【タピる?ワンチャンあり?】流行語からみる“日本語”

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はじめに

「タピる」「ワンチャン」という言葉。みなさんも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?そして、すでに当たり前のように使っている方も多いのではないでしょうか。少しずつ私たちの日常会話に溶け込んでくる“流行語・新語”。そこには普段私たちが無意識に使っていることばのルール“言語学”的要素が関係しているんです!

新しいことばにもルールがある!

「タピる」

例えば昨年大流行した「タピる」ということば。このことばを受験勉強風に言うと、「名詞に『ル』がついて、動詞になったということになります。
実は、日本語では昔から「名詞」に「スル」や「ル」をつけて動詞化するという現象がしばしば発生しています。例えば、「曇る」は「雲」という名詞に「ル」をつけて動詞化した語だそうです。今では当たり前に使われていますよね。そして、約20年前の2000年頃には、「Googleで検索をする」を略して「ググる」ということばが一世を風靡しました。他にも「キョドる」「デコる」などみなさんも聞き覚えがあるようなことばが登場したのもこの頃です。インターネットの爆発的な普及は海外文化の流入を加速させ、それとともに新しいことばが次々に生まれ始めました。
このように「〇〇+る」の〇〇に入る言葉は、その時代に話題となっている物事や若者の間で頻繁に使われることばが短縮されて入っていることがわかります。「タピる」もそれ自体は新しいことばでも、以前から使われていることばのルール構造に沿ったものなんですね。ただ、新語として定着するには、使われる頻度や期間などが影響するので、「タピる」という言葉が、今後どうなっていくのか楽しみです!

「ワンチャンあり」

「ワンチャンス(可能性)+あり」は、例えば、「ワンチャン間に合うかも」のように、あることを前向き、肯定的に捉える時に初めは使われていました。しかし今では「ワンチャン間に合わないかも」のように、あることを後ろ向き、否定的に捉える時にも使われるようになってきています。こういった、もともとはふたつあるうちのどちらか一方との相性がよかったことばが両方で使われるようになったような例は他にもあります。例えば、「とても」の使い方。「とても」は、かつては「そんなことはとてもできない。」のような否定的な使われ方でした。そうすると、ひょっとしたら、「とてもやさしい」よりは「とても難しい」のほうが相性がよかったのかもしれません。でも、現代ではこのような使い分けはありませんよね。「全然おいしい」「やばい、このラーメン、おいしい」なんていうのも同じこととして説明できるでしょう。このように、ふたつあるうちのひとつとの相性がよかったものが、両方で使われるようになるケースは、決して珍しいことではないんですね。

あなたは日本語のことを正確に伝えられますか?

流行語一つとってみても、歴史的な背景や言語学的なルールがあることがわかります。
近年、日本には外国人、外国にルーツやつながりを持つ人たちが増加しています。また、外国においては日本に対して興味・関心を持つ人たちが増え、それに伴って日本語学習熱も高まりつつあります。このような国内外の状況の中で、日本語教師には、日本語を母語としない人々に日本語を教えるための専門的な知識や能力、経験が求められています。
私たちにとって当たり前の存在である日本語。そこに隠された言葉のルールや文化、社会的慣習についてどのように説明すればよいか知らないこと、うまく説明できないこと、そしてよくわからないことがたくさんあります。また、日本語を母語とする人が日本語を教えるときには、教師と学習者との間で共通して使えるのが「日本語」だけということが圧倒的に多く、「使い方をことばで説明せずに、ことばの使い方を学習者に伝える」ことが求められます。

専門的な知識が得られる、教員養成カリキュラムがしっかりしている大学を選ぼう!

大学によっては、日本語教員養成プログラムが設けられています。例えば、京都産業大学 外国語学部アジア言語学科 日本語・コミュニケーション専攻では、日本語を母語としない人々(主に外国人)に対して日本語を教える教師(以下日本語教師)になるために必要な教育を行うプログラムを設けています。

「日本語・コミュニケーション専攻」と聞いて、「日本語を自然に身につけている日本人がどうしてわざわざ大学で日本語なんて…」、「日本語って外国人留学生が専攻するんじゃないの」と思う人もいると思います。
でも、例えば日本語が「母語」ではない人に、「私は大学生です。」と「私が大学生です。」の意味や使い方の違いを聞かれたら、どう説明しますか?そして、それをどのように伝えますか?「母語」として日本語を使っている時にはあまりにも当たり前すぎて問題にもならないようなことが、一つの「言語」として日本語を見るととても大切なことになります。

無意識のうちに身につけたことを意識的に捉え、なぜそうなのかと考えることは意外と難しいことです。それは「言語」だけではなく、「社会」「文化」「習慣」など私たちを取り巻く全てのことについても同様です。グローバル化が進むと、自分にとって当たり前のことを説明しなければならないことが多くなります。一つの「言語」として日本語を学ぶことを通じて、物事を客観的に捉える力とそれを伝える力を身につけ、国際感覚・異文化理解力・コミュニケーション能力を養えるのが、この「日本語・コミュニケーション専攻」です。

また、カリキュラムの特長のひとつに、約2週間の日本語教育実習があります。国内外の学校で、実際に授業内容や進め方などを自分で考え、教壇に立って現場を経験します。卒業後の進路を考えるうえでとても役立つ授業ですね。

京都産業大学はワンキャンパス!総合大学の外国語学部で10専攻語から学ぶ

「日本語・コミュニケーション専攻」を擁する外国語学部は、英語はもちろん、ロシア語・インドネシア語といった多様な専攻言語がそろっています。グローバル化が進む現代、語学力は大きな力となりますが、さらに求められるのは、異文化間コミュニケーション能力です。
京都産業大学の外国語学部では、世界で活躍するために不可欠な英語をすべての専攻で学ぶとともに、「英語で学ぶイタリアの文化」「英語で学ぶ中国の社会」といった、英語を教授言語にした学びも用意されており、1言語の学びでは体感できない新たな発見、体験を基本に、言語や文化の壁をこえたコミュニケーション力を養います。専攻語・英語・日本語のトリリンガル、そして専門家を目指せます!
また、京都産業大学は1万人以上の学生が1つのキャンパスで学べる関西唯一の私立大学です。
外国語学部の学生でも、興味があれば、国際関係学部の国際経済系の授業を履修する、といった学部や専門の枠を超えた履修も可能!外国語大学や、キャンパスが複数ある大学には無い魅力といえますね。学部を超えて、学生同士が刺激しあえる京都のワンキャンパスで、世界で通用する異文化間コミュニケーション能力や問題解決力を磨いてみませんか。

おわりに

いかがでしたでしょうか?みなさんが普段、無意識に使っている日本語。意外と使いこなせていないことがわかったのではないでしょうか?時代はグローバルで活躍できる人材を求めていますが、自分のルーツである日本文化、日本語をしっかり理解したうえで、コミュニケーションすることが重要なんですね。
少しでも興味をもった方はぜひホームページをチェックしてみてください!

この記事を書いた人
    【PR】Studyplus編集部
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