
    App Storeでダウンロード
    Google Playで手に入れよう