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長文読解での時間短縮のコツ
【選択肢から先に見よう】
長文問題にとりかかる時まず最初にやるべきことは、設問と選択肢をチェックしておくことです。
「本文の全体像をなんとなく把握できる」+「本文のどこに注意して読めばいいのかが分かる」とメリットが大きく、読解のスピード向上にはとっても役に立ちます。本文のなんとなくのテーマを予め知っておけば、よくわからない文章でもテーマからの「推測」によりだいたい意味がカバーできるようになります。
また、設問や選択肢中に出てくる単語や表現が、そのままの形で本文中に出てくるとは限りません。多くの場合他の単語や表現で「言い換え」がなされています。「言い換え」を意識して読んでいくと、解答に必要な箇所が浮かび上がってきやすくなるはずです。
【読み方にメリハリをつけよう】
長文を読むときは、ただ漫然と、どの箇所も同じ集中力で読んでいてはよくありません。読み方にメリハリをつけることが大事です。
どういうことかというと、重要なところ(=設問に関わるところ)は「細かく」「時間をかけて」「正確に」読む、重要でないところは「大雑把に」「短時間で」「大体の意味だけ把握して」読む、ということです。センター英語長文の文量は大変多く、すべての文を正確に、集中して読み取ろうとしていては終わりっこありません。
効率的に素早く問題を解くためには、解答に必要ないところはある程度適当に読み流してしまうのが重要です。逆に重要なところは正確に読み取れるようにしておかなければなりません。正確な読み取りが不安な人は、単語力や文法などの基礎からやり直しましょう。
【ディスコースマーカーを意識しよう】
ディスコースマーカーとは、文と文との論理的なつながりを示すことばです。「However」「Therefore」などが該当します。
長文読解を進めていく上で、このディスコースマーカーの存在はとても重要です。そのことばが含まれる、または後に続く文の本文全体における立ち位置が一発でわかるからです。視覚的に分かりやすくしておくために、ディスコースマーカーの種類ごとに印をつけておくといいです。
例えば「言い換え」の「in other words」「that is to say」には「=」を、「結果」を示す「therefore」「as a result」には「→」をそのことばの上に大きく分かりやすく書き込んでおくことで、論理的な読解がスムーズになります。
そして覚えておいて欲しいのは、「However」「But」など逆接を示すことばの後には筆者の主張が書かれることが多いです。従って解答に直接繋がる箇所も大体ココらへんです。特に「逆接」に注意して読むようにすると、長文もスラスラ答えられるようになるでしょう。
リスニングのコツ
【設問から放送内容を推測しよう】
リスニングでは、放送と放送の間の空き時間に次の問題の設問と選択肢をチェックしておくことが重要です。設問から放送内容をある程度推測できますが、テーマを知っておくことでだいぶ聞き取りは楽になります。
よく聞き取れなかった単語でも、なんのことについて話しているかわかっていれば、ある程度推測がつきます。それに、どんな話をしていてどこに注意して聴けばいいか分かっていれば、ずっと張り詰めて聴いている必要はなくなり心理的にも随分余裕が持てます。設問チェック→内容の推測はセンターリスニングにおいてとても大事なので、必ず行うようにしましょう。
この設問先読みは、比較的長い文が読まれる第4問で特に威力を発揮します。2015年度センター英語リスニング本試験の問題を例に挙げて説明しましょう。
これから流れる英語を聞き、それぞれの問いの答えとして最も適切なものを、四つの選択肢(①〜④)のうちから一つずつ選びなさい。
問23 Why was Helen Keller first invited to Japan?
① To establish schools for the disabled.
② To give lectures across Japan.
③ To learn about Japanese culture.
④ To meet Ichiro Ogasawara.
問24 Why did Helen Keller want an Akita dog?
① Because she wanted a dog with soft fur.
② Because she wanted a faithful dog like Hachiko.
③ Because she wanted a gentle dog for her friend.
④ Because she wanted a guide dog to tour Japan.
問25 Which of the following is mentioned about Kami?
① He was a guard dog in the United States.
② He was a trained police dog in Japan.
③ He was named by Ichiro Ogasawara.
④ He was the first Akita dog in the United States.
これら3つの設問とそれぞれの選択肢からは、様々な情報が得られます。
まず問23でも24でも、「Helen Keller」が問題文に登場しています。また、問23には「Japan」が、問24には「Akita dog」が出てきています。これらから、「ヘレン・ケラーと日本」についての問題なんだな、とおおまかな予想がつきますね。これから流れる英語の大体の内容を把握しておくだけでも、リスニング心理的には随分楽になります。
また、問23の設問を読むと、「なぜヘレン・ケラーが日本に招かれたのか」について訊かれていることが分かります。よって、リスニングの際には「invited」という単語の近辺に聞き取るべき情報があると考えられるので、特に「invited」という単語には敏感になっておく必要があります。
ここでさらにいうと、センターリスニングでは設問文と同じ形の英語がスクリプトとして読まれず、同じような意味の言葉で「言い換え」される場合が多くあります。この問題の場合だと、「invited」が「come」のような単語で言い換えされる可能性があるわけです。従って、設問文に出てくる単語と意味が似た単語に対しても、注意を払っておく必要があるということですね。
問24の設問からも同様に、「want」や「dog」に注意を払うのはもちろんのこと、「wonder if she could」などで「want」が言い換えされていることにも注意を払わなければなりません。
問25の設問では、「Kami」についてのことを訊かれていることがわかりますが、そもそも「Kami」がなんなのか一見ではわかりません。そこで、選択肢の文を読んでいくと、「dog」という単語がよく出てくるのがわかると思います。そこから、「Kami」は犬の名前なのではないか?と予測がつくわけです。よって、リスニング中には「Kami」の近くに出てくる「dog」に集中して、「どのような犬なのか」を聞き取れるように注意するべきだということになりますね。
このように、設問と選択肢を先読みしておくことで、「リスニングの内容」と「注意して聞くべきポイント」が事前に分かります。長い文が読まれる問題ほど、ずっと集中して聞き続けるのは難しいので、このような「リスニングを楽にするテクニック」はとても役立ちます!
【数字は絶対にすぐメモしよう】
時間に関する問題、数量に関する問題など、リスニングでは数字関連の問題もよく出題されます。この数字は聞いた瞬間に絶対にメモしておきましょう。放送が終わった後からではダメです。聞いた習慣に即座にメモしましょう。
数字のような細かいものは、大体覚えたつもりになっていても、後から思い出してみようとするとどこか間違っていることが多いです。よくあるのは、「thirty」だったっけ?「thirteen」だったっけ?という間違いです。聴いたそばからすぐメモをとるようにしていれば、こういった事態も防げます。
最後に
センター英語はその時間の足りなさから、英語がある程度デキる人でも高得点を取るにはある程度の対策が必要になります。しかし、この記事で紹介したいくつかのコツを実践して、最適な時間配分、解答順で解いていけば、もう解答時間の短さに怯える必要もありません。
本番で100%の力を発揮するためにも、センター英語攻略のコツ、是非試してみてください!