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はじめに
早慶大対策の英語科講師として25年以上のキャリアを誇る勝田先生。令和を迎えた今も大人気の実力講師です。そんな早慶大受験指導のプロとも言える勝田先生に、合格のための極意についてお話を伺ってきました!
勝田耕史先生プロフィール
駿台予備学校英語科講師。高卒クラス早慶コースでは英作文・英文法の授業を担当。また、オンデマンドサテネット講座も担当している。ポイントを押さえた分かりやすい解説で、正解に至るまでのプロセスを教授する授業で駿台生から絶大な支持を得ている。模試の出題・監修も担当しており、駿台文庫より著書も出版している。
早慶合格には“英語”の攻略が重要! 各大学の傾向は?
まず初めに、早稲田大学、慶應義塾大学に合格するために必要なことは何でしょうか?
英語が得意であることは“アドバンテージ”と言っていいでしょう。早慶ともに英語は重視される傾向にあります。特に慶應義塾大学では、どの学部でも英語の配点が他科目と比べて比重が高く、英語で点を稼げないと他の科目での挽回も難しいです。
各大学の最近の傾向はいかがでしょうか?
早稲田大学の英語の特徴は、とにかく「長文」に尽きます。語数が多く、出題数も多く、読解の比重がとても高いです。商学部はビジネス、政治経済学部は政治経済など、各学部の専門分野を意識した内容の長文を入れる傾向もあります。出題形式も学部ごとに多種多様で、法学部では自由英作文も必須になってきます。ただし、政治経済学部と国際教養学部については、2021年度入試から出題形式が変更される予定です。過去のデータはなく、大学の方針に沿ったオリジナルの対策が必要でしょう。
慶應義塾大学はいかがでしょうか?
早稲田大学と比べると、慶應義塾大学は出題傾向が安定していて予測が立てやすい。文学部は2000語前後の長文にさまざまな設問がついている形式。経済学部はここ数年出題形式が変わっておらず、長文3題+和文英訳+自由英作文で構成されています。長文と自由英作文がリンクしているのが特徴ですね。法学部は長文読解と呼べるものは1題のみで、他は長文という形式を取っているだけで、読解ではありません。商学部は細かく色々な形式の問題を出す印象です。学部ごとに全く違うので、それぞれ対策する必要があります。
そもそも早慶大英語の難易度に追いつくために必要なことは何でしょうか?
まず語彙力は絶対に必要でしょう。語彙力がなければ読解力もつきません。そして読解には、英語の意味だけでなく、読み解くための思考力・日本語力が重要になってきます。内容一致の問題が多く、それを素早く判断できる力が必要ですね。与えられた問題を、与えられた時間で解く厳しさがあると思います。
漠然と早慶大をめざすのはNG!まずは早めに具体的な目標を定めよう
早慶大英語の対策をすると言っても、どの学部を受けるのかによって対策が変わってきますね。
そうなんです。まずは目標を決めましょう! どの学部を受験するかによってなすべき対策が変わってきます。まずはどの大学・学部を第一志望とするか、きちんと目標設定をすることが大切です。
いつ頃までに決めた方が良いのでしょうか?
遅くとも6月には志望を決め、夏期から対策をするというのが1つの目安だと思います。
具体的なアドバイスはありますか?
目標を立てたら、まずはその目標に向けて自分の現状を把握して分析しましょう。そして足りない部分を勉強します。合格者最低点などのデータを見て、どれだけのラインに届かないといけないのかを見極め、自分は具体的に何%足りていないのかを把握することが重要になってきますね。
学校だけではカバーできない対策ができる。予備校に通う理由
先生は早慶大英語を長年ご担当されていますが、駿台に通う意味、駿台で得られることは何だと感じますか?
駿台では、英語の各分野をバラバラにしてしっかり対策を行うことができます。授業を「英語構文」「英文和訳」「自由英作文」などに分け、体系的に学ぶことができるようカリキュラムを組んでいます。高校でやり損なってしまったこともやり直せる場所が駿台です。
他に駿台ならではのメリットはありますか?
高校の先生は教えること以外に多くの仕事をしなければいけませんが、予備校講師は教えることだけに専念できます。1人1人の面倒をしっかりと見ることができるのが強みです。
先生が教える際に重要視していることは何ですか?
私は文法と英作文を担当しているのですが、文法ルールなどの知識だけを教えるのではなく、考え方や英語の本質を伝え、単なる知識の詰込ではなく、あらゆる出題傾向に対応できる本物の力を身につけてもらえるよう指導しています。例えば和文英訳であれば、そもそも英語の発想と日本語の発想は全く違うので、“日本語の特徴”も理解しないと問題は解けません。日本語で汲み取っていた内容(日本語の解釈力)を英語のルールに従って書く必要があるので、日本語を知らないといけないんです。よく英語が書けない人にありがちなのは、「彼は親切です」という文章を「He is kindness.」(※正しくは「He is kind.」)と日本語の直訳で英作文してしまうことです。また、日本語は言わなくても分かることは省略するので、聞き手が汲み取らないといけません。英語は発話側に責任があるので、必要な要素全てを明示します。こういった思考の違いを理解するのも重要です。
勉強のやり捨ては絶対NG! 「間違いノート」を作ってミスを繰り返さない勉強の仕方を
伸びる人と伸びない人の違いやアドバイスはありますか?
一番良くないのは、同じミスを繰り返すことです。問題を解いても丸つけをして終わりでは意味がありません。間違ったところを突き詰めることで成績は伸びるんです。なぜ間違ったのか? 何が原因だったのか?間違いノートを作って、自分なりに調べたり質問したりしましょう。こうすることで間違いは減っていきます。同じ間違いを繰り返すのは絶対にNGです。
間違いノートは効果がありそうですね。
また、生徒の質問を聞いていても差を感じます。できる人は質問が具体的です。伸びない人は「英語の勉強法」という漠然とした内容を聞きたがります。自分は何がわかっていないのかを具体的に把握していない証拠ですね。間違いをまとめ、自分の分かっていない部分を把握しましょう。
最終的には“早稲田・慶應にこだわる心”。最後までモチベーション維持するには?
具体的な対策についてお伺いしてきましたが、最後に受験生へメッセージをお願いします。
頑張り続けられるかどうかです。「頑張れば何とかなる」という根拠のない精神論はよくないですが、勉強の継続には「どうしても早慶に行きたい」という強い気持ちが必要です。絶対に早慶じゃなきゃ嫌だという気持ちを心の中で持ち続けましょう。
おわりに
いかがでしたか? あこがれの早慶へ合格するために必要な考え方や目標の立て方、勉強の仕方など参考になることばかりですよね。
他にも、駿台には、授業後に自宅や寮で質問できる個別指導アプリ「manabo」や、記述・論述力向上を目的とした「Z会添削」といったサポートも充実! ぜひチェックしてみてくださいね!