誰かに話したくなるハイクラス雑学〜宇宙科学編〜

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はじめに

SF作品に登場するタイムマシン。「未来や過去に行けるタイムマシンがあったら、あの時代に行ってみたい」という想像をした経験は、誰にでもあることでしょう。ただ、映画やアニメで描かれているようなタイムマシンを作ることが可能なのでしょうか? じつは理論上では、未来への時間旅行は可能とされています。

相対性理論が未来への旅のカギ

「相対性理論」をご存じでしょうか?
現代物理学の父と呼ばれるアインシュタインが提唱した理論です。
今年の4月に世界で初めてブラックホールの撮影に成功したことが話題になりましたが、ブラックホールの存在も約100年前にアインシュタインが相対性理論で予測していたのです。

この相対性理論に、未来への時間旅行のカギがあります。
相対性理論によれば、「光の速度に近いスピードで移動している物体の時間の進み方は遅くなる」と計算できるのです。

光速に近づくと時間の流れが遅くなる


たとえば、光速の99%の速さで地球から旅立った宇宙船があるとします。
この宇宙船内での時間の進み方は、地球上のそれの約1/7のスピードになります。
さらに、光速との差が10兆分の1%以下になると(つまり、かぎりなく光速に近いスピードになると)、時間が進むスピードは地球の約1/2000万になります。

子どもが生まれたばかりの宇宙飛行士が、赤ん坊を地球に残して宇宙に旅立ったと想像してください。
光速で移動する宇宙船がほんの1分間だけ旅をして地球に戻ってくると、1分×2000万は約38年ですので、地球では38年の時が進み赤ん坊はもう大人に成長しています。
宇宙船内と地球上の時間の進み方が違うので、このような現象が起きるのです。

光速で旅をした宇宙飛行士の主観では、1分間移動しただけで38年後に到着するのですから、未来へタイムトラベルしたようなものです。
ただし、この方法では過去にもどることはできませんし、SF作品でよく描かれる「未来の自分自身と会う」こともできません。

過去への旅はワームホールを通って


次に、過去へのタイムトラベルの可能性を考えてみましょう。
未来への旅は光速の移動で行ないましたが、過去への旅はワームホールを利用します。

ワームホールとは、宇宙のある地点とある地点を結んだトンネルのような存在です。
なんでも飲み込むブラックホールが存在する以上、吸い込んだものを吐き出すホワイトホールの存在も考えられます。
このブラックホールとホワイトホールを結んだトンネルがワームホールです。

ワームホールを使えば過去への時間旅行ができるのではないかと考えた科学者がいます。
SF映画『インターステラー』で科学コンサルタントを務め、2017年にはノーベル物理学賞を受賞したアメリカの理論物理学者キップ・ソーンが、ワームホールを使えば過去への移動が可能と主張しているのです。

この記事を書いた人
    Studyplus進路
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