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はじめに
成績を伸ばしたいけど伸び悩んでいる…。勉強に集中できないけど、なかなか集中できない…。これらはすべて「脳」が関係しています。あなたは「脳」についてどのくらいご存知ですか? おそらく、知らない人がほとんどだと思います。彼を知り己を知れば百戦あやうからず。勉強をすることも大切ですが、自分の脳についても知っておきましょう。
集中力は長く続かない
まず、脳の前提条件として知ってほしいのは、「集中力は長くはもたない」ということです。
どんなに集中力の高い人でも、長時間集中し続けることはできません。
鍛えた人だと集中力は120分続くといわれていますが、普通の人だと30分ぐらいと考えたほうがよいでしょう。
では、集中力が持続するのが30分だった場合、3時間勉強するにはどうすればいいのでしょうか?
30分だけ集中して、あとは惰性でだらだらと勉強する……なんてことをしても意味はありません。
ここで使えるテクニックは、「短時間の集中状態を繰り返す」というものです。
集中力が切れる前に、あえて勉強をやめて「もう少し続けたかったのに」という感覚を自分に味わわせます。
これを“じらし効果”と呼びます。自分の中に「もう少し続けたい」という気持ちを作って、勉強に集中できるようにするのです。
スケジュールの組み方としては、3時間の勉強時間なら、その中で、15分勉強して数分休憩、15分勉強して数分休憩を繰り返すようにしましょう。
疲れがたまりにくいというメリットもあるので、毎日勉強する上でも有効なテクニックです。
イメージでモチベーションを持続させる
効率よく勉強するには、高いモチベーションを持つことが重要です。
たとえば、広場の中央に置かれた重い石を端まで運ぶという作業を想像してください。
作業の目的を教えられずにやるケースAと、「この石が邪魔で困っている人がいるからどかしてほしい」といわれたケースBがあったとします。
理由がわからないまま作業をするケースAより、作業の目的を把握したケースBのほうが、モチベーションが上がるのではないでしょうか。
つまり、「この作業をやれば、これが実現できる」などと思うことが、モチベーションにつながるのです。
そのために潜在意識を活用するのが、ここで紹介するテクニックです。潜在意識に目標を刷り込むのです。
まずは自分の目標を紙に書いて、目につきやすいところに貼りましょう。
その紙を目にした際には、その目標を映像でイメージします。
つまり、「◯◯大学に合格」であれば、その大学の入学式に参加している自分の姿などをイメージするのです。
言葉よりも映像や画などのビジュアルの情報のほうが脳には強くインプットされるので、目標をビジュアルでイメージしましょう。
これを繰り返すことで、モチベーションの高い状態が保てます。
究極の集中状態フローに入る
スポーツ漫画などで主人公が究極の集中状態に入った描写を見たことはありませんか?
周囲の雑音が消えて感覚が研ぎ澄まされて、活動に没頭した状態。
これを「フロー」や「ゾーン」などと呼びます。この状態に自由に入ることができれば、勉強でもよい結果が得られるはずです。
アメリカの医学博士ハーバート・ベンソンによると、「苦闘」と「解放」というふたつの段階を経ることでフローに入れるそうです。
「苦闘」はプレッシャーがかかった適度な緊張状態で、「解放」は「苦闘」から解き放たれたリラックス状態。これらの次にフローがあります。
「苦闘」を自分に与える方法としては、自分に起こりそうな状況をイメージするというものがあります。
試験会場で起こる成功と失敗の場面を両方イメージして、自分にプレッシャーを与えます。
次の「解放」では、勉強から離れて趣味などの楽しいことで心をリラックスさせます。
この「苦闘」と「解放」で意識を切替えることで、集中力を発揮し、いつも以上に勉強に取り組めるのではないでしょうか?