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はじめに
皆さんは「健康運動指導士」という資格を知っていますか?個人の体調や目的に合わせて、健康増進・生活習慣病の予防など健康づくりのための運動指導プログラムを作成し、指導を行う資格なんです!
健康運動指導士の先生と資格取得を目指す先輩にインタビュー
今回は、健康運動指導士の受験資格が得られる養成校の一つである東海大学体育部で、長年現場にも携わっている久保田先生と、資格取得を目指して頑張っている大学の先輩に話を聞いてきました!
(東海大学体育学部生涯スポーツ学科 久保田晃生教授)
その人に合わせたプログラムづくりで、楽しく継続できるようにサポートする。
私は、13年間健康運動指導士として、県民の健康づくりの中核施設である健康科学センターで、地域のみなさんの体力測定と運動処方をしてきました。運動と言っても競技スポーツではなく、子供からお年寄りまですべての人が、今の自分の状態にあった体力づくりを行えるようサポートするのが仕事です。プログラムをつくるときは、年齢・健康状態・生活習慣・体型・体力などその方の身体の状態を把握・評価します。そのうえで頻度×時間×強度等を考えながら、ウォーキングやストレッチ、筋トレなど個別にプログラムを組んでいきます。大学では、これらの健康状態の測定方法から、相手の心理状態にあわせたカウンセリングやヒアリング方法など一連の流れを学びます。これまで運動をしてこなかった人でも、楽しく継続できるように、私たち健康運動指導士がしっかりサポートをしていきます。
運動の楽しさを広めたい、みんなの喜ぶ顔が原動力!
この仕事の魅力は、なんといっても運動を楽しみにしてくれる人達に出会えることです。運動の楽しさを知ってもらいたいという思いでこの仕事を始めたので、みなさんの喜ぶ顔がやりがいにつながります。以前、私の受け持った利用者さんの中に、ご夫婦でウォーキングに参加されていた方がいたのですが、奥様がガンにかかってしまって・・・。奥様の闘病中、旦那さんが「妻がまたいつでも戻ってこられるように」とおひとりでウォーキングを頑張っていました。先日、久しぶりに奥様が参加されて、とても喜んでいました。2人に1人がガンになる時代で、ガンのリハビリでも運動を推奨しています。運動の必要性は今後ますます高まってくるので、健康運動指導士の仕事ももっと世間の方に知られるようになるのではないでしょうか。
身体を動かすことが好きな人、人と接することが好きな人が向いている!
“健康”は、目的ではなく手段のひとつだと考えています。健康であってはじめて自分のやりたいこと、例えば、友達と遊んだり、旅行したりできますよね。勉強や仕事をすることも、健康だからこそ一生懸命取り組めるんです。生きるうえで基礎としてあるのが“健康”で、それを守るのが健康運動指導士だと思っています。身体を動かすのが好きな人、自分の身体のことをちゃんと知りながら楽しく安全に運動したいと思っている人なら誰でも向いている資格だと思います。運動が苦手な人でも、苦手だからこそ、相手の気持ちに寄り添った指導もできるので、ぜひみなさんにチャレンジしてもらいたいと思っています。
健康運動指導士は、多くの方は民間のスポーツクラブや病院に勤める方が多いですが、最近では公共・行政の関連施設で資格をもった人が必要とされるケースも増えてきました。その他では、民間企業で健康づくりを行っている部署に就職したり、大学の教員として戻ってきたり、起業してパーソナルトレーナーになる人もいます。高齢者の方とコミュニケーションをとりながら運動指導を行うといった活躍の場も増えており、工夫次第で色々活かせます。また、この資格を持っていると、転職や再就職にも活用できます。
(東海大学体育学部生涯スポーツ学科 3年 村田 聖(むらた さとる)さん)
勝ちにこだわることもいいけど、やっぱり自分の楽しみや健康のために運動をしたい!
高校生の時に、部活動で行うような厳しい運動がイヤだなと思うことがありました。でも、授業でやるレクリエーション的なスポーツ活動はとても好きだったので、自分の楽しみや健康のためにスポーツをする「生涯スポーツ」に興味をもちました。東海大学のオープンキャンパスで、「健康運動指導士」の資格がとれると知り、先輩に詳細を聞いたところ、まさに自分が求めている資格だなと思いました。健康運動指導士の魅力は、小さい子から高齢者まで幅広い年代の方それぞれに適したプログラムを提供できるところです。授業では、スポーツ医学や解剖学など難しいものも多いのですが、実際にケガをしたときの対応などを学ぶことができ、普段の生活に活かせる知識も多いので興味深いです。
将来は、病院や介護施設に就職して、おじいちゃん、おばあちゃんに元気になってもらいたい。
在学中に資格を取ることが目標です。将来は、病院か介護施設で働きたいと思っています。
大学2年生の秋に、高齢者向けの体力測定イベントで、高齢者に測定の説明や留意点をお伝えする健康運動指導士の補助として参加しました。高齢者は、握力測定やバランス力測定などで、血圧の上昇や、転んで骨折をする危険性があるので、健康運動指導士が適切にサポートする必要があります。その時、授業で学んだ高齢者への接し方を実際に活かすことができ、また、実際に健康運動指導士の方が働く様子を見て、ますますこの仕事の重要性を知り、資格を取りたい気持ちが強まりました。
おわりに
いかがでしたか?健康運動指導士の魅力は伝わったでしょうか?子どもから高齢者まで幅広い年代に必要とされる健康運動指導士、みなさんもぜひチャレンジしてみてくださいね!